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 以下に、「日日是労働」のダイジェスト版・第152弾を掲げます。直ぐ下の記事がこの「日日是労働セレク
ト152」の中では最も新しい日付のものです。つまり、読み進めるほど、古い記事になります。ただし、いち
いち明示しませんが、後日に行った加筆訂正を含んだ日があります。日誌ですから、少なくとも後日に加筆
することはご法度であるはずですが、「某月某日」ということもあり、記事内容の充実を優先させました。
ご了承ください。また、頑張って「辛口」の批評を展開しようと務めておりますので、本文に何かと読者の
お気に召さない表現等が散見されるやもしれませんが、特定の個人、団体等を誹謗中傷する目的は一切あり
ませんので、どうぞご理解ください。なお、ご感想は、muto@kochi-u.ac.jp までお寄せ下さい。


 某月某日

 DVDで邦画の『異邦人の河』(監督:李學仁〔イ・ハギン〕、緑豆社、1975年)を観た。これも、<DIG>
が発掘しなければ、一生その名前さえ知らないままだった作品である。謳い文句に、『GO』(2001年)、
『パッチギ』(2005年)よりも昔、在日韓国人の熱い血と涙を描いた傑作があった! ……とあるが、これ
ら後続の作品にはないリアリティがあると思った。映画の質からすれば、大して高くはないが、当時の朴政
権下の韓国をかなり辛辣に批判しており、いかにも70年代の映画らしい。この時代を映しているという意味
で、貴重な作品であると思う。どことなく、『愛について、東京』(監督:柳町光男、「愛について、東京」
製作委員会〔パイオニアLDC=プロダクション群狼〕、1992年)に似ているとい思った。
 物語を確認しておこう。例によって、<Movie Walker>のお世話になる。執筆者に感謝したい。なお、一部
改変したが、ご海容あれ。

    〔解説〕

  日活で蔵原惟繕、神代辰巳、藤田敏八、田中登、加藤彰、曽根中生などの助監督をやっていた29歳
 の李学仁(イー・ハギン)の処女作。在日朝鮮人が監督する最初の長編劇映画である。緑豆社は、李
 とカメラマンのアン・スンミンとが作っていた独立プロダクションで、『異邦人の河』は中村敦夫が
 製作費を出して誕生した緑豆社の第一回作品。李の国籍は韓国、安の国籍は朝鮮民主主義人民共和国。
 主演の朴雲煥(パク・ウナン)は、「キャロル」のメンバーだったジョニー・大倉で、彼はこの映画
 の音楽も担当している。朴はここで日本人の仮面をはずし、はじめて本名を名乗ったのである(16ミ
 リ)。

   〔あらすじ〕

  ビルの谷間のゴミの中に倒れている皮ジャンを着た青年が、起きあがって歩き出す。私鉄の踏切で
 何者かにドスで刺されてしまったこの青年が、傷口を押さえながら歩道橋を上っていくと、少女が川
 に身投げするのが目にはいったのであった。青年は、少女を助ける。彼女は朝鮮語をしゃべる。山本
 と名のる自動車修理工のこの青年(朴雲煥〔=ジョニー大倉〕)は、李史礼という本名をひたかくし
 に隠して生活している在日朝鮮人で、少女はやはり方順紅という名前の在日朝鮮人(大関優子〔後の
 佳那晃子〕)であった。史礼は順紅にも自分が在日朝鮮人であることを隠していたが、病院に見舞い
 に来てくれた彼女に「俺は李史礼だ……朝鮮人だ」と、ついにほんとうのことを告白してしまう。退
 院した史礼は、順紅といっしょに行方不明になっている彼女の父親〔方相一〕(菅貫太郎)を捜すが、
 見つかりそうもない。そんなある日、史礼は自動車修理工場の経営者である渡辺(米倉斉加年)から
 「修理工場を新しく一軒ふやそうと思っているのだが、おまえをそこの主任にバッテキするつもりだ。
 来週中に、戸籍謄本をもってこい」と言われる。迷った史礼は、「オレは帰化するぞ、よく見てろ!」
 と言って、順紅の目の前で外国人登録証明書を破いてみせる。そんな彼を順紅は、「パンチョッパリ
 (半朝鮮人)!」と言って罵倒した。その後、突然史礼は順紅と情交する。そのうち彼は、韓国から
 日本に逃亡してきたジャーナリスト池法石(中村敦夫)と知りあいになり、啓発されて民族意識にめ
 ざめるようになるが、池はKCIAに殺されてしまう。順紅の母〔尹銀淑〕(馬渕晴子)も死んだ。
 母の遺骨を胸に抱いてはるばる対島までやってきた順紅は、海の彼方にかすかに見える祖国の方に骨
 箱を高く差し出して、「オモニ!見なさい!……祖国よ」と叫ぶのだった。自動車修理工場をやめた
 史礼は、今度は朝鮮人であることを堂々と名のって別の自動車工場につとめた。そしてある日、黒塗
 りのベンツに乗っているKCIAのメンバー(柳生博)にドスをつきつけた史礼は、民衆の声を聞く
 ことのできない彼の耳を剃り落としてしまうのだった。

 他に、宇津宮雅代(柳恵栄=池法石の妻)、河原崎長一郎(李鐘観=史礼の父)、常田富士男(朴英一=
順紅がミシンの縫い子をしている会社の社長、朴政権を激しく非難する演説も行う)、小松方正(山田=史  
礼が新たに勤め先を求めた自動車解体工場の男)、絵沢萌子(張照子=朴英一の会社の縫い子のひとり)、
粟津號(じゅんちゃん=酒場の客)、藤田敏八(KCIAの暗殺者)、東野孝彦〔英心〕(同)、などが出
演している。
 つかこうへいは「いつか公平」から採ったペンネームとの由であるが、在日朝鮮(韓国)人ならずとも、
それは当然の気持だろう。方相一が、「鮮人」と呼んで髪の毛をつかんだ相手の日本人に唾を吐きかけるシ
ーンがあるが、差別的なふるまいをする人間は唾棄すべき存在であることを普遍的に表現していると思った。
もとより、「在日」の問題は根が深いので、小生のような者があれこれコメントする資格はないが、いつも
「何とかならないのか」という思いは強い。なお、金芝河(キム・ジハ)の名前を久しぶりに見た。一時、
ブームになったことを覚えている。


 某月某日

 DVDで邦画を3本観たので報告しよう。いずれも空恐ろしい「殺人」がモチーフとなっており、どうしてこ
うも殺伐した映画を作りたがるのか、いささか疑問である。もっとも、3本目は史実に基づいているので、
このような表現は必然的なのであろう。以前から何度も指摘しているが、TVドラマでは性や暴力をあからさ
まに扱うことが困難なので(誰が観ているか分からないから)、映画ではその分表現が過激になる傾向があ  
るようである。それはそれで首肯できることではあるが、最近の映画には目に余るものがあると思う。そう
までして過激な表現が必要なのか。1960年代くらいまでは、性や暴力は背景に匂わせるように作られており、
一部を除いてあまり露骨な表現はかえって敬遠されていたようである。うろ覚えであるが、黒澤明が『用心
棒』(監督:黒澤明、東宝=黒澤プロ、1961年)で大量の血液を噴出させる演出を行っているが、その後の
時代劇に多大なる影響を与えたために、少し後悔しているという話がある。その流れを思い出したのである。
つまり、最近の映画は、「相互作用」とも言うべき悪乗りが多く、小生としては少し興醒めである。現実に
殺伐とした事件が数多あるのに、映画まで殺伐にする必要が本当にあるのか、と。ただし、以下で挙げる映
画が劣っているという意味ではけっしてない。むしろ、ある程度優れているからこそ、苦言を呈しているの
である。
 1本目は、『不能犯』(監督:白石晃士、「不能犯」製作委員会〔関西テレビ放送=博報堂DYミュージッ
ク&ピクチャーズ=エイベック・ピクチャーズ=Big Face=集英社=ポニーキャニオン=ファインエンター
テイメント〕、2018年)である。まったく荒唐無稽な映画ではあるが、その背景にはネット社会に渦巻く怨
念が存在している。その意味では、むしろ不気味なリアリティが隠されていると言えるかもしれない。
 初めに連想したのは、『MONSTERZ モンスターズ』(監督:中田秀夫、「MONSTERZ」FILM PARTNERS
〔日本テレビ放送網=ワーナー・ブラザーズ映画=ホリプロ=読売テレビ放送=バップ=D.N.ドリーム
パートナーズ=ツインズジャパン=ジェイアール東日本企画=札幌テレビ放送=ミヤギテレビ=静岡第一
テレビ=中京テレビ=広島テレビ=福岡放送〕、2014年)である。主人公の宇相吹正(松坂桃季)の超能力
が、『MONSTERZ モンスターズ』の「男」(藤原竜也)のそれと重なったからである。おそらく、他者が自分
の意のままになる超能力を授けられたとすれば、悪用の誘惑に打ち勝てる人間はあまりいないのではないだ
ろうか。もちろん、小生も「打ち勝てる」とは断言できない。「マインド・コントロール」や「洗脳」など
のお馴染みの言葉が登場するが、その他にも、「プラシーボ効果」や「思考の類似」などの心理学用語が使
われている。興味のある人は自分で調べてほしい。いずれにせよ、あまりにもありえない話なので、疑似科
学的な説明が必要だったのであろう。なお、題名の「不能犯」とは、「犯罪を立証することが不可能な犯人」
といった意味である。
 物語を確認しておこう。例によって、<Movie Walker>のお世話になる。執筆者に感謝したい。なお、一部
改変したが、ご寛恕を乞う。

   〔解説〕

  『グランドジャンプ』連載の人気コミックを松坂桃李主演で映画化したサイコスリラー。赤く光る
 目で見つめるだけで人の心を操る男、宇相吹と、その力が唯一効かない刑事の多田との対決の行方が
 描かれる。沢尻エリカが多田を演じるほか、新田真剣佑、間宮祥太朗ら若手実力派が多数出演する。
 監督は『貞子vs伽椰子』の白石晃士。

   〔あらすじ〕

  検死をしても何一つ証拠が出てこない不可解な変死事件が連続して発生。これらの事件のただ一つ
 の共通点は、事件現場で必ず黒スーツに身を包んだ宇相吹正(松坂桃李)が目撃されていることだっ
 た。彼こそは、ある電話ボックスに殺人の依頼を残しておくとどこからともなく現れ標的を確実に死
 に至らしめるとSNSで噂されている、「電話ボックスの男」だった。死因は病死や自殺に事故と、いず
 れも立件できないようなものばかり。そんな不能犯・宇相吹のもとに、愛憎や嫉妬、欲望にまみれた
 人々が今日もやってくる。警察は宇相吹の身柄を確保し任意で取り調べを開始。多田友子(沢尻エリ
 カ)と部下の百々瀬麻雄(新田真剣佑)が見守る中、上司の夜目美冬(矢田亜希子)が彼の取り調べ
 にあたるが、次第に夜目の様子がおかしくなり……。

