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岩佐 光広
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2018 文化人類学入門

授業全体の概要(シラバスより)


【テーマ】 食を通じて学ぶ文化人類学の基礎

 この授業では、「食」を通じて文化人類学の基礎を学ぶことを目指します。
 文化人類学とは、ごく手短にいうならば、「フィールドワークを通じて「異文化理解」を試み、その理解をもとに人間の多様性と普遍性について考える学問」です。ここでいう異文化理解とは、「自分とは異なる日常生活を営む人たちの暮らしぶりについて理解すること」といえます。
 この授業で焦点を置くのは「食をめぐる営み」です。日々の栄養を得るための食という営みは、人間の生存にとって不可欠なものです。しかし人間の食という営みは、生存のために必要な栄養を摂取するためだけのものではありません。文化人類学者の武井秀夫は、「私たちは食事で単に栄養を摂取しているだけでなく、イメージや便利さ、人間関係などの「いみ」も食べてい」ると述べ、それを「栄養(いみ)を食べる」と表現したことがあります(武井秀夫責任編集『Vesta』42号)。人間の食という営みはまさに社会文化的な営みでもあるわけです。それゆえ、食という営みには人間の思想や世界観、価値、規範といったものが如実に映し出されます。そのため、食をめぐる営みは、文化人類学においてきわめて重要なテーマであるとともに、文化人類学を学ぶうえでうってつけのテーマともいえます。
 しかし、注意が必要な点があります。ともすれば私たちは、自分たちが「当たり前」に行っている食の営みを「標準」として考えがちです。たとえば、虫をたべることを「気持ち悪い」「ありえない」と感じるのは、日常的に虫を食べない私たちの「食の当たり前」に照らしたときの反応だといえます(実はこの反応こそが差別を生み出す大きな要因ともなっています)。したがって、人間の多様性に満ちた暮らしぶりについて学び考えていくためには、人間の食という営みの多様性について学び、自分たちの「食の当たり前」を見つめなおすこと(これを「相対化」と言います)も不可欠になります。そしてこのことは、食に限らず、自分とは異なる暮らし方全般に当てはまることであり、それゆえ、文化人類学にける異文化理解の試みにおいて不可欠の態度といえます。この授業では、自分とは異なる食の営みを取り上げながら、こうした文化人類学において求められる基本的な態度(文化相対主義)についても学んでいきます。

 この授業は講義形式で行いますが、折に触れて受講者に質問をしながら授業を進めていきます。質問内容は主に、(1)これまでの授業内容の確認、(2)授業内容を踏まえての自分なりの考えや意見、についてです。専門的な知識は求めませんが、授業内容の復習をしっかりと行ってください。また、授業内容についてしっかりと考えながら、主体的に質問に答えようとする姿勢をもって授業を受けてください。



連絡事項


■ 2018/07/26:本日で授業は終了します、お疲れ様でした。期末レポート、楽しみにしています!
■ 2018/06/18:SOULSの不調のためアップデートが遅くなりました、すみません。
■ 2018/06/07:6月7日(木)の6限目に補講を行います。
■ 2018/05/10:今日から授業を開始しました。また授業ページをアップデートしました。


授業スケジュール


授業は以下のスケジュールで進めていきます。
なお育児の関連で短縮授業や休講がありえます。その分は補講を実施します。

 05/10 第01回:イントロダクション:文化人類学の「とりあえず」の定義
 05/17 第02回:文化人類学における異文化理解と相対化の試み
 05/24 第03回:食から考えるヒトと人間(1):食べられるものと食べられないもの
 05/31 第04回:食から考えるヒトと人間(2):調理
 06/07 第05回:食から考えるヒトと人間(3):生業
 06/07 第06回:【補講】ドキュメンタリー「人間はなにを食べてきたか」を見る(1)(06/07(木)の6-7限目に実施)
 06/07 第07回:【補講】ドキュメンタリー「人間はなにを食べてきたか」を見る(2)(06/07(木)の6-7限目に実施)
 06/14 第08回:食から考える文化(1):食べるものと食べないもの
 06/21 第09回:食から考える文化(2):フード・タブー
 06/28 第10回:食から考える文化(3):食の秩序
 07/05 第12回:食から考える文化相対主義と差別(1):文化相対主義とは?
 07/12 第12回:食から考える文化相対主義と差別(2):コオロギは食べ物か?
 07/19 第13回:期末レポートについての説明
 07/26 第14回:まとめ:食を通じて考える文化人類学
 07/26 第15回:【補講】期末レポートの相談(07/26(木)の6限目に実施)


