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日日是労働セレクト139
 以下に、「日日是労働」のダイジェスト版・第139弾を掲げます。直ぐ下の記事がこの「日日是労働セレク
ト139」の中では最も新しい日付のものです。つまり、読み進めるほど、古い記事になります。ただし、いち
いち明示しませんが、後日に行った加筆訂正を含んだ日があります。日誌ですから、少なくとも後日に加筆
することはご法度であるはずですが、「某月某日」ということもあり、記事内容の充実を優先させました。
ご了承ください。また、頑張って「辛口」の批評を展開しようと務めておりますので、本文に何かと読者の
お気に召さない表現等が散見されるやもしれませんが、特定の個人、団体等を誹謗中傷する目的は一切あり
ませんので、どうぞご理解ください。なお、ご感想は、muto@kochi-u.ac.jp までお寄せ下さい。


 某月某日

 DVDで邦画の『薔薇の葬列』(監督:松本俊夫、松本プロ=ATG、1969年)を観た。監督の松本俊夫は、長
年に亙り映像における実験を試みてきた人で、今年の4月に亡くなっている(合掌)。小生としては、『ド
グラ・マグラ』(監督:松本俊夫、活人堂シネマ=都市環境開発、1988年)以来の鑑賞となる。ソポクレー
スの『オイディプス王』を下敷にしているが、息子の父親殺しならぬ母親殺し、母との近親相姦ならぬ父と
の近親相姦という交錯を試みており、その意味で大胆な試みといえよう。ATG製作関連映画としては、58本目
の鑑賞である。
 ちなみに、DVDの特典映像の中で、松本俊夫自身が、初期の頃は、製作会社500万円、ATG500万円、合計1
千万円の製作費で映画を製作し、黒字も赤字も両者の折半ということであった由。もっとも、製作費が1千
万円を超えたときには、監督の責任で費用を捻出しなければならなかったという。当時の一般の映画製作費
が1本4、5千万円だから、いかに安く仕上げようとしたかが分る。ただし、ピンク映画は製作費300万円が
相場だったらしい(以前、若松孝二もそのようなコメントを漏らしていたと思う)。
 ピーター(池畑慎之助)のデビュー作で、初めからオーラ全開という感じだった。本物のゲイボーイも何
人か出演しており、当時としては画期的な映画だったのかもしれない。「政治の季節」も反映しており、懐
かしいショットもいくつかあった。
 物語を確認しておこう。例によって、<Movie Walker>のお世話になる。執筆者に感謝したい。なお、一部
改変したが、ご寛恕を乞う。

   〔解説〕

  実験映画、記録映画、テレビ、ラジオ等の作品を発表してきた松本俊夫が自から脚本を書き、監督した
 異色作。撮影は、『キューバの恋人』の鈴木達夫が担当した。

   〔あらすじ〕

  エディ(ピーター)は、ゲイ・バー“ジュネ”のナンバー1だったが、経営者の権田(土屋嘉男)と
 情事を持った。権田と同棲している“ジュネ”のママのレダ(小笠原修)は、それを知って、心中穏や
 かではなかった。二人の間は、冷戦から熱戦へエスカレートする。エディは、レダを消してしまえば……
 と想像する。その考えは、恐ろしい母親殺しの記憶を呼び起こした。母(東恵美子)の手一つで育てら
 れたエディは、ある日偶然、母の情事を見てしまい、発作的に母を刺してしまったのだった。厭な思い
 出から逃れようと、エディは、ベトナム帰休兵の黒人トニー(ドン・マドリッド)と寝る。一方、エデ
 ィとレダの反目は、派手なとっくみ合いの喧嘩で頂点に達した。焦ったレダは、ズべ公に頼んでエディ
 の美貌を傷つけようとするが、失敗。しかもその陰謀かバレ、権田に捨てられて、自殺する。エディは、
 権田も店も手に入れた。二人は晴れて抱き合った。ところが、権田は、一枚の古い写真から、エディが
 実の息子だったことを知り、頸動脈を切って自殺する。すべてを知ったエディは、ナイフで自分の両眼
 を抉るのだった。

