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 以下に、「日日是労働」のダイジェスト版・第123弾を掲げます。直ぐ下の記事がこの「日日是労働セレク
ト123」の中では最も新しい日付のものです。つまり、読み進めるほど、古い記事になります。ただし、いち
いち明示しませんが、後日に行った加筆訂正を含んだ日があります。日誌ですから、少なくとも後日に加筆
することはご法度であるはずですが、「某月某日」ということもあり、記事内容の充実を優先させました。
ご了承ください。また、頑張って「辛口」の批評を展開しようと務めておりますので、本文に何かと読者の
お気に召さない表現等が散見されるやもしれませんが、特定の個人、団体等を誹謗中傷する目的は一切あり
ませんので、どうぞご理解ください。なお、ご感想は、muto@kochi-u.ac.jp までお寄せ下さい。

 某月某日

 DVDで邦画を3本観たので報告しよう。それぞれテイストの異なる作品なので、比較的飽きずに楽しむこ
とができた。
 1本目は、『御金蔵破り』(監督:石井輝男、東映京都、1964年)である。本格的時代劇、しかもピカレ
スク・ロマンなので、小生の好みにマッチしていた。それもそのはず、名作『地下室のメロディー(MELODIE
EN SOUS-SOL)』(監督:アンリ・ヴェルヌイユ〔Henri Verneuil〕、仏国、1963年)を下敷にしており、
片岡千恵蔵がジャン・ギャバン(Jean Gabin)、大川橋蔵がアラン・ドロン(Alain Delon)に擬せられて
いる。もちろん、グッド・バッドガイを描いているので、二人とも魅力に溢れていることは言うまでもない。
 物語を確認しておこう。例によって、<Movie Walker>のお世話になろう。執筆者に感謝したい。なお、一
部改変したが、ご寛恕を乞う。

   〔解説〕

  高岩肇の原案を『風の武士』の野上龍雄と『ならず者(1964年)』の石井輝男が共同で脚本を執筆、
 石井輝男が監督したアクション時代劇。撮影は『無法の宿場』の脇武夫。

   〔あらすじ〕

  伝馬町の牢内で、緋牡丹の半次(大川橋蔵)は、煙りの富蔵(片岡千恵蔵)と異名をとる大盗人と
 知り合った。富蔵は、向っ気の強い半次に自分の若い時の姿を見る思いで、不思議な愛情を抱くよう
 になった。釈放された半次は、新御番組、神谷帯刀(杉浦直樹)に再会した。半次と帯刀は元同じ旗
 本であった。だが十俵五人扶持の貧しい家碌のために、権力にこびねばならぬ侍稼業に嫌気がさして、
 半次は市井にとびこんだのだった。その後帯刀は、筆頭与力目付役林肥後守(堀正夫)に取り入り、
 今では、その娘婿として将来を約されていた。勝ち誇ったような帯刀の態度に、半次は反感をもった。
 一方、富蔵は、長年江戸城内の御金蔵破りを夢見ていた。富蔵から相談を受けた半次は、帯刀とのこ
 ともあり決意した。決行日は五月一日、この日は、徳川家康の江戸開府の祝があるのだ。だが肝心の
 絵図面が入手できない。富蔵は、花火師玉屋の一人娘おこう(朝丘雪路)が中臈なのを利用して、絵
 図面をものにしようとした。その役目をあてられた半次は、激しい情熱をもって、おこうの女心をゆ
 さぶり、お局への道順を聞きだした。さて盗んだ金は大奥の下ごえをとりにくる肥たご船の樽にかく
 し運搬することに決った。万事準備は整ったと思ったが、おこうの妹おくみ(北條きく子)が、彌太
 五郎(安部徹)の子分紋太(待田京介)の情婦で、二人の行動を弥太五郎に知らせたため、形勢は不
 利になって来た。また目明し勘兵衛(丹波哲郎)も二人の後をつけていた。五月一日、御金蔵の警護
 は組頭に昇進した帯刀を中心に、厳重をきわめていた。弥太五郎たちも、千両箱を横取りしようと、
 半次らのあとを追って乱闘となったが、ついに千両箱はおわい船の中に納った。だが津田沼岸で待つ、
 富蔵と半次を前に、船は船底に穴が開いていたため沈んでいった。やってきた勘兵衛に「惜しかった
 な」と言われたが、二人は空惚けるほかなかった。

 他に、青木義朗(嘉助=彌太五郎一家の代貸)、潮健児(丑松=同じく子分)、今井健二(梅吉=同)、
伊沢一郎(竹造=おわい舟の船頭)、伏見扇太郎(将軍)などが出演している。いつも感じることだが、東
映に限らず、当時の時代劇映画は後のTV時代劇に大きな影響を与えていると思う。どこかで観たことのあ
るようなシーンの連続だからである。
 2本目は、『濡れた赫い糸』(監督:望月六郎、ジャパンホームビデオ、2005年)である。どことなくう
らぶれた雰囲気が漂う映画である。ただし、けっこうシビアーな場面もあり、人間の営みの奥行の広さを感
じさせる。「売春」がキーワードであるが、その世界にどっぷりと浸かるとどういう人間になるかが、かな
り分かりやすく描かれている。
 物語を確認しておこう。以下、上と同様。

   〔解説〕

  『皆月』の望月六郎監督が放つ官能ラブ・ストーリー。『あずみ』シリーズの北村一輝がホスト、
 高岡早紀と吉井怜が娼婦に扮し、色町に生きる男女の三角関係を妖艶に演じる。