 他に、間宮祥太朗(川端タケル=多田が更生させた青年)、テット・ワダ(赤井芳樹=刑事)、菅谷哲也
(若松亮平=同)、岡崎紗絵(前川夏海)、水上剣星(木島功=金融業者)、松澤匠(上野琢巳=木島の依
頼で高円寺の女を自殺に見せかけて殺した犯人)、小林稔侍(鳥森広志=町内会長)、忍成修吾(羽根田健=
鳥森の殺害を宇相吹に依頼する青年)、水上京香(羽根田桃香=健の妻)、真野恵里菜(木村優=デリヘル
嬢)、芦名星(夢原理沙=木村優の実姉)、久保田秀敏(榊克明=医師、理沙の婚約者)、堀田茜(西冴子=
看護師、理沙に克明との仲を疑われる女性)、安田顕(河津村宏=鑑識係、夜目の殺害を宇相吹に依頼する
が、自らも階段で落ちて死ぬ)、福山康平(河津村哲也=宏の息子)、今野浩喜(櫻井俊雄=嫉妬から宇相
吹に川端タケルの殺害を依頼する青年)、大迫茂生(工藤刑事)、三村和義(滝刑事)、杉本なつみ(ニュ
ース・キャスター)、アフロ後藤(優の客)、中澤功(同)、大塚加奈子(主婦)、森田想(女子高生)、
三浦透子(同)、三味弥生(桃香の仲間)、花奈美咲(同)、清瀬やえ(ラーメン屋にいた女)、西山真来
(結婚詐欺師)、久保山智夏(通行人)、大塚康裕(医師)、松元絵里花(看護師A)、加藤葵(同じくB)、
瀬田ミナコ(看護師)、神原明果(同)、田中実り(同)、松竹史桜(女性たちのひとり)、山本綾乃(同)、
門倉智美(同)、藤村玲衣(同)などが出演している。
 2本目は、『羊の木』(監督:吉田大八、『羊の木』製作委員会〔アスミック・エース=テレビ東京=ジ
ェイ・ストーム=住友商事=ソニー・ミュージックエンタテイメント=ギークピクチュアズ=KDDI=講談社=
テレビ大阪=ニッポン放送=朝日新聞社=GYAO〕、2018年)である。冒頭に、以下の文字が浮かび上がる。

       その種子やがて芽吹き タタールの子羊となる
       羊にして植物
       その血 蜜のように甘く
       その肉 魚のように柔らかく
       狼のみ それを貪る

                       「東タタール旅行記」より

 謎に満ちた言葉であるが、かつて中央アジアにあったスキタイという町の話の由。植物に動物がなるはず
がないが、『西遊記』には人間の子どもがなる樹木の話があったのではないか。また、人間の屍骸を養分に
して育つ葛が登場する、野坂昭如の「骨餓身峠死人葛(ほねがみとうげほとけかずら)」(1969年)を連想
した。いずれにせよ不気味な物語であることは間違いない。なお、小生もかつて自らの論文「至福考 ─ セ
ネカとデカルト」(『高知大学学術研究報告 人文科学編』第48巻、1999年、所収)で、古代スキュタイ人
(=スキタイ人)の登場する『イーゴリ遠征物語』(木村彰一 訳、岩波文庫、1983年)の一節を引用したこ
とがある。「幸福と不幸を鮮明に分ける典型的な例として、古代スキュタイ人の風習に触れてみたい。彼ら
は、毎夜、寝る前に矢筒に小石を入れるならわしであり、その日、自分が幸福だったと思えば白い石を、不
幸だったと思えば黒い石を入れた。その人が死ぬと、他の人々がその矢筒をあけて石の数をかぞえ、故人の
生涯が幸福であったか否かを判断した由である」……この話も現代人の目には滑稽に映るかもしれないが、
果たしてどうだろうか。現代人も往々にしてこれと似たようなことをしているのではないだろうか。
 物語を確認しておこう。以下、上と同様である。

   〔解説〕

  原作・山上たつひこ、作画・いがらしみきおという、ギャグ漫画で知られる2人がタッグを組んだ
 異色作を、『桐島、部活やめるってよ』の吉田大八監督が映画化したヒューマン・サスペンス。過疎
 対策として仮釈放された元殺人犯を受け入れた港町で起きる出来事を、錦戸亮演じる市役所職員の目
 を通して描き出す。

   〔あらすじ〕

  さびれた港町の魚深(うおぶか)市。市役所職員の月末一(錦戸亮)は、移住してきた6名の男女
 を受け入れるよう命じられる。しかし6人は言動に落ち着きがなく尋常ではない様子で、彼らの周囲
 には不審な同行者がいた。実はこれは受刑者を仮出所させ過疎化が進む町で受け入れる国家の極秘プ
 ロジェクトだった。6人の経歴は伏されたままだったが、月末は彼ら全員に殺人歴があることを知る。
 犯した罪に囚われながら、それぞれ居場所に馴染もうとする6人。そんなある日、港で死亡事故が発
 生。月末の同級生の石田文(木村文乃)を巻き込んで、町の人々と6人の心が交錯していく。

 他に、北村一輝(杉山勝志=傷害致死事件を起こして懲役8年の判決を受けた青年)、優香(太田理江子=
セックスの快楽を高めるために首を絞める行為を夫に対して行い誤って死亡させた三十路女)、市川実日子
(栗本清美=DV男に耐え切れず一升瓶を頭に打ち付けて殺害した女性)、水澤紳吾(福元宏喜=酒乱の挙句、
人を殺めた中年男)、田中泯(大野克美=敵対する組織の組長をワイヤーで絞め殺した初老のヤクザ)、松
田龍平(宮腰一郎=因縁をつけられた相手を過剰防衛で殺害した青年)、中村有志(雨森辰夫=Hair Salon
「アマモリ」の店主。かつて自分自身も受刑者だったので、福元宏喜を受容する酸いも甘いもかみ分けた男)、
安藤玉恵(内藤朝子=クリーニング店「日の出屋」の店主。大野を殺人犯と知りながら受け容れる気風のい
い女性)、細田善彦(田代翔太=月末一の同僚)、北見敏之(月末亮介=一の父親、太田理江子と恋仲にな
る)、松尾諭(須藤勇雄=一や文の同級生、ドラマー)、山口美也子(志村妙子=亮介の妹、一の叔母)、
鈴木晋介(神崎良作=課長、月末一らの上司)、深水三章(目黒厚=宮腰に恨みを抱く初老の男)などが出
演している。
 何とも不思議な映画である。吉田監督の作品で、小生が鑑賞済みの映画を以下に掲げてみよう。

  『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』、監督:吉田大八、「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」製作委
   員会〔モンスター・フィルムス=ティー・ワイ・オー=アミューズソフトエンタテインメント=
   ファントム・フィルム=ソニー・ミュージックエンタテインメント〕、2007年。
   「日日是労働セレクト97」、参照。
  『クヒオ大佐』、監督:吉田大八、「クヒオ大佐」製作委員会〔モンスター☆ウルトラ=ショウゲート=
   ティー・ワイ・オー・アミューズソフトエンタテインメント=メディアファクトリー=パルコ=日活・
   チャンネルNECO=アスミック・エース エンタテインメント〕、2009年。
   「日日是労働セレクト69」、参照。
  『桐島、部活やめるってよ』、監督:吉田大八、「桐島、部活やめるってよ」製作委員会〔日本テレビ
   放送網=集英社=読売テレビ放送=バップ=DNドリームパートナーズ=アミューズ=WOWOW〕、2012年。
   「日日是労働セレクト93」、参照。
  『紙の月』、監督:吉田大八、「紙の月」製作委員会〔松竹=ポニーキャニオン=ROBOT=アスミック・
   エース=博報堂=朝日新聞社=ぴあ=KDDI〕、2014年。
   「日日是労働セレクト119」、参照。
  『羊の木』、監督:吉田大八、『羊の木』製作委員会〔アスミック・エース=テレビ東京=ジェイ・
   ストーム=住友商事=ソニー・ミュージックエンタテイメント=ギークピクチュアズ=KDDI=講談社=
   テレビ大阪=ニッポン放送=朝日新聞社=GYAO〕、2018年。

 こうして並べてみると、何となく作風が見えてくる。きっと、人間の営みの不可思議さを描きたいのだろ
う。したがって、本作品の意図もそこにあるのだろう。
 3本目は、『小林多喜二』(監督:今井正、多喜二プロダクション、1974年)である。この作品は、存在
さえ知らなかったのであるが、名作を発掘することを目的に活動している<DIG>の尽力によって、再び世
に登場したのである。思うに、小林多喜二の問題作である「蟹工船」が、最近の若者に受けていることに影
響されたのではないかと思われる。
 物語を確認しておこう。以下、上と同様である。

   〔解説〕

  昭和初期の暗い時代に生きたプロレタリア作家・小林多喜二の愛と青春を描く、フィルムによるモ
 ニュメント。脚本は勝山俊介、監督は『海軍特別年少兵』の今井正、撮影は中尾駿一郎がそれぞれ担
 当。

   〔あらすじ〕

  小林多喜二(山本圭)は、一九〇三年(明治36年)秋田の貧しい農家に生まれ、彼が四歳の時、一
 家は伯父(下條正巳)のいる北海道小樽に移住した。伯父のパン工場で働きながら彼は、小樽商業か
 ら高商(後の小樽商科大学)へと学んだ。一九二四年(大正13年)北海道拓殖銀行に勤めた多喜二は、
 帳簿をつける合間に小説を書いていた。二十一歳の年の暮、「やまき屋」で美人の酌婦、田口タキ
 (中野良子)を知った。貧乏ゆえに身を売らねばならなかった十七歳のタキを、彼は愛したばかりで
 なく、友人から借金して、彼女をわが家にひきとった。数日間、タキは多喜二一家のあたたかい笑い
 につつまれていたが、突然、多喜二の深い愛から逃げるように去っていった。大正から昭和にかけて
 のこの時期は、日本軍国主義の抬頭期であり、治安維持法(一九二五年四月)が制定された。各地で
 抵抗運動が組織され、時代の鼓動は多喜二の胸を激しくうった。そして、タキへの思慕に苦しみなが
 らも彼は文学にうちこみ、同時に労働者、農民闘争に参加した。一九二八年(昭和3年)一月、初の
 普通選挙がおこなわれた。多喜二は労働農民党の山本懸蔵候補(鈴木瑞穂)の応援遊説隊に加わった。
 山懸は落選したが、京都で初の無産政党代表山本宜治代議士が誕生した。全国無産者芸術連盟(ナッ
 プ)小樽支部幹事となっていた多喜二は、上京して理論的指導者・蔵原惟人(原田一雄)と会った。
 二十四歳の多喜二にとって蔵原との出会いは大きな励ましとなり、小樽に帰るや「一九二八年三月十
 五日」を書きあげた。この作品によって多喜二は名実ともにプロレタリア作家となった。その後、
 「蟹工船」、「不在地主」……と発表した彼は銀行を解雇された。「不在地主」が拓銀のあくどい収
 奪をあばいたという理由だった。一九三〇年(昭和5年)多喜二は上京し、積極的に活動した。治安
 維治法で豊玉刑務所に収容された時、タキが面会に来た。美容師になろうとタキも上京していたので
 ある。そんな彼女を多喜二は、出獄してからも励ますのだった。翌三十一年、作家同盟書記長となっ
 た多喜二は、寝食を忘れて活動し、秋、日本共産党に入党した。この年勃発した満州事変をきっかけ
 に、弾圧はいっそう厳しくなっていった。そのような状勢の中で「党生活者」、「地区の人びと」な
 どを発表する多喜二を、警察は“見つけたら殺す”を合言葉に必死になって捜索した。同志の計らい
 で多喜二が数年ぶりに弟・三吾(南清貴)と日比谷公会堂で会った三ヵ月後の一九三三年二月二十日、
 彼は逮捕され、その日のうちに拷問にかけられ虐殺された。警察は“心臓マヒ”と発表し、病院は解
 剖を拒んだ。弾圧の中でおこなわれた葬儀の日、蔵原惟人、壺井栄ら獄中の同志たちに一輪の花が届
 けられた。それは、明日の時代を信じて闘った多喜二を象徴するようにふさわしく、真紅に輝いてい
 た。