 他に、城よしみ(ジミー)、仲村紘一(ジュジュ)、太田サー子(マリー)、フラメンコ梅路(グレゴ)、
卍太郎(ノラ)、内山豊三郎(ゲバラ)、柴山幹郎(哲学者)、彦凪わたる(サブ)、さとう陽(ラドン)、
竹永敬一(せむし)、小林千枝子(おけい)、五味渕澄(ピロ)、小松方正(エディの母の情夫)などが出
演している。その他、本人役として、秋山庄太郎(写真家)、粟津潔(グラフィック・デザイナー)、篠田
正浩(映画監督)、藤田繁矢[敏八](同)、蜷川幸雄(演出家)、八木治郎(アナウンサー)、淀川長治
(映画評論家)、小島武(プロ雀士)、池田龍雄(画家)などが出演している。
 実の息子と近親相姦の関係を結んだと知った父親からすれば、たしかにそれはショックだろうが、それだ
けで果たして直ちに自殺を選ぶだろうか。また、自殺した実父を目の当たりにして、父親を死に追いやった
その同じナイフで自らの目を抉るだろうか。いずれにしても、ギリシア悲劇『オイディプス王』の変形譚を
紡ぐことに固執するあまり、最後の最後でリアリティを失っているように見えた。それも松本俊夫の計算の
内に入っているのだとすれば、この時代が作らせた作品なのだろう。アンチクライマックス……1970年前後
の閉塞感が表現されているというわけだ。「何を考えているんだ」と問われたゲバラが「出口のことを考え
ている」と答えているところから、導き出した推測にすぎないが……。


 某月某日

 DVDで邦画を2本観たので、報告しよう。1本目は、『帰って来た女必殺拳』(監督:山口和彦、東映東京、
1975年)である。シリーズ第3弾で、新味はあまりないが、悪役のボスを務めた山本麟一が貫録を示しており、
そこが見所か。
 物語を確認しておこう。例によって、<Movie Walker>のお世話になる。執筆者に感謝したい。なお、大幅に
改変したが、ご寛恕を乞いたい。あまりに事実誤認があったからである。

   〔解説〕

  “女必殺拳”シリーズ三作目。幼友達を暗黒街の黒い手から救いだそうと活躍する女拳士・李紅竜を描
 いたアクション映画。脚本は『華麗なる追跡』の金子武郎と掛札昌裕、監督は『けんか空手 極真拳』の
 山口和彦、撮影は『新幹線大爆破』の飯村雅彦がそれぞれ担当。

   〔あらすじ〕

  香港の裏町。李紅竜(志穂美悦子)は香港警察刑事の湘徳輝(千葉治郎)と待ち合せをしていた。湘
 の従妹で、紅竜の幼友達でもある秀麗(川崎あかね)が一カ月前から行方不明になっており、湘は紅竜
 に捜査協力を頼もうとしていたのだ。しかし、紅竜が湘と会った時、湘は何者かに刺され、横浜にいる
 スージーという女(役者、不詳)が秀麗の手掛りを握っていることを言い残して死んだ。翌日、紅竜は
 秀麗の6歳になる娘梨花(役者、不詳)を伴ない横浜へ向かった。横浜に着いた紅竜は、暗黒街のボス・
 王龍明(山本麟一)の配下たちに襲われたが、突然、紅竜の空手仲間であるミッチー(ミッチー・ラブ)
 が現われ、紅竜の必殺拳も炸裂し、男たちは退散した。それから紅竜は、秀麗の妹・麗花(張美和)に
 梨花をあずけて、スージーを捜し求め、とあるバーで見つけ出した。スージーの話によると、スージー
 と秀麗は香港のバイヤーに騙されて王龍明に売られ、美人の秀麗は王の情婦にさせられてしまったのだ
 った。だが、間もなくスージーは王の配下によって殺されてしまった。一方、紅竜が武道の達人である
 と知った王は、各国から呼び寄せた四天王の蛇倉(石橋雅史)、シンシン(坂口正一)、采(早川明心)、
 黒崎剛(倉田保昭)に紅竜を殺すように命じた。その後、紅竜は何度か刺客に襲われ、麗花に不信を抱
 いた紅竜は、彼女が麻薬患者にさせられて王の命令通りに動いていることが判明した。紅竜は王の邸宅
 に潜り込んだ。すると、麗花は王の配下に麻薬を射たれていたからである。その後、黒崎と対決し、死
 にかかったが、黒崎が本気で紅竜を殺そうとはしなかったからである。実は、王龍明は元関東軍の憲兵
 中佐で、黒崎の父親の仇だったのである。最後に、凄まじい武道家同士の死闘の末、見事に二人は王一
 味を壊滅させるのだった。