   〔あらすじ〕

  とあるクラブで、茂(北村一輝)は一美(高岡早紀)と出会った。茂は一美に運命を感じ必死に迫
 るが、一美は色町“忍山”で生きる女だった。そこはカラダを糧に生きる女たちと、女たちを愛し守
 る男たちが生きる、時代から取り残された色町だった。町を出て二人で新たな生活を始めようと茂は
 望むが、一美は行方をくらます。一美が出所したヤクザの夫(下元史朗)の元へと去ったことを知り、
 力づくで取り戻そうとする茂。しかし、一美は茂については来なかった……。一年後。大阪でホスト
 をしている茂の前に、恵利(吉井怜)が現れる。茂に惚れた恵利は、その無茶苦茶な性格でどこまで
 も茂を追いかけ回し、茂は上客を失ってしまう。生活を壊された茂は結局恵利を連れ、“忍山”に逃
 げ込むことになった。三人の女の面倒をみながら生きる元ヤクザの中沢(奥田瑛二)をはじめとする
 個性的な面々と、大阪とは一転して穏やかな日々を過ごす二人。だが、茂が他の女の面倒をみている
 ことが我慢できない恵利は、激しい嫉妬ゆえの行動をとってしまう。そのことを茂に咎められると、
 恵利は未練を残しながらも去っていった。そんな茂の前に、夫が再び刑務所に入った一美が現われる。
 かつての想いがくすぶり続けていた茂は、二人での生活を始める。しかし、一美の夫をネタにした脅
 迫が、“忍山”を脅かす。実は裏で糸を引いているのは、茂を想い続ける恵利だった。

 他に、諏訪太朗(クレジットでは、「太郎」になっていた)が、曖昧宿「よし乃」の亭主役で出演してい
る。平成の映画なのに、昭和テイスト満載のところが逆にウリの映画だろうか。
 3本目は、『寝ずの番』(監督:マキノ雅彦、光和インターナショナル、2006年)である。マキノ雅彦は、
もちろん津川雅彦の映画監督名である。当該映画は「マキノ映画史100年記念」と銘打たれたもので、彼の
第1回作品でもある。他に、『次郎長三国志』(監督:マキノ雅彦、「次郎長三国志」製作委員会〔光和イ
ンターナショナル=バンダイビジュアル=時代劇専門チャンネル=角川映画〕、2008年)をすでに観ている
が、出来は処女作の方が上回っている。なお、『旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ』(監督:マキノ雅彦、
「旭山動物園物語」製作委員会〔角川映画、NTTドコモ、日本映画ファンド〕、2009年)という作品が第3作
目であるが、小生は未見である。さて、『寝ずの番』であるが、落語の破礼噺(ばればなし)のようなもの
で、全篇下ネタの連続である。しかし、カラッとしているので、まったくいやらしい感じがしない。こんな
作品があってもいいとつくづく思った。とくに、主演の中井貴一がいい味を出しており、他の共演者も芸達
者ばかりで、通夜の席がメインなのにとても楽しい映画に仕上がっている。
 物語を確認しておく。以下、上と同様。

   〔解説〕

  名優・津川雅彦が伯父・マキノ雅弘らの“マキノ姓”を名乗り、初監督に挑んだ人情喜劇。故・中
 島らもの短編を基に、お通夜の席で寝ずの番をする者が思い出話に花を咲かせる様を描く。

   〔あらすじ〕

  上方落語界の重鎮・笑満亭橋鶴(長門裕之)が亡くなった。今わの際、「外が見たい」と言ったの
 を、一番弟子の橋次(笹野高史)が「そそが見たい」と勘違いしたために、橋太(中井貴一)の妻で
 ある茂子(木村佳乃)が恥を忍んで自分のおそそ=女性器を見せた、3分後のことだった。そんなそ
 そっかしい一門であるから、通夜の晩は無礼講。生前の師匠のさまざまな逸話で盛り上がり、ついに
 は亡き骸を引っ張り上げて落語『らくだ』の“カンカン踊り”まで出る始末であった。それから暫く
 して、橋次が亡くなった。通夜の晩、想い出話に花が咲く。験の悪さと言ったら群を抜いていた橋次。
 お寺さんを借りての独演会では、行く先々で、本堂が火事になったり、住職が亡くなったり……とつ
 いてない。だが、たった一度だけ、艶っぽいお姉さん(高岡早紀)との一夜も、あることにはあった。
 一年後、今度は橋鶴師匠の妻である志津子ねえさん(富司純子)が亡くなった。通夜の晩、かつて今
 里新地の一番人気の芸妓だった志津子ねえさんの弔問に、鉄工所の元社長だと言う初老の男(堺正章)
 がやって来た。果たしてこの男、師匠とねえさんを争った恋敵で、霊前にねえさんから教わった座敷
 歌を捧げたいと言い出した。ところが、その歌がエッチで洒落ていたことから、そのうち橋太が負け
 じと歌い出し、終いにゃみんなで歌合戦、となるのであった。

 他に、岸部一徳(橋弥=橋鶴の実子)、木下ほうか(橋枝=同じく弟子)、田中章(橋七=同)、土屋久
美子(多香子=橋弥の女房)、真由子(美紀=橋七の女房)、石田太郎(小田先生=落語作家)、蛭子能収
(田所=志津子の遠い親戚)、角野卓造(医者)、玄海竜二(漁師)、イーデス・ハンソン(ガイドのミリ
アム)、梅津栄(橋本さん=橋次のファン)、浅利香津代(吉野さん=同)、春田純一(タクシーの運転手)、
桂三枝〔六代目桂文枝〕(弔問客)、笑福亭鶴瓶(同)、浅丘ルリ子(同)、米倉涼子(同)、十八代目中
村勘三郎(同)、川津春(看護師)、川井つと(駅員)、香川けんじ(漫才師A)、香川まさし(同じくB)
などが出演している。とにかく、掛け合いが素晴らしく、出演者全員の息が合っていると思った。なお、橋
鶴師匠が志津子を口説き落とした唄の文句を以下に掲げておこう。