 他に、森幹太(多喜二の父)、北林谷栄(多喜二の母)、佐藤オリエ(傍藤ふじ子=多喜二の妻)、森居
利昭(宮本顕治=共産党の幹部)、富士真奈美(中條百合子=宮本顕治の妻)、津田京子(織田勝恵)、杉
山とく子(ふじ子の母)、寺田誠(島田正策)、滝田裕介(志賀直哉)、日恵野晃(芥川龍之介)、西沢利
明(里見とん〔弓偏に淳の旁〕)、杉本孝次(立野信之)、小夜福子(蔵原の母)、長山藍子(美都)、生
井健夫(鈴木源重)、地井武男(渡)、永井智雄(毛利特高課長)、辻萬長(多喜二の先生)、玉川伊佐男
(特高の幹部)、丹古母鬼馬二(特高の刑事)、江幡高志(同)、横内正(語り部)などが出演している。
 「検束」や「臨監席」などの官吏用語が出てくるが、見るだけでいかめしい感じを抱かざるを得ない。政
治的立場や人間の生き方には多様性が必要だが、自分とは異なる考えを力で押し潰す料簡に頷くことはでき
ない。「思想・信条の自由」のない世界は窮屈な世界である。小林多喜二は一命を賭してそのことを訴えた
かったのであろう。それにしても、殺すほどの拷問はないだろう。世界のうちで何が一番嫌いかといって、
この種の暴力をおいて他にはないだろう。言い換えれば、あくまで話し合いの精神を失ってはいけないだろ
う。それは、いつの世でも同じだと思う。余談だが、焼きとうもろこしを食べることを、「ハーモニカを吹
く」と表現していた。このときばかりは和んだ。なお、多喜二が志賀直哉に傾倒していたことは知らなかっ
た。文学の傾向は大いに異なると思うのだが……。


 某月某日

 DVDで邦画を7本、洋画を1本観たので、報告しよう。邦画の方は、1本を除いていずれも最近の娯楽映
画だが、それぞれ趣の異なる作品なので、映像表現の多様さを改めて確認することになった。とくに、大丸
明子監督の作品は斬新で、物語としては平凡だが、その表現方法は優れていると思う。また、新しい才能が
登場したので、とても喜んでいる。もう一人の中江和仁監督も、大丸監督同様その名前すら知らなかった人
であるが、無難にまとめており、今後も堅実な作品を製作していくと思う。15年ほど前に公開された残りの
1本は、原発を扱っているので観てみたが、期待外れの出来であった。洋画の方は1970年代後半の作品であ
る。一種のパニック映画だが、なかなか面白かった。
 さて、1本目である。TSUTAYAがポスターで盛んに宣伝していたので、観ることにした。『嘘を愛する女』
(監督:中江和仁、「嘘を愛する女」製作委員会〔東宝=カルチュア・エンタテインメント=電通=徳間書
店=ジェイアール東日本企画=ROBOT=阿部秀司事務所=KDDI=朝日新聞社=毎日新聞社=GYAO=
ひかりTV=日本出版販売〕、2018年)である。人探しのロード・ムーヴィーであるが、隠し味が効いていて
なかなか面白かった。主演の長澤まさみや高橋一生も熱演しているが、この作品を引き締めているのは探偵
役の吉田剛太郎だと思う。
 物語を確認しておこう。例によって、<Movie Walker>のお世話になる。執筆者に感謝したい。なお、一部
改変したが、ご寛恕を乞う。

   〔解説〕

  新たな才能の発掘を目的とした“TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2015”のグランプリ作品を、
 長澤まさみ&高橋一生の主演で映画化したラブストーリー。5年も同棲していた恋人がある日突然、
 病で意識不明となり、職業だけでなく名前までもが嘘だったと知ったヒロインが、彼の秘密に迫っ
 ていく姿がミステリアスにつづられる。

   〔あらすじ〕

  飲料メーカーに勤めるキャリアウーマンの川原由加利(長澤まさみ)は、研修医で面倒見のいい小
 出桔平(高橋一生)と交際中。同棲5年目を迎えたある日、桔平の遅い帰りを待っていたところ、自
 宅に突如警察官がやってきた。桔平がくも膜下出血で倒れていたところを発見されたが、所持してい
 た運転免許証も医師免許証も偽造されたものであり、名前すらも偽っていたことが判明。ずっと騙さ
 れてきたことにショックを受ける由加利。彼が何者なのか知るため、私立探偵・海原匠(吉田鋼太郎)
 を頼ることにする。やがて見つかった桔平の700ページにもおよぶ書きかけの小説には、故郷を思わ
 せるいくつかのヒントと幸せな家族の姿があった。海原の力を借りその場所が瀬戸内海のどこかだと
 知った由加利は、桔平の秘密を追っていく。

 他に、DAIGO(木村〔キム〕=海原の助手)、川栄李奈(心葉=喫茶店のウェイトレス、小出のファン)、
嶋田久作(荒木刑事)、野波真帆(綾子=由加利の同僚)、奥貫薫(志保=海原の元妻)、黒木瞳(マサコ=
居酒屋の女将)、初音映莉子(安田万里子=安田公平の自殺した妻)、津嘉山正種(安田公平の住んでいた
家の隣人)などが出演している。なお、出演者の一部は小生の推定である。
 業界用語として「リスケ」という言葉が出てくるが、「リスケジュール」のことらしい。由加利はこれを  
田尻社長(役者、不詳)にやらせて新藤部長(役者、不詳)に叱責されている。また、由加利の同僚の綾子
は、「彼氏」にしてもいい男性のことを「優良物件」と呼んでいる。これには笑った。
 2本目は、『散歩する侵略者』(監督:黒沢清、「散歩する侵略者」製作委員会〔日本テレビ放送網=日
活=WOWOW=松竹=読売テレビ放送=ポニーキャニオン=ニッポンプランニングセンター=オフィス作=ヒ
ラタオフィス〕、2017年)である。黒沢清監督といえば、一風変わったホラー映画を世に送り出す監督とい
ったイメージが強いが、この作品も「新境地を開拓した」と思わせるに十分な出来であった。まとめ方は安
易だと思ったが、荒唐無稽な作品だけに、こうならざるを得ないだろう。いわば、『寄生獣』(監督:山崎
貴、2014・2015年)のソフト版といったところか。偶然ではあるが、『嘘を愛する女』と同様、主演は長澤ま
さみで、ややこしい役柄を無難にこなしていると思う。
 物語を確認しておこう。以下、上と同様である。

   〔解説〕

  黒沢清監督が、劇団イキウメの人気舞台を映画化したミステリアスなドラマ。とある町を襲った異
 変によって、“侵略者”に乗っ取られ、まったくの別人になってしまった夫に困惑する女性や、事件
 の真相を追うジャーナリストらの姿が描かれる。ヒロインの鳴海を長澤まさみ、その夫を松田龍平、
 ジャーナリストの桜井を長谷川博己が演じる。

   〔あらすじ〕

  不仲だった夫・加瀬真治(松田龍平)が数日間の行方不明の後、まるで別人のように穏やかで優し
 くなって帰ってきたことに、妻・加瀬鳴海(長澤まさみ)は戸惑う。一方の真治は、何事もなかった
 かのように毎日散歩に出かけていく。同じころ、町では一家惨殺事件が発生し、奇妙なことが多発す
 る。ジャーナリストの桜井(長谷川博己)は取材しながら、天野(高杉真宙)という謎の若者に出会
 う。二人は一家惨殺事件のカギを握る女子高生・立花あきら(恒松祐里)を探す。桜井はあきらを見
 つけ、そこで天野とあきらがある男と会話をするなかで起こった異変を目撃する。天野は、自分たち
 は侵略者で人間の概念を調査しており、自分たちがその概念を学習すると相手からそれが抜け落ちる
 と言う。桜井は半信半疑ながら天野たちに興味を持ち、もう一人の仲間を探すという彼らに密着取材
 を申し入れる。一方、毎日ぶらぶらと散歩をするばかりの真治に、散歩中に何をしているのかと鳴海
 が問い詰めると、地球を侵略しに来たと答える。鳴海は戸惑いながらも、真治を再び愛し始めていた。
 町は急速に不穏な世界となり、事態は加速していく。さらなる混乱に巻き込まれていく桜井の選択と
 は? 鳴海と真治の行きつく先にあるものとは?

 他に、前田敦子(明日美=鳴海の妹)、光石研(鈴木社長)、笹野高史(品川=厚生労働省の役人)、満
島真之介(丸尾=ひきこもりの青年)、小泉今日子(医師)、児嶋一哉(車田刑事)、東出昌大(牧師)な
どが出演している。
 なお、登場人物が天野たちに次々と奪われる概念は、「家族」とか「仕事」などであるが、鳴海が奪われ
た「愛」の概念がこの物語の鍵になっている。
 3本目は、『勝手にふるえてろ』(監督:大丸明子、映画「勝手にふるえてろ」製作委員会〔メーテレ=
ホリプロ=ソニー・ミュージックエンタテインメント=ファントム・フィルム=Easy Japan=朝日新聞社=
ヒョウゴベンダ〕、2017年)である。これは、「傑作」と呼びたいぐらいの出来である。どうということの
ない恋愛映画だが、作り手が女性だけに、痒いところに手の届く綿密さであった。また、主演の松岡茉優は
久しぶりの大型新人だと思う(新人ではなかったことが、後で判明。何と、すでに2004年にデビューしてい
る)。自意識過剰の若い女性を演じているが、実に自然な演技であった。これは持って生まれた才能といっ
てもよいだろう。さらに、相手役の渡辺大知もいい味を出していると思った。
 物語を確認しておこう。以下、上と同様である。

   〔解説〕

  芥川賞作家・綿矢りさの同名小説を松岡茉優主演で映画化したキュートなラブ・コメディ。10年間
 片思いを続ける中学時代の同級生と、人生で初めて告白してくれた彼氏との間で揺れ動くヒロインの
 思いが描かれる。片思いの相手、イチをDISH//の北村匠海、会社の同期で彼氏のニを映画監督として
 も活躍する渡辺大知が演じる。

   〔あらすじ〕

  絶滅した動物をこよなく愛する24歳のOLヨシカ〔江藤良香〕(松岡茉優)は、10年もの間中学時代
 の同級生イチ〔一宮〕(北村匠海)に片思い。イチとの過去を思い出しては胸をときめかせていた。
 これまでずっと彼氏がいなかった彼女は、突如会社の同期・ニ〔霧島〕(渡辺大知)から告白され、
 生まれて初めての経験に舞い上がる。しかしニとの関係にうまく馴染めず、ある出来事をきっかけに
 現在のイチに会おうと思い立ち、同級生の名前を騙って同窓会を計画。ついに憧れの人との再会の日
 が訪れるが……。

 他に、石橋杏奈(月島来留実=良香の同僚)、趣里(ハンバーガーショップの金髪店員)、前野朋哉(最  
寄りの駅の駅員)、古舘寛治(釣りおじさん)、片桐はいり(岡里奈=良香のアパートの隣人、始終オカリ
ナを吹いている)などが出演している。なお、主演の松岡茉優を調べてみたが、数本の映画ですでにお目に
かかっていることが判明した。これまで見逃していた女優というわけで、今後の活躍が期待される。役柄と
マッチしたともいえるが、見た目は地味なのに、とにかくその潜在能力が凄いと思う。
 4本目は、『無限の住人』(監督:三池崇史、映画「無限の人」製作委員会〔ワーナー・ブラザース映画=
テレビ朝日=講談社=ジェイ・ストーム=Recorded Picture Company=CJ E&M=OLM=研音=GYAO〕、
2017年)である。三池監督お得意の娯楽時代劇で、それなりに楽しめた。リメイク作品である『十三人の刺
客』(2010年)とは明らかに趣が異なるが、やはり三池監督の味付けを感じる。むしろ、『IZO』(2004年)
や『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』(2007年)に近いかもしれない。
 物語を確認しておこう。以下、上と同様である。