 他に、原田力(鮫洲)、日尾孝司(不破)、ベンケイ藤倉(テムジン)などが出演している。王水で金を
溶かして密輸するという方法が登場するが、果たして可能なのだろうか。
 2本目は、『女必殺五段拳』(監督:小沢茂弘、東映京都、1976年)である。「女必殺拳」シリーズの第
4弾(最終作)である。前作までは香港娘の李紅竜を演じていた志穂美悦子が、今回は打って変わって京娘
に扮している。お小姓姿が妙に似合っていた。拳法が「乱花血殺拳」から「五段拳」に替わっているが、ど
こに違いがあるのだろうか。もっとも、志穂美の動きは素晴らしいので、どちらでも大差ない。
 この作品に関しても、以下、同様。

   〔解説〕

  国際地下組織の麻薬取り引きに巻き込まれた空手の達人の少女の活躍を描くアクション映画。脚本は
 『ラグビー野郎』の鳥居元宏と『テキヤの石松』の松本功と『くノ一忍法 観音開き』の志村正浩、監
 督は『テキヤの石松』の小沢茂弘、撮影は『五月みどりのかまきり夫人の告白』の塩見作治がそれぞれ
 担当。

   〔あらすじ〕

  京都・西陣にある織物問屋「中武」では、年頃の一人娘である中川菊(志穂美悦子)に婿養子を迎えよ
 うと必死だが、当の本人はそんな親の気持とは裏腹に、武道に凝っていて結婚には全く関心がない。それ
 でも父親(鈴木正文)だけは、菊と気が合いそうな厚生省麻薬取締官の高木修二(渡瀬恒彦)に、いささ
 かの期待を寄せていた。菊は空手道場の門弟たちの中でも、親のいない混血少女、ミッチー(ミッチー・
 ラブ)を可愛がり、実の妹のように面倒を見ていた。ミッチーには、父親の異る肌の黒い兄、ジム(ケン・
 ウォールス)がいて、二人は金を稼いで生まれ故郷の沖縄でレストランを開くのが長年の夢だった。空手
 に自信のあるジムは、金欲しさのあまり妹には内緒でしばしば悪の手先となって働いていた。折りしも、
 高木は京都に国際麻薬密売地下組織が暗躍していることを内偵していたが、その捜査線上にジムの名が上
 っており、また、菊も、ジムの挙動に不審を抱いていた。表向きは古美術商を装い、極東映画の相談役で
 もある国際麻薬組織・日本支部代表の貝原喜一郎(汐路章)は、ジムを殺す指令を出した。追われたジム
 はミッチーに助けを求めた。だが、ジムは追っ手の銃弾を浴びて死んだ。ミッチーは兄の残した言葉をた
 よりに、組織のアジトに乗り込むが逆に捕えられ、行方不明になってしまった。これまで高木を頼りにし
 ていた菊も、ついに自ら捜査に踏み込んだ。そして以前から怪しいと目をつけていた極東映画の京都撮影
 所にエキストラとして侵入、ミッチーを求めて所内を探索。案の定、ミッチーは小道具倉庫に捕えられて
 いたが、撮影中の映画に出演の俳優たちが、突然、菊に飛びかかって来た。彼らは全て殺し屋だったのだ。
 さまざまな衣装の殺し屋たちで、まるで時代劇と現代劇をミックスしたような血闘が展開された。だが高
 木が駈けつけ、麻薬を運びだそうとする車を阻止し、菊は貝原を得意の空手で倒すのだった。