 俺のこころはトタンの屋根よ。変わらない(瓦ない)のを見ておくれ。

 これは蛇足であるが、当該映画が小生の今年200本目の鑑賞作品である。年間ノルマが達成できて、ほっ
としている。


 某月某日

 DVDで邦画の『コント55号とミーコの絶体絶命』(監督:野村芳太郎、松竹、1971年)を観た。コント55
号のコンビによる最後の映画である。喜劇映画としては暗く、ほろ苦い映画に仕上がっている。もっとも、
昭和46年ごろは、あんな感じだったと思う。
 物語を確認しておこう。例によって、<Movie Walker>のお世話になろう。執筆者に感謝したい。なお、一
部改変したが、ご寛恕を乞う。

   〔解説〕

  野村芳太郎とコント55号のコンビによる六作目。脚本は『喜劇 女は度胸』の大西信行と『コント
 55号水前寺清子の大勝負』の山根成之。監督は脚本も執筆している『花も実もある為五郎』の野村芳
 太郎。撮影も同作の川又昂がそれぞれ担当。

   〔あらすじ〕

  坂本次郎(坂上二郎)・金作(萩本欽一)の兄弟は湘南市役所何でもやる課勤務である。父は戦死、
 母は台風で死亡。その時次郎は十六歳、金作は八歳であった。次郎は金作の手をひいて上京(ただし、
 電車賃が足らず湘南で降ろされる)、苦労の末金作を大学にやった。次郎は、世の中は金だという信
 念を持っているだけにケチである。従って女には縁がない。一方、金作はなかなかのプレイボーイで、
 ある日新宿のゴーゴーバーで県会議員の妾腹の娘田所桃代(大地喜和子)と知り合った。翌日、金作
 は市役所の亀山助役(花澤徳衛)に呼ばれた。桃代が結婚したいというのだ。助役や沼田誠一課長は、
 自分たちの昇進のチャンスとばかりこの結婚を急がせた。十五年勤務の次郎を通り越して金作は係長
 に抜擢された。金作はふとしたキッカケで知りあった中川秀子(由美かおる)という、病身の母(浦
 里はるみ)と妹たちのために昼間はガソリン・スタンド、夜はゴーゴーバーで働きながら家計を切り
 まわしている活き活きとして心根の優しい娘にすっかり心を奪われてしまった。ある日、次郎は胃に
 激痛を感じた。そして、勝手に癌だと思い込んだ。金作も、他人のことを話している杉本医師(なか
 にし礼)の言葉を聞き違え、兄は癌だと錯覚してしまった。その日から金作は一生懸命兄につくした。
 次郎は余命いくばくもない人生を楽しもうと預金(452万7,356円)を解約した。そんなある日、絶望
 した次郎は、ポケットに石をつめ込んで海に身を投じたが、勤め帰りの秀子に助けられた。気がつい
 た時は病院のベットの上で、秀子が母の手術代に困っていることを知り金をだそうとしたが、下した
 預金の残金(所持金のうち、百万円を金に困っている美人局に渡している)の三百万円余りの大金は
 自殺行の時、波にさらわれてしまった。兄弟が相談した手術代の捻出方法は、このまま次郎が死んだ
 ことにして香典を集めることだった。数日後、通夜の客たちは香典を持って集まった。そんな夜でも
 桃代の甘い攻撃は続いた。金作が「不謹慎な!」と桃代を殴り飛ばしたことから押し入れに隠れてい
 た次郎が飛びだして大騒ぎとなった。かくして兄弟の金集めの苦心は水泡にきしたのである。しかし、
 金作は、次郎が秀子を愛していることを知ると身を引く決心をした。やがて、次郎が癌でないことが
 判明した。それも自殺行のあとの入院でわかったもので次郎も知っていたことである。金作はむしょ
 うに腹が立ち次郎にかみついたが、秀子のとりなしで仲直りした。それから三カ月後、「次郎金ラー
 メン」の屋台が店開きした。商売は順調であった。そして、秀子の母の手術も、兄弟の苦面した金で
 無事に終った日、秀子が選んだフィアンセは兄弟のどちらでもなく杉本先生だったのだ。二人のショ
 ックはあまりにも大きかった。

 他に、小松政夫(武藤=同じ何でもやる課の職員)、阿部昇二(池谷=同)、いわたがん太(小林=同)、
たんくだん吉(吉沢=同)、佐々木梨里(竹村マリ)、浦里はるみ(秀子の母)、倍賞美津子(朱美=美人
局の片割れ)、田中邦衛(虎五郎=同)、三原葉子(桃代の母)、武智豊子(子猫を市役所に預けに来た老
婆)、和田アキ子(薬局の娘)、三木のり平(患者)、西城正三(西城=ボクサー)などが出演している。
 三木のり平が演じた患者が次郎に近づき癌をほのめかすシーンは、たぶん『生きる』(監督:黒澤明、東
宝、1952年)のパロディだと思う。また、香典絡みの話は、落語の「らくだ」をアレンジしているのではな
いかと思う。全体に「お笑い」が不足しており、コント55号の特徴がほとんど出ていなかった。最後の作品
になったのも故なきことではないだろう。