   〔解説〕

  不死身の用心棒の生きざまを描く、沙村広明による人気コミックを、木村拓哉主演で映画化した異
 色時代劇。少女の仇討ちを助ける事になった永遠の命を持つ人斬り・万次を待ち受ける数奇な運命が
 つづられる。監督は、これまでにも実写不可能と言われてきたコミックを次々と手がけてきた鬼才・
 三池崇史。

   〔あらすじ〕

  万次(木村拓哉)はかつて百人斬りと恐れられた伝説の男だったが、罠にかかり妹の町(杉咲花)
 を失ってしまう。生きる意味をなくした万次は、謎の老婆である八尾比丘尼(山本陽子)により強引
 に永遠の命を与えられ、斬られても傷が再生する不死の身体となる。死なないため剣術の腕が鈍り、
 生きるに十分すぎる時間をただ孤独に過ごすだけだった。そんなある日、浅野凛(杉咲花=二役)
 という一人の少女が現れる。統主である天津影久(福士蒼汰)が率いるただ勝つことだけを目的にし
 ている剣客集団・逸刀流が無天一流の道場を襲撃し、凛は両親を惨殺されていた。凛は万次に仇討ち
 の助っ人を依頼。どことなく妹の面影がある凛を前に、万次は無限の命を使って用心棒として凛を守
 ろうと決心する。こうして万次は、凄絶な戦いに身を投じていく。

 他に、市原隼人(尸良〔しら〕=無骸流の剣士)、戸田恵梨香(乙橘槇絵〔おとのたちばなまきえ〕=敏
捷な動きができる凄腕の女性剣士)、北村一輝(黒衣鯖人=逸刀流の中では十本の指に入る使い手)、栗山
千明(百琳=尸良の仲間)、満島真之介(凶戴斗〔まがつたいと〕=逸刀流の剣士)、金子賢(司戸菱安=
無敵の浪士組の首領格)、市川海老蔵(閑馬永空=万次と同じく八尾比丘尼から「血仙蟲」〔喇嘛僧が生ん
だありがたい蟲〕を体内に注入されて不死身になった剣士)、田中泯(吐鉤群〔はばきかぎむら〕=幕府の
役人)、山崎勉(伊羽研水=心形唐流の統主)、石橋蓮司(阿葉山=逸刀流の幹部)、真飛聖(浅野時=凛
の母親)、勝村政信(同じく父親)、菅田俊(浅野虎行〔たかゆき〕の父)、福本清三(刀研師)などが出
演している。なお、出演者の一部は小生の推定である。
 5本目は、『旋風(かぜ)の用心棒』(監督:川原圭敬、プロフェッショナルマネージメント、2003年)
である。原発が絡む映画である点と、黒澤明の名作『用心棒』が原案という点を買って鑑賞したが、かなり
がっかりする出来であった。物語(脚本)といい、監督の演出といい、役者の演技といい、採るべきところ
がほとんどなかった。ある程度「社会派」作品の様相を呈しているので、柳町光男監督あたりが撮れば、そ
れなりの出来になったであろう。残念である。
 物語を確認しておこう。以下、上と同様である。

   〔解説〕

  巨匠・黒澤明の名作『用心棒』をもとにしたテレビアニメを実写映画化。荒涼とした港町を舞台に、
 1人の風来坊の活躍を描くアクション。充実したキャスト陣の競演も見どころだ。

   〔あらすじ〕

  とある荒涼とした港町。そこでは原子力発電所の建設をめぐって、賛成派と反対派が激しく対立し
 ていた。ほかに産業もない町の景気は悪くなる一方で、空気は荒んでいた。町に流れ着いた正体不明
 の男、谺丈二(仲村靖秀)。彼は発電所誘致に絡んだ利権争いの中に飛び込んで、敵対し合う町の有
 力者と原発反対運動家の裏にある悪事を暴き出す。果たして谺の目的は、一体何か……。

 他に、川原亜矢子(村岡リン=環境保護団体「イエロー・プラネット」の代表者)、村田雄浩(佐伯昭彦=
福岡県警玄海署の警部)、かとうかずこ(ラーメン屋「鷹」の女将)、大和田伸也(田野倉=町の有力者)、
伊崎充則(村岡の弟)、大村彩子(田野倉の娘)、甲本雅裕(白浜=割烹旅館「かねやす」の当主)、松永
恵美(その妻)、高田恵輔(その息子)などが出演している。なお、出演者の一部は小生の推定である。
 6本目と7本目は、同じ物語の前編・後編である。ほぼ同じ題名の『三月のライオン』(監督:矢崎仁司、
矢崎仁司グループ、1991年)という邦画を高く買っている小生なので早くから注目していたが、子ども向け
の映画だったので、少し拍子抜けした。もっとも、それなりにまとめており、いろいろ不満はあるが、最近
の将棋ブームに乗ってヒットしたことは分からないでもない。
 先ず、『3月のライオン(前編)』(監督:大友啓史、映画「3月のライオン」製作委員会〔アスミック・
エース=東宝=白泉社=アミューズ=アニプレックス=朝日新聞社=KDDI=ROBOT=毎日新聞社=電通=
GYAO=Hulu=ジェイアール東日本企画〕、2017年)から感想を述べよう。家族を交通事故で失った小学校3
年生の男の子を引き取って育てる篤志家が現れた。プロ棋士の幸田である。この男の子の名前は桐山零、未
来の有望棋士である。よくある筋書で、新味はまったくないが、物語の発端としては実に分かりやすい。そ
こから、この零の周辺でさまざまな出来事が起こるが、さて……といった展開である。
 物語を確認しておこう。以下、上と同様である。

   〔解説〕

  羽海野チカの人気コミックを、『るろうに剣心』シリーズの大友啓史監督が、神木隆之介主演で実
 写映画化した2部作の前編。孤独な青年棋士が三姉妹との出会いを通して成長していく姿を描く。主
 人公を癒す三姉妹を倉科カナ、清原果耶、新津ちせが演じ、ライバルの二海堂を特殊メイクによって
 まるで別人に変身した染谷将太が熱演する。

   〔あらすじ〕

  桐山零(神木隆之介)は幼い頃に交通事故で両親と妹を失い、父の友人である棋士・幸田柾近(豊
 川悦司)に引き取られた。居場所を求めるように将棋を指し続け、中学生にしてプロ棋士になったも
 のの、幸田家を出ざるをえない状況になる。東京の下町にひとりで暮らし、深い孤独を抱えたある日、
 川向こうに住む川本家の三姉妹と出会う。彼女たちのにぎやかな食卓に混ざった桐山は、そこに居場
 所を見出していった。さまざまな人との交流、そしてさまざまな人生を背負った棋士との出会いと闘
 いが、桐山を変えていく。

 他に、佐々木蔵之介(島田開八段=プロ棋士、零は彼の研究会に入る)、伊藤英明(後藤正宗九段=島田  
の好敵手、幸田の娘である香子の恋人)、加瀬亮(宗谷冬司=名人)、倉科カナ(川本あかり=三姉妹の長
女)、清原果耶(川本ひなた=同じく次女)、新津ちせ(川本モモ=同じく三女)、前田吟(川本相米二=
三姉妹の祖父、和菓子舗「三月堂」の店主)、有村架純(幸田香子=幸田柾近の娘)、高橋一生(林田高志=
零を励ます高校教員)、岩松了(神宮寺崇徳=日本将棋連盟会長)、斉木しげる(柳原朔太郎=同じく重鎮)、
中村倫也(三角龍雪=零の先輩のひとり)、尾上寛之(松本一砂=同)、奥野瑛太(山崎順慶=新人王戦決
勝の相手棋士)、甲本雅裕(安井学六段)、板谷由夏(川本美咲=川本家の一員)、染谷将太(二海堂晴信=
零のライヴァルにして友人)、綾田俊樹(花岡=二海堂家の爺や)、大西利空(小学校3年生の零)、原菜
乃華(少女時代の香子)、萩原利久(幸田歩=柾近の息子)、鈴木雄大(少年時代の歩)、西牟田恵(幸田
の妻)、芹澤興人(泉田=「山形ジャーナル」の記者)、森岡龍(重田盛夫=島田の弟子)、奥貫薫(川本
美香子=三姉妹の亡母)、小橋めぐみ(後藤美砂子=病床に就いている後藤正宗の妻)、高井雪之介(少年
時代の二海堂晴信)、筒井真理子(バー「王将」のママ)、前原滉(蜂谷すばる)、内田慈(バー「王将」
のホステス)などが出演している。
 次に、『3月のライオン(後編)』(監督:大友啓史、映画「3月のライオン」製作委員会〔アスミック・
エース=東宝=白泉社=アミューズ=アニプレックス=朝日新聞社=KDDI=ROBOT=毎日新聞社=
電通=GYAO=Hulu=ジェイアール東日本企画〕、2017年)に移ろう。
 これも、物語を確認しておこう。以下、上と同様である。

   〔解説〕

  羽海野チカの人気コミックを、『るろうに剣心』シリーズの大友啓史監督が、神木隆之介主演で実
 写映画化した2部作の後編。孤独な青年棋士が三姉妹との出会いを通して成長していく姿を描く。主
 人公を癒す三姉妹を倉科カナ、清原果耶、新津ちせが演じ、ライバルの二海堂を特殊メイクによって
 まるで別人に変身した染谷将太が熱演する。

   〔あらすじ〕

  桐山零(神木隆之介)が川本家と出会って1年が経ち、今では家族の一員のように三姉妹と自然に
 食卓を囲んでいる。今年も獅子王戦トーナメントの季節が始まったが、幸田柾近(豊川悦司)は引き
 こもってゲームばかりしている息子の歩(萩原利久)を叱り反対に突き飛ばされてしまい、頭の怪我
 で緊急入院して不戦敗となる。娘の香子(有村架純)は仕事も続かず、不倫相手のプロ棋士・後藤正
 宗(伊藤英明)への想いを持て余し、幸田家は崩壊しかかっていた。一方、後藤は入院中の妻(小橋
 めぐみ)の容体を案じていた。二海堂晴信(染谷将太)は実は難病を抱えていたが、それでも戦うこ
 とを望んでいた。初タイトルを目指す島田開(佐々木蔵之介)は故郷・山形の人々のプレッシャーに
 押し潰されそうになり、“将棋の神の子”と恐れられる宗谷冬司名人(加瀬亮)も重大な秘密を隠し
 ていた。そんな中、川本家の次女ひなた(清原果耶)のクラスでいじめが発生する。さらに三姉妹を
 捨てた父親の甘麻井戸誠二郎(伊勢谷友介)が現れ、とんでもない要求を押し付ける。大切な人たち
 を守るため、零はトーナメントに挑む。

 他に、中田青渚(高城めぐみ=ひなたをいじめるグループのリーダー格)、三好杏衣(佐倉ちほ=最初に  
いじめられていたひなたの同級生)、吉本菜穂子(青山=ひなたたちの担任教師)などが新たに加わってい
る。両編を通じて、染谷将太の特殊メイクは見物である。凄い技術だと思う。なお、宗谷冬司名人の秘密は
まだ明らかにされていない。第3弾が予定されているのだろう。これは蛇足であるが、零が誠二郎を遣り込
めるとき、自らの年収を明らかにしている。いわく、780万円。多いのか、少ないのか、曖昧な数字である。
 最後になるが、鑑賞した洋画は、『原子力潜水艦浮上せず(GRAY LADY DOWN,1978)』(監督:デヴィッ
ト・グリーン〔DAVID GREENE〕、米国、1978年)である。潜水艦が主役の映画はけっこうあるが、「原潜」
の映画はあまりないので観てみた。米国海軍魂を描いており、よくあるタイプの海洋スペクタクル大作であ
る。「犠牲的精神」を随所で見ることができたが、現実ではどうだろうか。もっとも、あまり穿鑿しないで
鑑賞すべき映画なのだろう。
 物語は以下の通りである。DVDのジャケットから引用させていただく。執筆者に感謝したい。なお、一部
改変したが、ご海容いただきたい。