授業資料と関連情報


講義で使用したスライドをpdfファイルで閲覧できます。
パスワードが設定してあるので、授業内で告知したパスワードで解除して閲覧してください。
また、授業内で取り上げた文献などの関連情報についても紹介しますので、復習・予習等の授業時間外学習に活用してください。


第01回 イントロダクション:文化人類学の「とりあえず」の定義(2018/05/10)




【補足情報】
文化人類学に興味が湧いた人は、以下のページにアクセスしてみてください。



第02回 文化人類学における異文化理解と相対化(2018/05/17)



【参考文献】
春日直樹(編) 2011 『現実批判の人類学:新世代のエスノグラフィへ』、世界思想社。
ギアーツ、クリフォード 1987 『文化の解釈学<1>』、吉田禎吾ほか訳、岩波書店。
姫岡勤 1967 『文化人類学』、ミネルヴァ書房。
マーカス、ジョージ/マイケル・フィッシャー 1989 『文化批判としての人類学:人間科学における実験的試み』、紀伊國屋書店。
リーチ、エドマンド 1985 『社会人類学案内』、長島信弘訳、岩波書店。
リップマン、ウォルター 1987 『世論』、掛川トミ子訳、岩波書店。



第03回 文化人類学における「相対化」(2018/05/24)



【参考文献】
ヴィトゲンシュタイン、ルートヴィヒ 2013 『月額探求』、丘沢静也訳、岩波書店。
エリクセン、トーマス・ヒランド 2008 『人類学とは何か』、鈴木清史訳、世界思想社。
シクロフスキー、ヴィクトル 1971 『散文の理論』、せりか書房。
中川理 2009 『言語ゲームが世界を創る:人類学と科学』、世界思想社。
波平恵美子/小田博志 2010 『質的研究の方法:いのちの”現場”を読みとく』、春秋社。
ベネディクト、ルース 2008 『文化の型』、米山俊直訳、講談社。

授業のなかで取り上げたマイナーの論文は以下で読めます。


【補足情報】
授業の最後で紹介したモーリス・メルロ=ボンティの言葉は、『シーニェ〈1〉』(竹内芳郎訳、みすず書房、1969年)では以下のように書かれています。

「民族学とは、「未開」社会といった特殊な対象によって定義されるような専門学科ではない。それは一つの考え方、つまり、対象が「他者のもの」であるときに課せられてくるような、そしてわれわれがみずからわれわれ自身を変える必要に迫られるような一つの考え方なのである。だから、われわれもまた、われわれ自身の社会に対して距離をとるならば、この自分の社会の民族学者になることになるのだ。・・・・・・要は、われわれ自身のものを異邦のもののように見、われわれにとって異邦であったものをわれわれのものであるかのように見ることを学ぶことなのだから。」[メルロ=ポンティ1969:193]

別の箇所で、人類学者のフィールドワークの経験についても述べています。

「もちろん、同じ一人の人間が、自分の論ずるすべての社会を経験によって知るということはできもしないし、またその必要もない。彼が時折、しかもかなり長期にわたって、他の文化から教えられるすべを学んだというだけで十分である。以後彼は、一つの新しい認識の機関をわがものにするわけだし、自分自身の文化のうちに取り込まれていないために、それによってかえってたの文化とも疎通し合えるような、みずからの野生の領域を取りもどしたことになるからである。その後は、彼は、机の上であろうが遠く離れていようが、どれほど客観的な分析が示す相関関係についても、それをいろいろ突き合わせ、真の知覚によってその真偽を確かめることができるのだ。」[メルロ=ポンティ 1969:194]