 某月某日

 DVDで邦画を4本観たので、ご報告。最近の作品が2本、40年以上前の作品が2本である。題材、映像、
手法、役者、言葉遣い、人情、慣習、風俗……どれを取っても、やはり平成と昭和は違うと感じざるを得な
い。もちろん、どちらにも長所と短所があり、一概にどちらが優れているとは言えない。
 1本目は、『渇き。』(監督:中島哲也、「渇き。」製作委員会〔ギャガ=リクリ=Gyao!〕、2014年)
である。中島監督の作品は、以下の通り6本観ている。

  『バカヤロー! 私怒ってます』、監督:渡辺えり子/中島哲也/原隆仁/堤幸彦、光和インター
   ナショナル、1988年。
  『Beautiful Sunday』、監督:中島哲也、ファット=サッソ・フィルムズ=コムスシフト、1998年。
  『下妻物語』、監督:中島哲也、アミューズ=TBS=小学館=東宝=TOKYO FM=ホリプロ=博報堂DY
   メディアパートナーズ=パルコ=小椋事務所、2004年。
  『嫌われ松子の一生』、監督:中島哲也、「嫌われ松子の一生」製作委員会、2006年。
  『告白』、監督:中島哲也、「告白」製作委員会〔東宝=博報堂DYメディアパートナーズ=フェイス・
   ワンダーワークス=リクリ=双葉社=日本出版販売=ソニー・ミュージック エンタテインメント=
   Yahoo! JAPAN=TSUTAYAグループ〕、2010年。
  『渇き。』、監督:中島哲也、「渇き。」製作委員会〔ギャガ=リクリ=Gyao!〕、2014年。

 いずれも実験的要素に満ちており、話題性も高いものばかりである。小生の好みからすれば、『下妻物語』 
が一押しで、その衝撃は大きかった。元々、CMディレクター(フジッコ「漬物百選」/サッポロ生 黒ラ
ベル 「温泉卓球」篇などが有名)として名を馳せた人で、その後、映画監督としても一流の仲間入りを果
たしている(ウィキペディア)。ひょっとすると、当該作品のスピード感や暴力性は、CM製作で培われた
ものから滲み出たのかもしれない。ところで、21世紀に入ってからの主だったバイオレンス映画と言えば、
以下のものが挙げられよう(ただし、小生が鑑賞済みのものに限る)。

  『殺し屋1』、監督:三池崇史、オメガ・プロジェクト=オメガ・ミコット=EMG=STARMAX=スパイク=
   アルファグループ=エクセレントフィルム、2001年。
  『バトル・ロワイアル 特別篇』、監督:深作欣二、「バトル・ロワイアル」製作委員会〔東映=アム
   アソシエイツ=広美=日本出版販売=MFピクチャーズ=WOWOW=ギャガ・コミュニケーションズ〕、
   2001年。
  『新・仁義の墓場』、監督:三池崇史、東映ビデオ=大映、2002年。
  『凶気の桜』、監督:薗田賢次、東映=テレビ朝日=東映ビデオ、2002年。
  『バトル・ロワイアルII 【特別篇】REVENGE』、監督:深作欣二/深作健太、東映=深作組=テレビ
   朝日=WOWOW=ギャガ・コミュニケーションズ=日本出版販売=TOKYO FM=セガ=東映ビデオ=東映
   エージェンシー、2003年。
  『隣人13号』、監督:井上靖雄、「隣人13号」製作委員会、2004年。
  『カメレオン』、監督:阪本順治、「カメレオン」製作委員会〔セントラル・アーツ=東映ビデオ=
   バップ=テレビ東京=EPICレコードジャパン=東映エージェンシー=アークエンタテインメント〕、
   2008年。
  『冷たい熱帯魚』、監督:園子温、日活、2010年。
  『アウトレイジ(OUTRAGE)』、監督:北野武、「アウトレイジ」製作委員会〔バンダイビジュアル=
   テレビ東京=オムニバス・ジャパン=オフィス北野〕、2010年。
  『アウトレイジ ビヨンド』、監督:北野武、「アウトレイジ ビヨンド」製作委員会〔バンダイ
   ビジュアル=テレビ東京=オムニバス・ジャパン=ワーナー・ブラザーズ映画=オフィス北野〕、
   2012年。
  『凶悪』、監督:白石和彌、「凶悪」製作委員会〔日活=ハピネット〕、2013年。

 いずれも直視に耐えかねる暴力のオンパレードで、気の弱い人ならば失神してしまうかもしれない。当該
映画もその例に洩れず、しかも、どこか従来とは質的に異なる暴力を描いているように見える。父親が娘の
行く末を心配する様子も一筋縄ではいかない複雑な構造をもっており、「ぶっ殺してやる」という言葉も、
憎悪ではなく愛情から発せられているのではないか。また、警察内部の恥部の描き方も半端ではなく、現実
にはあり得ないことだと思いたい。もちろん、いわゆる「悪徳警察官」は実際に存在するのだろうが、ここ
までひどいわけではないだろう。「箍(たが)が緩む」や「箍が外れる」という表現があるが、それどころ
ではなく、本質的なところで何かが破壊されているような感じがした。
 物語を確認しておこう。例によって、<Movie Walker>のお世話になろう。執筆者に感謝したい。なお、一
部改変したが、ご寛恕を乞う。

   〔解説〕

  第3回「このミステリーがすごい!」大賞に輝いた深町秋生の小説『果てしなき渇き』を、『告白』
 の中島哲也監督が映画化した人間ドラマ。ある日突然、失踪した娘の行方を捜す父親の姿を通し、関
 係が希薄になった現代の家族像を浮き彫りにする。役所広司が娘の行方を追う父親を、その娘をCMな
 どで注目の若手女優である小松菜奈が演じる。