 他に、荒木雅子(中川綾=菊の母親)、田淵岩夫(野田一平=洛洋舎クリーニング店員を装っている麻薬  
取締官)、山田良樹(井上=守衛)、大矢敬典(嵐)、五十嵐義弘(水島保)、岩尾正隆(大曽根五郎=殺
された麻薬捜査官)、トニー・セトラ(ルー・ダグラス=米国麻薬Gメン)、クロード・キャニオン(ジョ
ー・スペンサー=麻薬組織の極東担当者)、ハル・ゴールド(ダン・白井=スペンサーの随員)、笹木俊志
(大沢則男=組織の一員)、志茂山高也(田所清)、川合伸旺(藤山隆三=極東映画撮影所所長)、片桐竜
次(工藤=俳優兼組織の一員)、田中浩(宮本巌=同)、サンダー杉山(貝原の配下)、南方英二(映画監
督)などが出演している。
 沖縄の基地問題やロッキード事件などをさりげなく絡めており、全4作の中では一番面白かった。ボス役
の汐路章はやっと売れてきた頃である。もっとも、映画産業そのものが斜陽化の一途をたどっていたので、
「悪役の大物」止まりだったことが惜しまれる。もう一人の悪役である川合伸旺は、やはり時代劇(とくに、
悪代官役)の方がよく似合う。高木修二役の渡瀬恒彦の台詞である「男は女の優しさを求めており、家庭的
な女が好まれる」は、真顔で語っているだけにとても古臭く聞こえた。今どきの女性にはあまり通じなくな
っているのではないだろうか。


 某月某日

 DVDで邦画の『女必殺拳・危機一発』(監督:山口和彦、東映東京、1974年)を観た。前作と似たような作品。
千葉真一の代わりに倉田保昭が李紅竜の補佐役を務めている。
 物語を確認しておこう。例によって、<Movie Walker>のお世話になる。これも、執筆者に感謝したい。な
お、一部改変したが、ご海容いただきたい。

   〔解説〕

  “女必殺拳”シリーズ二作目。日本のダイヤ密輸組織に敢然と挑戦する少林寺拳法の名手の香港娘の
 活躍を描くアクション映画。脚本は『女必殺拳』の鈴木則文と『衝撃! 売春都市』の掛札昌格、監督は
 『女必殺拳』の山口和彦、撮影も同作の中島芳男がそれぞれ担当。