第04回 食から考えるヒトと人間(1)(2018/05/31)



【参考文献】
バタイユ、ジョルジュ 2004 『エロティシズム』、酒井健訳、筑摩書房。
ポーラン、マイケル 2014 『人間は料理をする(上):火と水』、野中香方子訳、NTT出版。
ランガム、リチャード 2010 『火の賜物:ヒトは料理で進化した』、依田卓巳訳、NTT出版。
レヴィ=ストロース、クロード 2007 『神話論理3 食卓作法の起源』、渡辺公三ほか訳、みすず書房。


【補足情報】
授業の最後に紹介したレヴィ=ストロースの「料理の三角形」。
簡単な紹介が以下のエッセイで読めます。興味のある人は是非。



第05回 食から考えるヒトと人間(2)(2018/06/07)



【参考文献】
岸上伸啓 2005 『イヌイット:「極北の狩猟民」のいま』、中央公論社。
サーヴィス、エルマン 1991 『民族の世界:未開社会の多彩な生活様式の探求』、講談社。
田中二郎 1994 『最後の狩猟採集民:歴史の流れとブッシュマン』、どうぶつ社。


【補足情報】
日本の狩猟採集民研究の第一人者である田中二郎先生のエッセイが読めます。
ぜひ読んでみてください。


また、生態人類学を牽引してきた丹野先生の生業に関する概説を資料として挙げておきます。
時間を見つけて、是非一読ください。



第06-07回 補講:ドキュメンタリー「人間はなにを食べてきたか」を見る(2018/06/07)


ドキュメンタリー『人間は何を食べてきたのか』は、1980年代から90年代にかけてNHKで放送されたドキュメンタリー番組です。
人間は何をどのように食べてきたのか、さまざまな食べ物の原点に焦点をあて、世界各地での取材をもとに食べ物と人間の関係を描いている作品です。
「ジブリ学術ライブラリー」というシリーズからDVDボックスが出されているように、宮崎駿と高畑勲が興味を持った作品としても知られています。
特典映像には、高畑勲・宮崎駿両氏と番組制作者との座談会も収録されています。

【収録内容】
■ 第1巻「人間は何を食べてきたか」
・「NHK特集 食のルーツ5万キロの旅」
・ 「第1集 一滴の血も生かす 肉」
・「第2集 一粒の麦の華麗な変身 パン」
■ 第2巻「人間は何を食べてきたか」
・ 「第3集 遊牧の民の遺産 乳製品」
・「第4集 アンデスの贈り物 ジャガイモ」
・「第5集 大いなるアジアの恵み 米」
■ 第3巻「人間は何を食べてきたか」
・「第1集 黄土の民の知恵と技 麺」
・「第2集 スパイスは大地の香り カレー」
・「第3集 太古からのメッセージ タロイモ・ヤムイモ」
■ 第4巻「人間は何を食べてきたか」
・「第4集 南方に生命の嘉木 茶」
・「第5集 塩ふく大地の奇跡 醤油」
■ 第5巻「人間は何を食べてきたか」
・ 「第1集 灼熱の海にクジラを追う インドネシア・ロンバタ島」
・ 「第3集 サンゴ礁の海人 南太平洋・マンドック島」
■ 第6巻「人間は何を食べてきたか」
・「第2集 サバンナの移動漁民 アフリカ・ニジェール川」
・「第4集 サケに導かれた北方民族 カナダ・北米大陸」
■ 第7巻「人間は何を食べてきたか」
・「第1集 モチ米 大地に捧げる神の食」
・「第2集 スイカ 砂漠の民の水瓶」
■ 第8巻「人間は何を食べてきたか」
・ 「第3集 トウモロコシ インディオの大いなる遺産」
・「第4集 雑穀 サバンナの最期の贈りもの」



第08回 食から考えるヒトと人間(3)(2018/06/14)