   〔あらすじ〕

  元刑事の藤島昭和(役所広司)のもとに、ある日別れた妻の桐子(黒沢あすか)から、娘の加奈子
 (小松菜奈)の行方がわからなくなったと連絡が入る。家族を失った原因について顧みずに、理想の
 家族像を手に入れようと思い描き、なりふり構わず娘の行方を追う藤島。娘の交友関係を洗ううちに、
 成績優秀で学校の人気者だったはずの加奈子のとんでもない側面が露わになっていく……。

 他に、妻夫木聡(浅井=藤島の後輩刑事)、清水尋也(ボク=加奈子に懸想しているいじられっ子)、二
階堂ふみ(遠藤那美=加奈子の中学時代の同級生)、橋本愛(森下=加奈子の高校時代の同級生)、國村隼
(辻村=神経科の医師)、青木崇高(咲山=石丸組若頭)、オダギリジョー(愛川=大宮北署の刑事)、中
谷美紀(東里恵=加奈子の中学時代の担任)、森川葵(長野=加奈子に潰される女の子)、高杉真宙(松永
泰博=不良グループのヘッド)、星野仁(緒方=自殺した少年)、中島広稀(島津)、康芳夫(趙)、葉山
奨之(金髪の男)、渡辺大知(川本浩=コンビニの店員)、派谷恵美(愛川の妻)などが出演している。な
お、配役に関しては<ウィキペディア>を参照した。
 2本目は、『絶叫学級』(監督:佐藤徹也、「絶叫学級」製作委員会〔リバプール=集英社=名古屋テレ
ビ放送=東宝〕、2013年)である。いわゆる「ホラー映画」に分類される作品である。若い女性同士の確執
が描かれているが、『渇き。』同様「いじめ」が底流をなしており、すぐれて現代的な世界が展開している。
映像表現にも工夫があるが、素早く流れる「文字」を用いた演出は福本伸行の『賭博黙示録カイジ』(『週
刊ヤングマガジン』、講談社、1996年-1999年、連載)に通じるものがあり、恐怖感を煽っている。また、
いわゆる「便所飯」が登場しているが、その点については、『スクールカースト』(和田秀樹 著、祥伝社
黄金文庫、2013年)に詳しい分析があるので、興味のある人はそちらを参照してほしい。
 さて、物語を確認しておこう。以下、上と同様。

   〔解説〕

  漫画雑誌『りぼん』に連載中のいしかわえみによる同名コミックを、川口春奈、広瀬アリスら期待
 の若手女優を多数起用して実写映画化したホラー。とある中高一貫の私立校を舞台に、12年前に亡く
 なった少女の噂話を巡る物語が描かれる。ネガティブモデルとして人気の栗原類がミステリアスな役
 どころで映画初出演。

   〔あらすじ〕

  小学校ではクラスのアイドル的存在だった荒樹加奈(川口春奈)だが、中高一貫の私立女子校に進
 学すると、成績やスポーツなど平均的で目立たない存在になっていた。学校で人気を集めカースト最
 上位にいるのは、高見沢リオ(広瀬アリス)という子だった。ある日加奈は親友の香取絵莉花(松岡
 茉優)から、学校の旧校舎にまつわる都市伝説を聞く。それは、12年前に事故で亡くなった女の子が
 黄泉(山本美月)となって旧校舎に出て、黄泉に願いをかけると叶うがその代わりに大切なものを失
 う、というものだった。加奈はその話を聞いて、リオを思い浮かべながら、自分だったら誰よりもか
 わいくなりたいと願うと答える。加奈が軽い気持で引き受けた読者モデルの写真が雑誌に掲載された
 のをクラスの他の女子が見つけ、加奈はリオたちに目をつけられてしまう。これをきっかけに加奈の
 立ち位置は最下層となり、加奈はそんな状況を打破するために立入禁止の旧校舎に向かい、黄泉に願
 い事をしてしまう……。

 他に、波瑠(保坂まこと=美術の先生)、栗原類(後藤アキラ=リオたちの遊び仲間)、小山莉奈(山本
花音=リオの取り巻きのひとり)、池田依來紗(増田彩華=同)、松本花奈(桐谷敦子=リオたちに激しく
虐められる少女)などが出演している。
 3本目は、『長崎ブルース』(監督:鷹森立一、東映、1969年)である。いかにも「昭和」といった映画
である。「夜の歌謡シリーズ」の一環として製作された。ハスキー・ボイスで一世を風靡した青江美奈の大
ヒット曲である「長崎ブルース」(作詞:古川静夫/作曲:渡久地政信/唄:青江美奈、1968年)をベース
にして創作された物語である。ところどころ面白い部分もあるが、全体に安直さは否めず、プログラム・ピ
クチャーの典型といってよいだろう。なお、同曲の他に、「新宿サタデー・ナイト」(作詞:佐伯孝夫/作
曲:鈴木庸一/唄:青江美奈、1968年)も劇中で披露されている。
 物語を確認しておこう。以下、上と同様。

   〔解説〕

  『性犯罪法入門』の舟橋和郎が脚本を執筆し、『謝国権「愛」より (秘)性と生活』の鷹森立一が
 監督したシリーズ第五作。撮影は『現代やくざ 与太者の掟』の星島一郎が担当した。