   〔あらすじ〕

  本土を目指して浮上した米国海軍の原子力潜水艦≪ネプチューン≫が、レーダーが故障したノルウ
 ェーの貨物船と激突する。船尾を大きく裂かれたネプチューンは見る間に海中に没し、一気に限界深
 度をはるかに超えた1,400フィートの海底に沈んだ。ブランチャード艦長以下、乗組員41名(生死不明
 者は52名)は奇跡的に生存を続けていたが、艦内に残された酸素の量は36時間分、SOSを受信した海軍
 は、直ちに深海救助艇DSRVを投入する決死の救助作戦を開始するのだが……。
  浸水、地滑り、酸欠……艦内に閉じ込められた乗組員たちに次々と襲いかかる恐怖。生と死の間を
 さまよう原潜の乗組員たちと、彼らを救おうと命を賭ける勇敢な海の男たちの姿が、息詰まるサスペ
 ンスの中に描かれる。

 主要なキャストは以下の通りである。

 チャールトン・ヘストン〔CHARTON HESTON〕:ブランチャード艦長〔Captain Paul Blanchard〕
 デヴィッド・キャラダイン〔DAVID CARRADINE〕:ゲイツ大佐〔Captain Gates〕
 ステイシー・キーチ〔STACY KEACH〕:ベネット大佐〔Captain Bennett〕
 ネッド・ビーティー〔NED BEATTY〕:ミッキー〔Mickey〕
 ロニー・コックス〔RONNY COX〕:サミュエルソン〔Commander Samuelson〕
 スティーヴン・マクハティ〔STEPHEN McHATTIE〕:マーフィー大尉〔Murphy〕
 クリストファー・リーヴ〔CHRISTOPHER REEVE〕:フィリップス〔Philips〕

 さらに、<ウィキペディア>に「あらすじ」が載っていたので、それも引用しておこう。執筆者に感謝。

   〔あらすじ〕

  アメリカ海軍の原子力潜水艦ネプチューン (USS Neptune) はニューロンドンの潜水艦基地に帰投
 中であった。ブランチャード艦長(チャールトン・ヘストン)はこの航海で退任し、小艦隊長として
 昇任、副長(ロニー・コックス)にその任を譲る予定であった。艦は濃霧の中浮上するが、レーダー
 の故障した大型貨物船と衝突、艦の後部を大破してしまう。直ちにベネット大佐(ステイシー・キー
 チ)を長とする救助チームが編成され、揚陸艦ナッソー (USS Nassau, LHA-4) を拠点として救助活
 動を開始する。
  ネプチューンの沈没地点は1,450フィートの海底渓谷であり、救助には非常に困難が伴うものであ
 った。特殊潜航艇スナークと開発者のゲイツ大佐(デビッド・キャラダイン)が救助作戦に参加、海
 底に沈むネプチューンを発見する。スナークはマジックハンドで砂で覆われたハッチを顕わにしたも
 のの、地滑りが発生しネプチューンは大きく傾斜してしまう。
  DSRVを搭載した救難艦ピジョン (USS Pigeon, ASR-21) が到着したものの、ネプチューンの傾斜は
 70度と、DSRVの接合は不可能な状態であった。プランチャードは予備空気を使って左舷バラストタン
 クを排水、艦の傾斜を元通りにしようとする。この作業を行おうとしたとき、司令塔のハッチが水圧
 に耐えきれず浸水を始める。副長を含む2名が犠牲となってハッチを閉じ、排水は成功するが岩につ
 かえて艦の姿勢は元通りにはならなかった。
  ベネットはネプチューンを押さえる岩を、指向性爆薬を用いて排除しようと考える。水中爆破班が
 呼び出され、スナークで岩に爆薬を装着、爆破は成功し、いよいよDSRVによる救助が開始された。ゲ
 イツはその様子を見届けるためスナークで潜航を行う。
  第一陣で負傷者が救助され、第二陣を救助の途中、再び地滑りが起こりネプチューンは渓谷に滑り
 落ちようとする。それを見たゲイツは、スナークをネプチューンの艦底部に挟み込ませ、自らを犠牲
 にして救助作業を完了させた。乗員たちを収容したDSRVが浮上すると共に、ネプチューンとスナーク
 は海底深く沈んでいった。

 最後に、以下のような文字が浮かぶ。念のために書き写しておこう。

   THE UNITED STATES NAVY’S DSPV IS TODAY A REALITY. IT IS CAPABLE OF RESCUING MEN FROM
 U.S.SUBMARINES IN ANY OF THE WORLD’S OCEANS.

 劇中、「指向性爆薬(特定の方向だけ爆破する爆薬)」が岩石を破壊するシーンがあるが、そんな爆薬が
あることは知らなかった。軍事的な可能性を探求する米国ならではであろう。
 旅先なので、感想はこれくらいにしておこう。書き足りない部分も多々あるが、致し方がない。


 某月某日

 DVDで邦画を4本観たので報告しよう。最近の作品ばかりであるが、それぞれ意匠を凝らしており、娯楽
性の度合は高かった。
 1本目は、『家族はつらいよ2』(監督:山田洋次、『家族はつらいよ2』製作委員会〔松竹=住友商事=
テレビ朝日=木下グループ=博報堂DYミュージック&ピクチャーズ=松竹ブロードキャスティング=読売新
聞社=博報堂=朝日放送=BS朝日=メーテレ=講談社=九州朝日放送=北海道テレビ放送=その他〕、2017
年)である。前作の『家族はつらいよ』(監督:山田洋次、「家族はつらいよ」製作委員会〔松竹=住友商
事=テレビ朝日=木下グループ=博報堂DYメディアパートナーズ=松竹ブロードキャスティング=読売新聞
社=博報堂=朝日放送=日本出版販売=GYAO!=メーテレ=講談社=九州朝日放送=北海道テレビ放送〕、
2016年)〔「日日是労働セレクト131」、参照〕を酷評したので、観なければいいのだが、やはり山田洋
次監督の作品はフォローしたいので、観てみた。大いに不満は残ったが、それなりに現代を扱っているので、
まあこんなものか。キャスティングに慣れたせいかもしれない。もっとも、重要な出演者の一人である小林
稔侍は、前回とは異なる役で登場するので、映画特有の仕儀とはいえ、またかと思った。『男はつらいよ』
で散々使った手だが、違う俳優を起用してほしかった。
 物語を確認しておこう。例によって、<Movie Walker>のお世話になる。執筆者に感謝したい。なお、一部
改変したが、ご海容いただきたい。

   〔解説〕

  巨匠・山田洋次監督によるホームコメディの第2弾。熟年離婚の危機を乗り越えた平田家の面々が
 新たな騒動に巻き込まれる様子がつづられる。一家の主である周造を橋爪功、その妻・富子を吉行和
 子が演じるなど、個性派キャストが再集結。一家に新たな騒動を引き起こす周造の同級生・丸田を小
 林稔侍が演じる。

   〔あらすじ〕

  周造(橋爪功)と富子(吉行和子)の熟年離婚の危機から数年後。気ままなドライブを楽しんでい
 る周造だったが、周造の車にへこみ傷が目立つようになり、家族は高齢者の危険運転を案じる。そし
 て運転免許を返納させようとするが、頑固な父を誰が説得するか兄妹夫婦でなすりつけ合っているの
 を見透かした周造が激怒。平田家は再び不穏な空気に包まれる。周造の免許返納について家族会議を
 開くため兄妹夫婦たちが集められたところ、前日に周造が家に泊めていた高校時代の友人・丸田吟平
 (小林稔侍)が息を引き取っており、てんやわんやの大騒ぎになる。

 他に、西村雅彦(平田幸之助=周造の長男)、夏川結衣(平田史枝=幸之助の妻)、中嶋朋子(金井成子=
周造の娘)、林家正蔵(金井泰蔵=成子の夫)、妻夫木聡(平田庄太=周造の次男)、蒼井優(平田憲子=
庄太の妻)、風吹ジュン(かよ=小料理屋の女将)、藤山扇治郎(中村=新米巡査)、有薗芳記(向井=平
田/丸太の高校時代の友人)、徳永ゆうき(鰻屋の出前持ち)、中村鷹之資(平田謙一=幸之助/史枝の息
子)、丸山歩夢(平田信介=同)、劇団ひとり(刑事)、笑福亭鶴瓶(火葬場職員)、広岡由里子(丸田の
住んでいたアパートの大家)、近藤公園(工事現場主任)、オクダサトシ(ダンプカーの運転手)、北山雅
康(葬儀社職員)、中山凜香(金井加奈=泰蔵/成子の長女)などが出演している。なお、第3弾に当たる
『妻よ薔薇のように 家族はつらいよIII』が今年公開された由。いずれ、DVDになったら観るつもりである。
 2本目は、『探偵はBARにいる3』(監督:吉田照幸、「探偵はBARにいる3」製作委員会〔東映=テレビ
朝日=木下グループ=東映ビデオ=アミューズ=クリエイティブオフィスキュー=東映チャンネル=北海道
テレビ=メーテレ=朝日放送=北海道新聞社=イノベーションデザイン=広島ホームビデオ=九州朝日放送=
早川書房〕、2017年)である。これもシリーズ物の第3弾である。前2作よりも感興が湧かなかった。飽き
たのだろう。
 物語を確認しておこう。以下、上と同様である。

   〔解説〕

  東直己の小説を大泉洋主演で映画化した人気シリーズの第3弾。札幌の歓楽街ススキノを拠点に活
 動する探偵とその助手が次々と降りかかるトラブルを解決しようと奮闘する姿を描く。前2作に引き
 続き松田龍平が探偵の助手を演じるほか、謎多きヒロイン役で北川景子が物語に華を添える。監督は
 『疾風ロンド』の吉田照幸。


   〔あらすじ〕

  アジア最北の歓楽街・ススキノ。この街の表も裏も知り尽くした探偵(大泉洋)のもとに、ある日、
 相棒の高田(松田龍平)が人探しの案件を持ち込んでくる。失踪した女子大生・諏訪麗子(前田敦子)
 の追跡調査を進めるうちに浮かび上がってきたのは、モデル事務所の美人オーナー・ 岬マリ〔本名は
 根本典子〕(北川景子)と札幌経済界のホープ・北城グループの社長であり裏社会の住人でもある冷
 酷非道な北城仁也(リリー・フランキー)の存在。謎に包まれたマリに翻弄されるうちに、探偵たち
 は大きな事件に巻き込まれていく。

 他に、鈴木砂羽(モンロー=探偵の知人)、田口トモロヲ(松尾=北海道日報の記者)、志尊淳(波留=
北城の子分、空手の使い手)、マギー(源=探偵の知人)、安藤玉恵(峰子=喫茶店「モンデ」のウェイト
レス)、松重豊(相田=桐原組若頭)、正名僕蔵(教頭先生)、篠井英介(フローラ)、前原滉(原田誠=
麗子の彼氏)、野間口徹(マネージャー)、坂田聡(椿秀雄=北城の片腕)、土平ドンペイ(ブッチョ=相
田の使い走り)、斎藤歩(工藤啓吉=北城の子分)、天山広吉(北城の子分のひとり)、片桐竜次(桐原)、
今村美乃(ヤンヤン=中国人ホステス)、栗山英樹(本人=北海道日本ハムファイターズ監督)、秋元克広
(本人=札幌市長)などが出演している。探偵のいるBARは「KELLER OHATA」といい、シャレた名前の店で
あるが、喫茶店「モンデ」とかスナック「なや美」とかは、おふざけネームだった。わざわざ看板を製作し
ているところが芸コマだろう。
 3本目は、『永い言い訳』(監督:西川美和、「永い言い訳」製作委員会〔バンダイビジュアル=AОI
Pro.=テレビ東京=アスミック・エース=文藝春秋=テレビ大阪〕、2016年)である。いかにも西川美和が
作りそうな映画である。ただし、以前より通俗的になった点が惜しまれる。
 物語を確認しておこう。これも、上と同じ。