   〔あらすじ〕

  香港の富豪・王渕明(永井秀明)の娘美麗(田中久子)が誘拐された。この調査に当っていた謝希大
 (土山登士幸)は美麗が日本の密輸組織によって日本に連れて行かれたことを捜りあてたが、何者かに
 殺されてしまったために、王は、美麗の幼な友達で少林寺拳法の使い手、李紅竜(志穂美悦子)に美麗
 救出を依頼した。日本へ飛んだ紅竜は、宝石デザイナーをしている姉の白蘭(光山環世)に会った。だ
 がその白蘭は密輸組織のボス、大曽根一成(室田日出男)の情婦だった。その夜、白蘭のアパートに泊
 った紅竜は、大曽根の指令を受けた本位田三兄弟の中の鹿二郎(斉藤一之=台南短槍術の使い手)に襲
 われるが、激退した。翌日、紅竜は少林寺拳法東京道院道場の大範士、藤田徹造(内田朝雄)に相談を
 持ち込むと、徹造は少林寺の全力を挙げて紅竜に協力を約束した。一方、殺された謝希大の弟・椿俊輔
 (倉田保昭)は、兄の仇を討つため大曽根の用心棒として潜り込んだ。大曽根は、本位田三兄弟の他に、
 密殺流忍拳・羅内幻十郎(安岡力也)、モンゴル天空拳を駆使するキング・ヘシウス(刈谷俊介)など
 を囲っている。ある夜紅竜は、大曽根が経営するナイトクラブ“オリエンタル”に花売娘に変装して潜
 入し、地下室の隠れ部屋で美麗を発見した。組織は美麗など若い娘数人の身体の中にダイヤを埋め込ん
 で日本に運び込み、この地下室で、酔いどれ医者の須賀野音彦(山本昌平)によって摘出していたのだ
 った。狭い密室での格闘の末、紅竜は美麗を連れ出し、東京道院に保護を頼んだ。怒った大曽根は妹の
 ために裏切った白蘭の両目を失明させ、彼女を囮に、紅竜を呼び出した。紅竜を待ち受けていたのは、
 天魔流拳法の使い手である本位田の長兄・猪一郎(石橋雅史)である。“乱花血殺”の紅竜だが、ヌン
 チャクを巧みに使う猪一郎に次第に追いつめられて行く。その時、椿がドラム岳を猪一郎めがけて転が
 せ、その隙に紅竜は難を逃れた。その頃美麗は少林寺のガードにもかかわらず殺されてしまった。紅竜
 は再び“オリエンタル”の地下室に潜入した。失明している白蘭は、まさに女体解剖されるところで、
 紅竜の救出もむなしく、須賀野のメスが白蘭の首に突きささり、息絶えた。怒った紅竜は、次々と用心
 棒たちを蹴ちらした。そこへ椿も紅竜の応援に駈けつけた。死闘の末、紅竜は猪一郎と大曽根を打ち倒
 すのだった。

 他に、藤山浩二(黒木五郎=大曽根の配下)、日尾孝司(根津忠=同)、琳大興(本位田蝶三郎=武剛流
空手)、原田力(崔赤牛=武玄流朝鮮拳法)、司欣也(白虎=中国拳法)、金田治(黛虹之介=自眼心流居
合)、マダム・ジョイ(村川眉美=大曽根の情婦)、坂東三千代(藤田琴絵=徹造の娘)、沢田俊彦(内藤
剛)、たこ八郎(宮本武夫)などが出演している。


 某月某日

 DVDで邦画の『女必殺拳』(監督:山口和彦、東映東京、1974年)を観た。今年に入って50本目の鑑賞だが、
半年のノルマとしてはやっと半分に達したというわけである。多忙とSOULSの停止が映画鑑賞を妨げたことにな
るが、仕方がない。なお、今年のテーマは「アクション映画」であるが、当該映画はまさに打ってつけの作品
である。
 『ぴあ シネマクラブ』に解説があるので、それを引用しよう。執筆者に感謝したい。

   「女必殺拳」シリーズ

  千葉真一の愛弟子の女性アクション・スター志穂美悦子初主演によるカラテ・シリーズで、1974-1976
 年の間に全4本が作られた。志穂美悦子は、第1作、第2作では、香港と日本人の混血娘・李紅竜という
 設定だが、第4作では京都西陣の織物問屋の一人娘という設定に変わっている。空手を使って大暴れする
 という役柄に変化はない。志穂美のキリッとした容姿と華麗な空手アクションは、映画的で実に絶賛に値
 する。しかし、東映調のアカ抜けない演出は相変わらずであった。