   〔あらすじ〕

  クラブ・エリートのナンバーワン・ホスト浜崎史郎(松方弘樹)は、新宿でまだあどけなさの残る
 少年水野清志(谷隼人)を拾った。清志はテレビタレントを志望していたが、史郎の甘言に乗り、ク
 ラブのセリに出されてしまった。しかし、純情型の清志は最高値で落札され、いつしかホストとして
 の腕をあげていった。清志の姉の直美(宮園順子)が上京したのはそんな折だった。直美は清志を説
 得して長崎へ連れ戻そうとしたが、高収入の仕事(当時の普通の仕事が月給3万円、ホストの収入は
 日給8千円)を捨てようとはしなかった。直美は史郎にも懇願したが、史郎のプライドを傷つけてし
 まった。激怒した史郎は、直美に襲いかかったが、彼女の気品にふれ自分の行為を後悔した。やがて、
 史郎は清志から直美の結婚話を聞かされ、長崎に発った。そして、婚約者の布施(梅宮辰夫)に直美
 と関係のあったことを告げた。直美は布施から蔑視され、絶望の余り自殺をはかった。その直美を死
 から救ったのは史郎だった。だが、布施が復讐に燃えていると思い込んだ配下のひとり(曽根晴美)
 が、史郎に重傷を負わせた。しかし、それは布施の本意ではなかった。誠心誠意の看護を続ける直美。
 二人が婚約したのは、刺された史郎が病院に運ばれる救急車の中でのことだった。

 他に、大原麗子(荻原京子=浜崎のターゲットだった娘。大金持ちだと思い込んでいたが、実は主家の屋
敷を売り飛ばして史郎に貢ごうとしていたメイド)、青江三奈(銀子=直見の同僚)、園佳也子(直見の東
京の友人)、藤村有弘(古垣=ホストクラブの部長)、曽我町子(芳村夕起子=作家。ホストクラブの客の
ひとり))、白木マリ(秋山シズ江=同じく客のひとり)、西岡慶子(横山美佐=同)、若水ヤエ子(米倉
とみ=清志を落札した金持ち)、森秋子(清志の客のひとり)、長沢純(ホスト)、人見きよし(直見に馬
鹿にされるお客)、高宮敬二(布施の配下のひとり)、大泉滉(ボーイ)などが出演している。なお、ホス
トの指名料は、30分400円の由。パトカーが登場するが、8ナンバー(特殊車)だったので本物だろうか。
松方弘樹と梅宮辰夫の絡みはもう少し工夫してもよかったのではないか。ヤクザ同士ではないので、それも
いたしかたないか。なお、現代のホスト事情を比較的詳細に描いている作品としては、『東京難民』(監督:
佐々部清、「東京難民」製作委員会〔キングレコード=ファントム・フィルム=シネムーブ〕、2014年)が
挙げられるだろう(「日日是労働セレクト113」、参照)。
 4本目は、『こちら55号 応答せよ! 危機百発』(監督:野村芳太郎、松竹、1970年)である。こちらは、
純粋に喜劇である。当時超売れっ子のコント55号が主役を張っているというだけで、名匠野村芳太郎にして
は「ぬるい」映画だった。二人とも刑事(あるいは見習い)の役を演じているが、とても刑事には見えない。
もっとも、喜劇だから、何でもありか。
 物語を確認しておこう。以下、上と同様。

   〔解説〕

  野村芳太郎とコント55号のコンビがおりなす抱腹絶倒のサスペンス・コミック。脚本は『東京←→
 パリ 青春の条件』のジェームス三木、『影の車』、『三度笠だよ人生は』の野村芳太郎および吉田
 剛の共作である。監督は野村芳太郎。撮影は『影の車』の川又昂が担当。

   〔あらすじ〕

  萩原金助(萩本欽一)は中学時代、村の駐在である酒井大作(フランキー堺)の一人娘静子(長山
 藍子)に恋をするが、間もなく彼女は少年院の院長として転任する父親と共に九州へ去ってしまう。
 初恋はみごとに破れたが、彼女への純情を貫ぬこうと決意し、やがて刑事となり東京の城南署に赴任
 する。そこで先輩の蟹形平次郎(坂上二郎)とコンビを組んで仕事をすることになるのだが、平次郎
 は少年時代非行少年として少年院に収容されていたが、そこで酒井院長の娘静子を知ることになり、
 模範院生となって卒業後、静子をめとり今や前途有望なべテラン刑事である。このように奇しき運命
 によって結ばれた前途多難を思わせるコンビの初仕事は、管内で対立する血桜組と三日月組とのいさ
 かいから生じた三日月組の代貸松崎(財津一郎)が尻を刺されるという珍事件に始まった。犯人を追
 う二人の前にやがてチンピラヤクザの丸田修一(石立鉄男)の線が浮かび、修一の妹マユミ〔これは
 源氏名。本名は静子〕(倍賞美津子)と知りあう。そして彼女の口から修一の恋人でラーメン屋に勤
 めている三木悦子(珠めぐみ)とも知りあった金助は、修一逮捕のため悦子の勤め先のラーメン屋に
 住み込んで(一種の張込)いるうちに、マユミに好意をよせるようになってしまう。ところが、ふと
 したきっかけで平次郎の妻が初恋の人であることを知って愕然とする。その頃、単独で張込に出かけ
 た平次郎は、偶然にも修一と悦子が明日開かれるピーター(本人)のリサイタル会場で落ち合うこと
 を知り、当日二人はリサイタル会場に出かけるのだが、先手を打つように会場には血桜組と三日月組
 が待ちかまえ、修一と悦子に襲いかかる。修一と悦子の二人は必死の努力で無事逃げのび、翌日悦子
 に付き添われた修一が二人の前に自首し、事件は落着する。