   〔解説〕

  他人の家族との交流を通し、人を愛する素晴らしさを実感する男を描く、本木雅弘主演のラブスト
 ーリー。『ディア・ドクター』の西川美和がオリジナル脚本を書き上げ、妻を亡くした男と、母を亡
 くした子どもたちによる新しい家族のかたちを描く。ミュージシャンの竹原ピストルが、妻を亡くし
 幼い兄妹を育てるトラック運転手の父親を演じる。


   〔あらすじ〕

  “津村啓”というペンネームでテレビのバラエティなどでも活躍する人気小説家の衣笠幸夫(本木
 雅弘)は、ある日、長年連れ添った妻・夏子(深津絵里)が旅先で突然のバス事故に遭い、親友とと
 もに亡くなったと知らせを受ける。だが夏子とは既に冷え切った関係であった幸夫は、その時不倫相
 手と密会中。世間に対しても悲劇の主人公を装い、涙を流すことすらできなかった。そんなある日、
 夏子の親友で同じ事故で亡くなったゆき(堀内敬子)の遺族であるトラック運転手の大宮陽一(竹原
 ピストル)とその子どもたちに出会った幸夫は、ふとした思いつきから幼い兄妹の世話を買って出る。
 保育園に通う灯(白鳥玉季)と、妹の世話のため中学受験を諦めようとしていた兄の真平(藤田健心)。
 子どもを持たない幸夫は、誰かのために生きる幸せを初めて知り、虚しかった毎日が輝き出すのだが……。

 他に、池松壮亮(岸本信介=津村のよき理解者)、黒木華(福永智尋=幸夫の浮気相手)、山田真歩(鏑
木優子=保育関係者)、松岡依都美(栗田琴江)、岩井秀人(桑名弘一郎=津村に毒づく編集者)、康すお
ん(大下潤之介)、戸次重幸(田原尚也)、淵上泰史(甲斐太一)、ジジ・ぶぅ(増田耕作)、小林勝也
(山本康三)、マキタスポーツ(ラジオのDJ)、木村多江(安藤奈緒美)などが出演している。
 最後の4本目は、『22年目の告白 ─私が殺人犯です─』(監督:入江悠、「22年目の告白 ─私が殺人
犯です─」製作委員会〔日本テレビ放送網=ROBOT=ワーナー・ブラザース映画=WOWOW=ホリプロ=読売テ
レビ放送=電通=KDDI=ジェイアール東日本企画=D.N.ドリームパートナーズ=講談社=エー・チーム=
GYAO=札幌テレビ=ミヤギテレビ=静岡第一テレビ=中京テレビ放送=広島テレビ=福岡放送〕、2017年)
である。
 これは怖い映画である。もっとも、ホラーではない。現代らしい出来事をうまくリンクさせて、荒唐無稽
な物語を何とか成立させている。少し、『64(ロクヨン)前・後編』(監督:瀬々敬之、2016年)に似て
いるか。
 物語を確認しておこう。これも、上と同じ。

   〔解説〕

  韓国映画『殺人の告白』を基に、時効となり、突如、姿を現した殺人事件の犯人によって翻弄され
 ていく人々を描くサスペンス。藤原竜也が犯人の曾根崎に扮し、法で裁けないのをいいことに大胆不
 敵な行動で刑事や被害者遺族の神経を逆なでしていく怪演を披露。刑事の牧村を伊藤英明、被害者遺
 族を夏帆、岩松了ら実力派が共演する。

   〔あらすじ〕
 
  かつて5人の命が奪われ、未解決のまま時効を迎えた凄惨な「東京連続絞殺事件」。その犯人が、
 事件から22年後、突然自ら名乗り出てくる。盛大に開かれた記者会見場に現れたのは、自身の告白本
 を手に、不敵な笑みを浮かべる曾根崎雅人(藤原竜也)という男だった。素顔をカメラの前にさらし、
 肉声で殺人を告白する曾根崎の登場にネットは熱狂。賛否両論を巻き起こしつつ、その告白本はベス
 トセラーとなる。曾根崎の派手な行動は、それだけでは終わらなかった。マスコミを伴った被害者遺
 族への謝罪、執念深く事件を追い続ける刑事・牧村航(伊藤英明)への挑発、そしてサイン会まで……。
 彼の行動のすべてがあらゆるメディアを通じて発信され、SNSで拡散してゆく。だがそれは、日本中
 を巻き込んだ新たな事件の始まりだった……。日本中を釘付けにした告白の行方は……? やがて事
 件は意外な展開を見せるが……。

 他に、夏帆(岸美晴)、石橋杏奈(牧村里香=航の妹)、野村周平(小野寺拓巳=里香の婚約者)、竜星
涼(春日部信司=牧村航の相棒刑事)、早乙女太一(戸田丈=鉄砲玉)、平田満(滝幸宏=牧村の身代わり
になって殉職した刑事)、岩松了(山縣明寛=医師)、岩城滉一(橘大祐)、仲村トオル(仙堂俊雄=ジャ
ーナリスト)などが出演している。
 鑑賞途中で後半の展開は見えてしまったが、なかなか優れたミステリーであると思う。少し気になったの
は、飲食店のメニューの値段が22年前とさほど変わっていない点(たとえば、22年前のオムライスが570円
に対して、現代のカツライスが600円)と、牧村が乗っていた警察車輛のナンバーが「品川301 し 74-
35」だった点である。ここは、覆面パトカーとはいえ、特殊車輛の「8」ナンバーでなければならないの
ではないか。いずれにせよ、現代が描けている点で、面白くも重い作品であった。
 さて、今日は旅先なので、これくらいにしておこう。


 某月某日

 DVDで邦画を2本観たので報告しよう。正篇と続篇という組合せで、2本とも三つのエピソードから成っ
ている。
 1本目は、『深夜食堂』(監督:松岡錠司、映画「深夜食堂」製作委員会〔アミューズ=小学館=木下グ
ループ=東映=ギークピクチュアズ=MBS=RKB〕、2015年)である。原作は安倍夜郎で、もともとは漫画で
ある。〈ウィキペディア〉によれば、「『深夜食堂』(しんやしょくどう)は、安倍夜郎による日本の漫画
作品。2006年10月に小学館発行の漫画雑誌『ビッグコミックオリジナル増刊』に読切一挙3話掲載で初登場。
それ以降、1回に2話掲載、出張宣伝漫画などを経て、2007年8月からは『ビッグコミックオリジナル』で
連載されている」由。 一度だけ単行本で読んだことがあるが、なかなか味のある作品である。小生の印象
としては、青木雄二の漫画作品である『ナニワ金融道』(『モーニング』1990年-1996年、講談社)に似て
いると思う。もちろん、物語も作風も異なるが、同じ匂いがするのである。いつかまとめて読んでみたいが、
今のところ暇がないので、それはお預けといったところか。なお、漫画のイメージからすると、主演のマス
ター役は、その風貌から言って、小林薫よりも松重豊の方が原作に近いような気がする。もちろん、両者に
とって失礼に当たるだろうが、観ていてそう思ったので記しておく。
 物語を確認しておこう。例によって、〈Movie Walker〉のお世話になる。執筆者に感謝したい。なお、一
部改変したが、ご寛恕を乞う。

   〔解説〕

  繁華街の路地裏にある小さな食堂を営むマスターと、彼が作る懐かしい味を求めて集う客たちとの
 交流を描く、安倍夜郎の人気コミック『深夜食堂』。同作をテレビドラマ版と同じく、小林薫を主演
 に迎えて映画化。寡黙なマスターとワケありな客たちが巻き起こす心温まるエピソードを紡ぐのは、
 人間ドラマに定評のある松岡錠司。

   〔あらすじ〕

  街のある一角に、深夜零時になると開く「めしや」がある。掲げられたメニューは豚汁定食(600
 円)、ビール(大)(600円)、酒(二合)(500円)、焼酎(一杯)(400円)しかないが、マスタ
 ー(小林薫)ができるものだったら、言えば作ってくれる。「めしや」にはいつもマスターの味と居
 心地の良さを求めて人が集まる。ある日、店に骨壺が置き忘れられていた。常連客たちが骨壺をネタ
 にああだこうだ話に花を咲かせていたところ、久しぶりに川島たまこ(高岡早紀)がやってくる。最
 近愛人を亡くした彼女は、新しいパトロンを探している最中だった。「めしや」に住み込みで働くこ
 とになった栗山みちる(多部未華子)も、常連客の杉田あけみ(菊池亜希子)に会いたいと騒ぐ大石
 謙三(筒井道隆)も、何か訳ありの様子。マスターのどこか懐かしい味は、そんな彼らのおなかも心
 も満たしていく。なお、三つのエピソードは、順に「ナポリタン」、「とろろご飯」、「カレーライ
 ス」である。

 他に、柄本時生(西田はじめ=ほんの一時たまこの彼氏になる蒲田ネジ工場の営業マン)、余貴美子(塙  
千恵子=新橋にある老舗料亭「ほおずき」の女将)、不破万作(忠さん=常連客のひとり)、綾田俊樹(小
寿々=同)、松重豊(竜さん=同)、光石研(野口=刑事)、安藤玉恵(マリリン=ストリッパー)、須藤
理彩(ミキ=三人組常連客のひとり)、小林麻子(ルミ=同)、吉本菜穂子(カナ=同)、中山祐一朗(八
郎)、山中崇(ゲンちゃん=竜さんの舎弟分)、宇野祥平(小道=常連客のひとり)、金子清文(金本)、
平田薫(足立サヤ=あけみの友人)、篠原ゆき子(夏木いずみ=野口の相棒)、渋川清彦(長谷川タダオ=
みちるの元彼)、谷村美月(かすみ=関西弁を操る常連客)、田中裕子(塚口街子=骨壺をわざと忘れてい
った中年女性)、オダギリジョー(小暮=新宿警察署よもぎ町交番の巡査)、森下能幸(八百屋の店主)な
どが出演している。ちなみに、高岡早紀と筒井道隆は、『バタアシ金魚』(監督:松岡錠司、日本ビクター、
1990年)で共演しており、松岡監督との縁で出演したのかもしれない。
 2本目は、『続・深夜食堂』(監督:松岡錠司、『続・深夜食堂』製作委員会〔アミューズ=小学館=木
下グループ=東映=MBS=ギークピクチュアズ=RKB=JR東日本企画=GYAO〕、2016年)である。人生の「悲
喜こもごも」を描いているが、少し物語を詰込すぎたきらいがある。正篇には「東日本大震災」絡みのエピ
ソードがあったが、続篇では「詐欺」がメイン・テーマとなっている。ともに現代的な社会問題が織り込ま
れてはいるが、深く切り込んでいるわけではないので、どうも「付け焼刃」の様相を呈している。もっとも、
それがこの作品の長所かもしれない。
 物語を確認しておこう。続篇も三つのエピソードから成り立っている。順に、「焼肉定食」、「焼うどん」、
「豚汁定食」である。以下、上と同様である。