【参考文献+α】
岸上伸啓 2005 『イヌイット:「極北の狩猟民」のいま』、中央公論社。
サーヴィス、エルマン 1991 『民族の世界:未開社会の多彩な生活様式の探求』、講談社。
田中二郎 1994 『最後の狩猟採集民:歴史の流れとブッシュマン』、どうぶつ社。

風間真理 2009 『現代モンゴル遊牧民の民族誌:ポスト社会主義を生きる』、世界思想社。
稲村哲也 1995 『リャマとアルパカ:アンデスの先住民社会と牧畜文化』、花伝社。
吉田睦 2003 『トナカイ牧畜民の食の文化・社会誌:西シベリア・ツンドラ・ネネツの生業と食の比較文化』、彩流社。
高倉浩樹 2012 『極北の牧畜民サハ:進化とミクロ適応をめぐるシベリア民族誌』、昭和堂。


牧畜という生業形態について、もう少し勉強してみたい人は、以下の論文を読むことを勧めます。
比較的馴染みのあるモンゴルの牧畜についての論文です。



第09回 食から考える人間と文化(1)(2018/06/28)



【参考文献】
門口充徳 2006 「デュルケムのトーテミズム論トレヴィ=ストロースの批判」『成城大学文学部紀要』(41):81-103。
レヴィ=ストロース、クロード 2000 『今日のトーテミスム』、仲澤紀雄訳、みすず書房。


【補足情報】
トーテミズムとトーテムポールについて、ネット上で手際よくまとめている解説はないか探してみたのですが、あまり良いのが見当たりませんでした。
以下のサイトがカナダ先住民のトーテムポールを写真付きで紹介しているので、参考に挙げておきます。
あと、なぜ小学校にトーテムポールが立っていたか、それについてはいくつか噂があるので、調べてみてください。



第10回 食から考える人間と文化(2)(2018/06/28)



【参考文献】
門口充徳 2006 「デュルケムのトーテミズム論トレヴィ=ストロースの批判」『成城大学文学部紀要』(41):81-103。
レヴィ=ストロース、クロード 2000 『今日のトーテミスム』、仲澤紀雄訳、みすず書房。


【補足情報】
以下に、レビ記のファイルを添付しておきます。
次回の授業を受ける前に読んでおいてください。



第11回 食から考える人間と文化(3)(2018/07/05)



【参考文献】
ダグラス、メアリ 2009 『汚穢と禁忌』、塚本利明訳、筑摩書房。



第12回 食から考える人間と文化(4)(2018/07/12)



【参考文献】
ダグラス、メアリ 2009 『汚穢と禁忌』、塚本利明訳、筑摩書房。



第13回 期末レポートについて(2018/07/19)


期末レポートについての詳しい指示は、以下のファイルを参照ください。


【レポート課題】
授業のなかで取り上げたトピックを一つ選び、その授業内容をまとめた上で「問い」を導出し、その問いに対して、1つ以上の文献を「根拠」として挙げながら論証し、主張を示しなさい。

【提出方法と締切】
・ 提出方法:学生サービスセンター レポート提出ボックス
・ 提出〆切:2018年8月2日(木)16:00(時間厳守。原則として時間を過ぎたレポートは受け付けません。)

【書式等】
以下のページの「レポートの執筆について」に挙げられている資料を参照ください。
指示された書式等に従っていない場合、減点あるいは評価対象外とすることがあるので注意!

文献等の引用や参照のやり方については、以下の資料も参照ください。


第14回 食から考える文化相対主義(2018/07/26)



【参考文献】
鏡味治也 2010 『キーコンセプト 文化:近代を読みとく』、世界思想社。
タイラー、エドワード 1962 『原始文化:神話・哲学・宗教・言語・芸能・風習に関する研究』、比屋根安定訳、誠信書房。



第15回 補講:レポートの相談(2018/07/26)


以下の通り、補講として期末レポートの相談を受けつけます。
主に書式面での相談ですが、授業についての質問などにも対応します。

 日時:2018年7月26日(木)6限目(18:10-)
 教室:共通教育153教室


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