 他に、皆川おさむ(オサム=蟹形夫婦のひとり息子)、由利徹(陳亀年=ラーメン屋「来々軒」の亭主)、
桜京美(稲子=陳の女房)、上田吉二郎(血桜組の親分)、土居まさる(よく喋る「七福質店」の店主)、
加藤剛(大岡越前)、たんくだん吉(血桜組のチンピラ)、いわたがん太(同)、石井均(城南署の係長)
などが出演している。現在だったら「店員募集」と書くところを、「店員入用」という貼紙があった。また、
同じような貼紙によれば、ホステスを日給3,000円で釣っていた。なお、時代劇仕様のシーンが何回か登場し、
加藤剛は町奉行(大岡越前守)の役だけで出演している。


 某月某日

 DVDで邦画の『ソロモンの偽証/後篇・裁判』(監督:成島出、「ソロモンの偽証」製作委員会〔松竹=
木下グループ=博報堂DYメディアパートナーズ=朝日新聞社=GYAO!=KDDI〕、2015年)を観た。「前篇・
事件」よりやや流れに無理があり、その分リアリティに欠けるが、十分に観客を魅了する出来に仕上がって
いると思う。もちろん、ツッコミを入れればけっこう穴があるが、それを吹き飛ばすだけの迫力があった。
少なくとも、出演者全員が魅力的に見えたことは否めない。「前篇・事件」同様、<ウィキペディア>の記事
を引用させていただく。執筆者に感謝したい。なお、一部改変したが、ご寛恕いただきたい。

   〔映画版あらすじ〕

   「後篇・裁判」

  三宅樹理(石井杏奈)は「裁判に出たい」と藤野涼子(藤野涼子)に話を持ちかける。一方、神原
 和彦(板垣瑞生)は、柏木卓也(望月歩)に電話をかけて事件現場まで呼び出したのは「本人だ」と
 いう仮説を涼子に話す。しかし、その説はあり得ないとして、涼子ら検察側は真っ先に否定した。涼
 子はいつも完璧な神原がこんな説を立てるのはおかしいと神原を警戒する。後に「本人」は柏木でな
 いとわかる。
  学校内裁判が開廷した。検察側と弁護側は証人に尋問を行い、真実を見つけるため奔走する。そし
 て閉廷日、神原が証人として召喚され、自分が柏木から電話を受けたと話す。そして柏木とゲームの
 ようなものをやり、屋上に呼び出されて行くと柏木が立っていたと真実を語る。疲れ果て、終わらせ
 て帰ろうとしたところ柏木が怒り、「帰ったら自分は飛び降りて死ぬ」と言った。だが神原は「そん
 なに死にたかったら、勝手に死ねばいい」と言って逃げた。翌日、神原は柏木が死んだことを知る。
  評決は被告人の大出俊次(清水尋也)は「無罪」という趣旨のものだった。しかし、神原は井上康
 夫判事(西村成忠)に「僕を殺人罪で裁いて下さい」と言い、責任を負おうとするが、それに対して
 涼子は、「ここにいる誰もあなたを裁くことはできない」と言う。裁判を終えた大出は神原に握手を
 求める。のちに教師となった中原(旧姓:藤野)涼子(尾野真千子)は、14歳だっただからこそでき
 た裁判を述懐し、ともに裁判を闘った生徒たちと友情を築いたことを、上野素子校長(余貴美子)に
 語り物語を締めくくるのだった。

 他に、富田望生(浅井松子=樹理の友人)、前田航基(野田健一=弁護人助手)、西畑澪花(倉田まり子=
涼子の親友、検事助手)、若林時英(向坂行夫=まり子の幼馴染み、同)、加藤幹夫(橋田祐太郎=大出の
不良仲間)、石川新太(井口充=同)、六車勇登(竹田和利=陪審員長)、大西航平(山崎晋吾=廷吏、合
気道を嗜む)、佐々木蔵之介(藤野剛=涼子の父、刑事)、夏川結衣(藤野邦子=同じく母、司法書士)、
永作博美(三宅未来=樹理の母、音楽ライター)、黒木華(森内恵美子=涼子たちの元担任教師)、田畑智
子(佐々木礼子=少年課の刑事)、塚地武雅(浅井洋平=松子の父)、池谷のぶえ(浅井敏江=同じく母)、
田中壮太郎(茂木悦男=HBSの「ニュース・アドベンチャー」のキャスター)、市川実和子(垣内美奈絵=
森内教諭の手紙を盗んだ女)、浜田学(垣内典史=美奈絵の夫)、高川裕也(大出勝=俊次の父)、江口の
りこ(大出佐知子=同じく母)、安藤玉恵(高木学年主任)、木下ほうか(楠山教諭)、井上肇(岡野校長
代理)、中西美帆(尾崎養護教諭)、宮川一朗太(柏木則之=卓也の父)、安澤千草(同じく母)、森口瑤
子(神原歩美=和彦の育ての母)、筒井巧(神原悟=同じく育ての父)、津川雅彦(小林修造=電気工事店
の経営者、目撃証人)、嶋田久作(河野良介=探偵)、松重豊(北尾教諭)、小日向文世(津崎正男=当時
の校長)、大河内浩(今野努=証人)などが出演している。
 38歳になった涼子の話を聴いた上野校長の、以下のような台詞がこの映画最高の台詞だろう。なお、耳か
ら拾った台詞なので、正確ではないことをお断りしておく。

  今日、でも、お話を聴いて、改めて思った。「こころの声に蓋をすれば、自分が見たいものしか見
 えなくなるし、信じたいことしか信じられないようになる。そこが一番恐いことなんだな」って。