   〔解説〕

  繁華街の路地裏にある小さな食堂を営むマスターと、彼が作る懐かしい味を求めて集う客たちとの
 交流を描く、安倍夜郎の人気コミック『深夜食堂』。小林薫を主演に迎えて映像化した人気ドラマの
 劇場版第2弾。喪服の似合う中年男にひかれる女、子離れしない母に悩む青年、息子に会いに上京し
 た老婦人らとマスターの物語がつづられる。

   〔あらすじ〕

  ネオンきらめく繁華街の路地裏。夜も更けた頃に「めしや」と書かれた提灯に明かりが灯ることか
 ら、人は“深夜食堂”と呼ぶ。メニューは酒と豚汁定食だけだが、頼めば大抵の物なら作ってくれる。
 そんなマスター(小林薫)の作る味と居心地の良さを求めて、その小さな食堂は夜な夜なにぎわって
 いた。ある日、常連客たちが何故か次々と喪服姿で現れる。不幸が重なることはあるもので故人の話
 を語り合う中、また一人、喪服姿で店に入ってくる赤塚範子(河井青葉)。だが、範子は喪服を着る
 のがストレス発散という変わった趣味を持っていた。ところが、実際に葬式を取り仕切ることになり、
 そこで知り合った男に惹かれて……。父親を亡くした近所のそば屋の息子・清太(池松壮亮)は母・
 聖子(キムラ緑子)との関係に頭を悩ませつつ、年上の恋人・さおり(小島聖)との結婚を考えてい
 る……。金に困った息子に呼ばれ田舎からわざわざ出てきたという小川夕起子(渡辺美佐子)。息子
 の知人という人物に大金を渡してしまい、騙されたのではと周囲は心配するが本人はどこか気にして
 いない様子……。春夏秋冬、ちょっとワケありな客が現れては、マスターの作る懐かしい味に心の重
 荷を下ろし、胃袋を満たしては新しい明日への一歩を踏み出してゆく……。

 他に、不破万作(忠さん)、綾田俊樹(小寿々)、松重豊(竜さん)、光石研(野口)、安藤玉恵(マリ
リン)、須藤理彩(ミキ)、小林麻子(ルミ)、吉本菜穂子(カナ)、中山祐一朗(八郎)、山中崇(ゲン
ちゃん)、宇野祥平(小道)、オダギリジョー(小暮)、多部未華子(みちる)、余貴美子(千恵子)、谷
村美月(かすみ)、篠原ゆき子(いずみ)、佐藤浩市(石田=編集者を装う香典泥棒)、井川比佐志(夕起
子の義弟)、中山祐一朗(八郎)、金子清文(金本)などが出演している。
 後半のエピソード(別れた子どもを一目垣間見るシーン)は、おそらく、『警察日記』(監督:久松静児、
日活、1955年)から拝借したものだと思う。巡査のオダギリジョーが絡むので、たぶん間違いない。また、
常連客のひとりであるルミは卓球仲間のさおりに対して、「男に期待するもの」をいくつか挙げている。い
わく、経済力、包容力、ルックス、冒険心、遊び心、愛情、甲斐性……「さもありなん」ではあるが、小生
に言わせれば、何ともつまらない「期待」ではある。


 某月某日

 DVDで邦画の『愚行録』(監督:石川慶、『愚行録』製作委員会〔バンダイビジュアル=テレビ東京=ワー  
ナー・ブラザース映画=東北新社=オフィス北野〕、2017年)を観た。またもや殺人ありーの、近親相姦あ  
りーの、といった作品である。撲殺シーンがあるが、あまりリアルではなかった。撲殺がお得意の黒沢清な
らば、どう描いただろうかと思った。ところどころの台詞回しが面白かったが、全体のバランスが崩れがち
だったので、あまり成功している作品とは言い難い。監督の思い入れが強すぎて、分りにくくなっているの
である。次回作に期待したい。たぶん、グレード・アップするだろうから。
 物語を確認しておこう。例によって、<Movie Walker>のお世話になる。執筆者に感謝したい。なお、一部
改変したが、ご海容いただきたい。

   〔解説〕

  第135回直木賞候補にもなった貫井徳郎の同名小説を、妻夫木聡主演で映画化したミステリアスな人
 間ドラマ。一家惨殺事件の真相を探る週刊誌記者の目を通して、事件にかかわる人々の本性が明らか
 になっていくさまがつづられる。監督は短編作で国内外の映画賞に輝き、本作が長編監督デビューと
 なる新鋭・石川慶。

   〔あらすじ〕

  閑静な住宅街で起こった一家惨殺事件。被害者の田向浩樹(小出恵介)は、大手デベロッパーに勤
 めるエリートサラリーマン。一方、妻の友季恵〔旧姓:夏原〕(松本若菜)は、物腰が柔らかい上品
 な美人として近所から慕われていた。娘とよく買い物に出かけるなど、誰もが羨む仲睦まじい“理想
 の家族”として知られていた田向夫妻。ところが事件発生時、浩樹は1階で、友季恵と娘は2階の寝
 室で刺殺された姿で発見され、世間を騒然とさせた。未解決のまま1年が経過し、風化していく事件。
 週刊誌記者の田中武志(妻夫木聡)は、改めて事件の真相を探ろうと、関係者の証言を追い始める。
 しかし、そこから浮かび上がってきたのは、田向夫妻の外見からは想像もできない噂の数々だった……。

 他に、満島ひかり(田中光子=武志の妹)、臼田あさ美(宮村淳子=友季恵の大学時代の取り巻きのひと
り)、市川由衣(稲村恵美=田向の元彼女)、中村倫也(尾形孝之=宮村淳子から夏原友季恵に乗り換えた  
ことがある男)、眞島秀和(渡辺正人=田向の友人)、濱田マリ(橘美紗子=光子のケアをする女性)、平
田満(杉田茂夫=精神科医)、松本まりか(山本礼子=田向とも渡辺とも関係のある女)、山下容莉枝(武
志・光子の母親)、小松勇司(村本)、高橋洋(武志の上司)などが出演している。蛇足だが、登場人物の
ひとりである「田向(たこう)」という名字は比較的珍しいと思うが、もしかすると「多幸(たこう)」を
もじっているのかもしれない。さらに、主人公の名前をありふれた「田中」としたのは、こんな人はどこに
でもいるという意味をかけているのではないかと思った。
 「日本は格差社会ではなく、階級社会だ」という光子の感慨が吐露されるが、住んでいる世界の違いを乗
り越えようとするから無理が生じるのであって、しょせん別の世界と割り切れば何でもないのに、とは思う。
もっとも、割り切れば、こんな事件を起こすはずがない。和田秀樹の『嫉妬学』(日経BP社、2003年)と
いう本に、「足を引っ張る“エンビー”嫉妬」と、「上を目指す“ジェラシー”嫉妬」という対立項が出て
くるが、ジェラシーが遮断されているので(上の階級にはけっして昇格できないことを悟る)、エンビーを
最大限に発揮するとこうなる、といった映画だろうか。1970年代、「一億総中流」という言葉が現実的とな
っていったが、もしこの手の調査があれば、小生は間違いなく「上流」に丸を付けるだろう。このような意
識調査そのものを笑い飛ばしたいし、「衣食住が足りて健康ならば、上流だろう」という思いが強いからで
ある。階級なんて、糞喰らえ! 外側の派手さを競うよりも、むしろ内面の充実を図るべきだろう。いわゆ
る「精神の貴族」という言葉があるが、もし「昇格」を望むならば、この精神の貴族を目指すべきではない
だろうか、と思ってしまう。しょせん、それも庶民スノッブの儚い夢かもしれないが……。


 某月某日

 DVDで邦画の『三度目の殺人』(監督:是枝裕和、「三度目の殺人」製作委員会〔フジテレビジョン=アミ
ューズ=ギャガ〕、2017年)を観た。近年、この手の殺伐とした映画が多すぎるので、まったく食傷気味で
ある。最近(2015年-2017年)に絞ってみても、以下のように、似たような作品を挙げることができる(小生  
が鑑賞済み映画に限る)。

  『GONINサーガ』、監督:石井隆、「GONINサーガ」製作委員会、2015年。
  『寄生獣 完結編』、監督:山崎貴、映画「寄生獣」製作委員会、2015年。
  『予告犯』、監督:中村義洋、映画「予告犯」製作委員会、2015年。
  『グラスホッパー』、監督:瀧本智行、「グラスホッパー」製作委員会、2015年。
  『怒り』、監督:李相日、「怒り」製作委員会、2016年。
  『残穢 -住んではいけない部屋-』、監督:中村義洋、「残穢 -住んではいけない部屋-」製作委員会、
   2016年。
  『クリーピー 偽りの隣人』、監督:黒沢清、「クリーピー」製作委員会、2016年。
  『葛城事件』、監督:赤堀雅秋、「葛城事件」製作委員会、2016年。
  『淵に立つ』、監督:深田晃司、「淵に立つ」製作委員会、2016年。
  『64(ロクヨン)前編』、監督:瀬々敬之、映画「64」製作委員会、2016年。
  『64(ロクヨン)後編』、監督:瀬々敬之、映画「64」製作委員会、2016年。
  『OUTRAGE 最終章』、監督:北野武、『アウトレイジ 最終章』製作委員会、2017年。
  『三度目の殺人』、監督:是枝裕和、「三度目の殺人」製作委員会、2017年。

 当該作品はさまざまな賞を受賞しているらしいが、正直言って、「是枝よ、お前もか」と言いたくなるよ
うな作品であった。しかも、何か思わせぶりのまま、作品の幕は降ろされている。『凶悪』(監督:白石和
彌、「凶悪」製作委員会〔日活=ハピネット〕、2013年)でも、接見(ただし、この作品では受刑者と弁護
士ではなく、受刑者とジャーナリスト)の場面が重要な意味を持つが、当該作品と比べた場合、質的に言っ
てはるかに優ると思う。もちろん、役所広司や福山雅治の演技が不味いと言っているのではない。是枝の意
図が伝わって来ないと言いたいのである。言い換えれば、これまで製作されたこの手の映画の焼き直しばか
りで、彼のオリジナリティはどこにあるのか、と言いたいのである。
 ともあれ、話の筋を確認しておこう。例によって、<Movie Walker>のお世話になる。執筆者に感謝したい。
なお、一部改変したが、ご寛恕を乞いたい。

   〔解説〕

  主演・福山雅治&監督・是枝裕和という『そして父になる』のコンビが再びタッグを組んだサスペ
 ンス。裁判で勝つためなら真実は二の次と割り切っていた弁護士が、担当した殺人事件の闇にはまっ
 ていく姿を描く。得体の知れない不気味な容疑者を役所広司、事件の鍵を握る被害者の娘を広瀬すず
 が演じる。

   〔あらすじ〕

  勝利にこだわる弁護士・重盛朋章(福山雅治)はやむを得ず、30年前にも殺人の前科がある三隅高
 司(役所広司)の弁護を担当することになる。解雇された工場の社長を殺し、死体に火をつけた容疑
 で起訴された三隅は犯行を自供しており、このままだと死刑は免れない。重盛は、どうにか無期懲役
 に持ち込もうと調査を開始する。三隅は会う度に供述を変え、動機が希薄なことに重盛は違和感を覚
 える。やがて重盛が三隅と被害者の娘・咲江(広瀬すず)の接点にたどりつくと、それまでと異なる
 事実が浮かび上がっていく。