 志穂美悦子は1955年生れなので、小生より一歳下ということになる。だからかもしれないが、同級生と邂
逅したかのような懐かしさを感じた。不思議なものである。映画の筋は通り一遍で戴けないが、彼女のアク
ションが売りなので、これでいいのだろう。
 物語を確認しておこう。例によって、<Movie Walker>のお世話になる。これも、執筆者に感謝したい。な
お、一部改変したが、ご寛恕を乞う。

   〔解説〕

  日本で少林寺拳法の修業をつんだ娘が、失踪した兄の行方を捜しながら麻薬組織に挑戦するアクション
 映画。脚本は『聖獣学園』の鈴木則文と『色情トルコ日記』の掛札昌裕、監督は『ネオンくらげ 新宿花
 電車』の山口和彦、撮影は『色情トルコ日記』の中島芳男がそれぞれ担当。

   〔あらすじ〕

  日本人と香港人を親に持つ娘・李紅竜(志穂美悦子)は、三ヵ月前東京で謎の失踪をした兄・万青(宮
 内洋)の安否を気ずかって来日した。万青は香港警察の麻薬Gメンで、日本の麻薬組織を捜査中だったの
 だ。紅竜は拳法の恩師で、兄が世話になっていた少林寺拳法道院長・藤田徹造(内田朝雄)を尋ねた。そ
 して、藤田より、女拳法の達人・早川絵美(早川絵美)と、拳法の天才で用心棒や私立探偵をやっていた
 響征一(千葉真一〔JJ Sonny Chiba〕)を紹介された。二人は紅竜に同情して、いつでも力になろうと約
 束する。紅竜は、響が匿っている、組織に麻薬患者にさせられた香港の女麻薬Gメン、ファン・シン(謝
 香容)から、組織の秘密の一部を知らされた。早速、紅竜は組織の本拠である角崎重臣(天津敏)の屋敷
 に乗り込むが、角崎の雇った凄腕の武道家たちの攻撃にあい、断崖から突き落とされた。紅竜は危く一命
 をとりとめるが、角崎は紅竜の伯父李玉堂(近藤宏)を脅迫して紅竜をおびき寄せ闇討ちしようとした。
 しかし紅竜の必殺拳は、急襲してくる角崎の配下を一瞬のうちになぎ倒してしまう。卑劣な角崎の裏をか
 いて、本拠の潜入に成功した紅竜は、地下の鉄牢で麻薬のため廃人同様にさせられた兄・万青を発見した。
 二人が言葉を交そうとした矢先、一味に感づかれ、紅竜は激しく応戦するが万青は殺されてしまう。怒り
 を爆発させた紅竜は、必殺“乱花血殺”を炸烈させるが、多勢な角崎一派の前に一歩一歩後退を余儀なく
 させられた。その時、響、絵美たちが駆けつけ形勢は逆転、再び壮絶な死闘が展開された。そして紅竜の
 必殺拳はじりじりと角崎を追い込んでいった。

 他に、大堀早苗(湖城しのぶ=響のガールフレンド/バレー教室の先生/琉球湖城流空手の使い手)、南
条達也(治郎=玉堂の息子)、橘なみ(麗子=同じく娘)、山本昌平(林亮三=角崎の配下)、佐藤晟也
(村上=同)、土山登志幸(黒川=同)、亀山達也(志村=同)、清水照夫(浜野=同)、石橋雅史(犬走
一直=敵の武道家)、久地明(ネレー=中国古武道トンファの使い手)、小池良一(上江州鉄心=沖縄古武
術二丁鎌の使い手)、南俊夫(馬八元=日本元流棒術四段)、日尾孝司(赤沢剛丸=特殊銃の使い手)、溝
口久夫(鉄頭僧=高砂流吹矢の使い手)などが出演している。
 千葉真一が助演しているが、緋牡丹のお竜(藤純子)の助っ人役を演じた高倉健のような立場である。ま
た、東映の悪役スターである天津敏が空手の使い手を演じているが、けっこう様になっていた。

                                                 
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