 他に、斉藤由貴(山中美津江=被害者である山中光男の妻)、吉田鋼太郎(摂津大輔=ヤメ検の弁護士、
重盛の相棒)、満島真之介(川島輝=重盛法律事務所の「軒弁」)、松岡依都美(服部亜紀子=同じく事務
員)、市川実日子(篠原一葵=公判検事)、橋爪功(重盛彰久=朋章の父。元裁判官。30年前の事件で三隅
を死刑にしなかったことを少し悔いている)、品川徹(渡辺=30年前の事件で三隅を逮捕した元刑事)、根
岸季衣(三隅が暮らしていたアパートの大家)、小倉一郎(タクシーの運転手)、山本浩司(キャバクラの
店長)などが出演している。


 某月某日

 DVDで邦画の『結婚』(監督:西谷真一、「結婚」製作委員会〔KADOKAWA=アミューズ=日本映画投資〕、
2017年)を観た。平成の結婚詐欺の話だが、『夢売るふたり』(監督:西川美和、「夢売るふたり」製作委
員会〔バンダイビジュアル=讀賣テレビ放送=アスミック・エース エンタテインメント=オフィス・シロウ
ズ=文藝春秋=電通=衛星劇場=パパドゥ=エネット=ヤフー〕、2012年)ほどのリアリティはないし、か
と言って、『クヒオ大佐』(監督:吉田大八、「クヒオ大佐」製作委員会〔モンスター☆ウルトラ=ショウ
ゲート=ティー・ワイ・オー・アミューズソフトエンタテインメント=メディアファクトリー=パルコ=日
活・チャンネルNECO=アスミック・エース エンタテインメント〕、2009年)のようなドラマティックな背景  
もない。たぶん、主演のディーン・フジオカの端正な顔立ちを眺めるための映画なのだろう。小生の印象で
は、彼は市川雷蔵や石田純一の系統に属するように見えた。「子殺し」という重いテーマも扱われているが、
TVの2時間ドラマのような流れなので、まるでリアイリティはなかった。それでも、面白くないわけではな
い。西谷監督の作品である『渋谷』(監督:西谷真一、「渋谷」フィルムパートナーズ、2010年)を観てい
るが、けっこう面白かった。その程度の水準は保っていると思う。
 物語を確認しておこう。例によって、<Movie Walker>のお世話になる。執筆者に感謝したい。なお、一部
改変したが、ご海容いただきたい。

   〔解説〕

  結婚詐欺師と騙された女たちの業を描写した直木賞作家・井上荒野の長編小説を、国内外で広く活    
 動するディーン・フジオカ主演で映画化。偶然知り合った結婚詐欺師・古海の被害者たちは、彼の行
 方を探すことに。女を騙さなければ生きられない彼の秘密とは……。ディーン・フジオカは女たちを
 翻弄する結婚詐欺師・古海健児を演じるほか、DEAN FUJIOKA名義で主題歌も担当。監督は、『渋谷』
 などの映画作品のほか、ディーン・フジオカが出演したNHK連続テレビ小説『あさが来た』の演出を
 手がけた西谷真一。

   〔あらすじ〕

  結婚詐欺師の古海健児(ディーン・フジオカ)は、その端正な顔立ちと知的な話術、匂い立つ色気
 で女性たちを虜にしてきた。ある日、彼に騙された女性たちが偶然つながり、古海の行方を探し始め
 る。古海には、彼女たちの想像も願望も超える、秘められた理由があった。

 他に、貫地谷しほり(古海初音=幻想の妻/古海佐知子=シングルマザーの母)、柊子(千石るり子=古
海の片棒を担ぐ女)、萬田久子(柊泰江=有閑マダム、古海の秘密を調査する)、中村映里子(工藤麻美=
家具売り場の店員)、松本若菜(吉岡真奈=キャリア・ウーマンのエディター)、安藤玉恵(穂原鳩子=市
役所の戸籍係)、古舘寛治(矢島=探偵)、市山貴章(バーテン)などが出演している。ところで、主演の
ディーン・フジオカであるが、その「ディーン」というのは、《James Dean》から採ったファースト・ネー
ムなのだろうかと思ったが、<ウィキペディア>によれば、「イングリッシュネームの由来は、留学した時、
ホームステイ先の父から「ディーン」と呼ばれていたことによる」との由。それ以上のことは不明である。


 某月某日

 DVDで邦画の『暗黒女子』、監督:耶雲哉治、「暗黒女子」製作委員会〔東映=博報堂DYミュージック&ピ
クチャーズ=カルチュア・エンタテインメント=ROBOT=ひかりTV=双葉社=イオンエンターテイメント=
WAJA PRODUCE=楽天=ワーナーミュージック・ジャパン=ラストラム・ミュージックエンタテインメント=  
読売新聞社〕、2017年)を観た。似ている作品を挙げるとすれば、『櫻の園』(監督:中原俊、ニューセン
チュリー・プロデューサーズ=サントリー、1990年)や『私の中のアイヒマン』(監督:内田英治、「私の
中のアイヒマン」上映委員会、2006年)あたりか。女子高校という「密室」での事件だから、それなりに最
初からある種の雰囲気を持っている。したがって、学芸会のような稚拙さも散見されたが、出演者皆が自分
の役柄に徹しており、ミステリーとしての工夫も平凡だが肝は押さえていたと思う。
 物語を確認しておこう。例によって、<Movie Walker>のお世話になる。執筆者に感謝したい。なお、一部
改変したが、ご寛恕を乞う。

   〔解説〕

  読んでイヤな気持ちになるミステリー“イヤミス”というジャンルで人気となった秋吉理香子の小
 説を映画化。とある女子高で起きた美少女転落事故を巡り、女子高生たちの知られざる一面が明らか
 になっていく様が描かれる。謎の死を遂げるいつみを飯豊まりえ、事件の真相を探る小百合を清水富
 美加が演じるなど、注目の若手実力派が集結。

   〔あらすじ〕

  セレブ女子高生たちが通う聖母マリア女子高等学院で、ある日、一人の生徒が謎の死を遂げる。学
 院の経営者の娘で、全校生徒の憧れの的だった白石いつみ(飯豊まりえ)が、校舎の屋上から落下し
 たのだ。しかし、自殺か他殺か、事故なのかもわからない。しばらくして、いつみが主宰していた文
 学サークルの誰かが彼女を殺したという噂が広まる。サークルの会長を引き継いだいつみの親友・澄
 川小百合(清水富美加)は、部員が自作の物語を朗読する定例会を開く。今回のテーマは「いつみの
 死」だった。会員はそれぞれを“犯人”と告発する作品を発表する。5つの動機と結末を持つ5つの
 物語が語られる。果たしてこのなかに真実はあるのだろうか……?

 他に、清野菜名(高岡志夜=高校生作家)、玉城ティナ(ディアナ・デチェヴァ=ブルガリアからの留学  
生)、小島梨里杏(小南あかね=菓子作りの好きな料亭の娘)、平祐奈(二谷美礼=苦学生)、升毅(いつ
みの父親=学院経営者)、千葉雄大(北条先生=文学サークルの顧問)、小林勝也(車椅子の老人)などが
出演している。ゲランのミュゲ(香水)、エズラ・パウンド(モダニズムの巨匠)、マカロナージュ(菓子
のマカロンを作る時の作業)、君影草(鈴蘭の別名)など、オシャレなアイテムが頻出し、それらを愉しむ
こともこの映画の特典だろう。


 某月某日

 DVDで邦画の『OUTRAGE 最終章』(監督:北野武、『アウトレイジ 最終章』製作委員会〔バンダイビジュ  
アル=テレビ東京=ワーナー・ブラザース映画=東北新社=オフィス北野〕、2017年)を観た。もちろん、
『アウトレイジ(OUTRAGE)』(監督:北野武、「アウトレイジ」製作委員会〔バンダイビジュアル=テレ
ビ東京=オムニバス・ジャパン=オフィス北野〕、2010年)〔「日日是労働セレクト66」、参照〕、『ア
ウトレイジ ビヨンド』(監督:北野武、「アウトレイジ ビヨンド」製作委員会〔バンダイビジュアル=テ
レビ東京=オムニバス・ジャパン=ワーナー・ブラザーズ映画=オフィス北野〕、2012年)〔「日日是労働
セレクト95」、参照〕の続篇である。
 大友、西野、中田、白山、五味、繁田などは、『アウトレイジ ビヨンド』からの連続出演である。もっと
も、第一作からの連続出演となると、大友くらいだろうか。ほとんど皆死んでしまっている。なお、西野役
の西田敏行は、「第39回ヨコハマ映画祭」で特別大賞を受賞している。前回の出演の際は「やくざ」らしく
見えなかったが、今回は「やくざ」そのものに見えた。さすがに西田敏行である。5年の月日の間に、「や
くざ」の特徴をわがものにしていることになる。特別大賞受賞も当然の褒賞であった。
 物語を確認しておこう。例によって、<Movie Walker>のお世話になる。執筆者に感謝したい。なお、一部
改変したが、ご寛恕を乞う。

   〔解説〕

  裏社会の男たちが繰り広げる血で血を洗う激しい抗争の行方を描いた、北野武監督によるバイオレ
 ンス・アクションのシリーズ第3作。血気盛んな男たちの戦いは日本国内だけでなく、韓国にも飛び
 火し、国際的な抗争劇へと発展する。西田敏行、白竜、名高達男といったおなじみの面々に加え、大
 森南朋、ピエール瀧らが新たに参戦。

   〔あらすじ〕

  日本の二大勢力だった関東山王会と関西花菱会の巨大抗争後、韓国に渡った元大友組の組長・大友
 (ビートたけし)は、日韓を牛耳るフィクサーの張会長(金田時男)の下で市川(大森南朋)ら手下
 を従え、済州島の歓楽街を裏で仕切っている。ある日、買った女が気に入らないと日本のヤクザから
 クレームが入る。クレームの主は花菱会直参幹部・花田(ピエール瀧)だったが、女を殴ったことで
 逆に大友から脅されて大金を請求される。花田は側近たちに後始末を任せ、ひとり日本に帰国する。
 後始末を任された側近が張会長の若い衆を殺害してしまい、激怒した大友は日本に戻ろうとするが、
 張会長に制止される。山王会を実質支配下に収める花菱会の新会長の座には、前会長の娘婿で元証券
 マンの野村(大杉漣)が就いていた。金さえ稼げれば何でもありという野村のやり方に、古参幹部の
 若頭・西野(西田敏行)は敵意を燃やしていた。西野を厄介払いしたい野村は、若頭補佐・中田(塩
 見三省)に若頭の跡目を取らせようと手を回すが、本心は二人を揉めさせ、いずれまとめて捨ててし
 まう算段だった。一方、花田が張会長率いる巨大グループを敵に回したことを知った西野は、花菱会
 の会長代理として、花田を連れて張会長に詫びを入れに行くことにするが、その裏には大金を稼ぐ花
 田の金をむしり取ろうという魂胆があった。野村は自分の地位を守るため、この西野の行動を利用し
 ようとするが、野村の思惑に勘づいた西野も奇策を講じる。花菱会と張グループの揉め事の裏で、野
 村と西野の覇権争いが始まり、事態は張会長襲撃にまで発展する。張会長の身に危険が及んだことを
 知った大友は、張会長への恩義に報いるため、また殺害された若い衆と、過去の抗争で殺された兄弟
 分・木村(中野英雄、本作では登場せず)の仇を取るため、日本に戻る決意をする……。

 他に、松重豊(繁田=マル暴の刑事)、中村育二(平山=繁田の上司)、白竜(李=張会長の側近)、名
高達男(白山=山王会会長)、光石研(五味=山王会のナンバー2)、原田泰造(丸山=暴走族上がりのヒ
ットマン)、池内博之(吉岡=木村組の幹部)、津田寛治(崔=張会長のボディガード、丸山らに殺される)、
岸部一徳(森島=花菱会の幹部)、仁科貴(バーテン)などが出演している。

                                                 
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