 この映画を観ながら、小生もいろいろ考えさせられた。そして、中学生だった頃のことを思い出した。柏
木のように思い詰めたこともあるが、結局は涼子や神原のように生きてきた。自分を誤魔化す術を十二分に
身につけて……。


 某月某日

 DVDで邦画の『ソロモンの偽証/前篇・事件』(監督:成島出、「ソロモンの偽証」製作委員会〔松竹=
木下グループ=博報堂DYメディアパートナーズ=朝日新聞社=GYAO!=KDDI〕、2015年)を観た。宮部みゆ
きの原作は読んでいないが、400字詰原稿用紙4,700枚の大作らしい。機会があれば、読んでみたい。<ウィ
キペディア>に映画についての記事があるので、とりあえずそれを引用させていただく。執筆者に感謝した
い。なお、一部改変したが、ご寛恕いただきたい。

  映画『ソロモンの偽証』:2015年3月7日公開の「前篇・事件」と4月11日公開の「後篇・裁判」の2
 部作で公開された。監督は成島出。本作でデビューし、役名を芸名とした主演の藤野涼子をはじめ、
 生徒役となる主要出演者はオーディションによって演技経験を問わず選定され、本作が初出演作とな
 った者も少なくない。第40回報知映画賞と日刊スポーツ映画大賞で作品賞を得たほか、藤野も新人俳
 優賞を受賞した。

   〔映画版あらすじ〕

   「前篇・事件」

  38歳の教師・中原涼子〔旧姓・藤野〕(尾野真千子)は母校の江東区立城東第三中学校に赴任し、
 新任校長の上野素子(余貴美子)の求めに応じて、同校で「伝説」となっている、23年前涼子が中心
 人物として行った「校内裁判」の顛末を語り始める。
  バブル経済崩壊直前の1990年、大雪が降ったクリスマスの朝、2年A組の藤野涼子(藤野涼子)と
 野田健一(前田航基)は校舎脇で雪に埋もれた同級生の柏木卓也(望月歩)の遺体を発見する。その
 死は屋上からの飛び降り自殺と断定されたが、刑事を父に持つ涼子や学校宛に、卓也は大出俊次(清
 水尋也)ら3人の不良生徒に殺害されたとする「告発状」が届く。当時の校長の津崎正男(小日向文
 世)は、担当刑事の佐々木礼子(田畑智子)と話し合い、告発状の存在を明らかにしないままカウン
 セリングと称し生徒の聞き込みをして送り主の生徒を特定しようとする。実は告発状は涼子の同級生
 である三宅樹理(石井杏奈)と浅井松子(富田望生)が共謀して送りつけたもので、佐々木らはその
 事実に近づきつつあった。一方、涼子は卓也の生前、俊次らが樹理たちをいじめ暴力を振るう場面を
 目撃しながら怖くて見て見ぬふりをしようとしたこと、それを卓也に見つかり、学級委員として日々
 いじめ廃絶を訴えていながら行動しない態度を「口先だけの偽善者」と痛罵されたことを気に病む。
  しかし、涼子たちの担任である森内恵美子(黒木華)に送られた分の告発状が破られ捨てられてい
 たものが、事件のもみ消しを図った証拠と称してテレビ局に送りつけられ、告発状の内容は大々的に
 報道される。犯人と名指しされた俊次らは不登校に追い込まれる。森内は告発状の受け取りを否定す
 るが、マスコミや職員室での追求に耐えられず退職し、佐々木のアドバイスで調査会社に依頼して、
 マンションのポストから彼女の郵便物を盗んでいた隣人〔垣内美奈絵〕(市川実和子)の存在を知る。
 保護者会では学校への批判が相次ぐが、佐々木はこの告発状の内容が虚偽である可能性が高いことを
 指摘する。帰宅した母親〔浅井敏江〕(池谷のぶえ)から、保護者会で告発状が虚偽と納得されてし
 まったことを聞いた松子は、樹理に会うため、雨の中、家から走り出て車道に飛び出したところを、
 走ってきた車にはねられて死亡。樹理はショックのため声が出なくなり、津崎校長は一連の出来事の
 責任を取り辞任する。問題の追及が大人たちの思惑でうやむやになってゆく中で涼子は3年生に進級
 し、卓也の言葉や二人の同級生を失う一連の出来事に思い悩み続け、自殺すら考える。
  しかし、マスコミの興味本位の報道に振り回され、一向に明らかにならない真実に業を煮やした涼
 子は、自分たちの力でこれを追求する決意をする。卓也の友人だった他校生の神原和彦(板垣瑞生)
 との出会いから、涼子は事件の追及を裁判の形式で行うことを思いつくが、先生たちの強い反対を受
 ける。だが、話し合いの中で涼子が激昂した高木学年主任(安藤玉恵)に暴力を受けた騒動を奇貨と
 して、裁判開催を認めさせることに成功する。また、生徒らに力を貸すため、彼らに理解を示すベテ
 ラン教師の北尾(松重豊)が退職して後押しをする。以降、生徒らは涼子を中心とする検察側が樹理
 らの告発を信じ、和彦を中心とする弁護側が俊次の無実を信じて裁判準備を進め、判事と陪審員によ
 る裁定を自分たちのみで行うために奔走する。

 他に、西畑澪花(倉田まり子=涼子の親友)、若林時英(向坂行夫=まり子の幼馴染み)、西村成忠(井
上康雄=学年一の秀才、後の判事役)、加藤幹夫(橋田祐太郎=大出の不良仲間)、石川新太(井口充=同)、
佐々木蔵之介(藤野剛=涼子の父、刑事)、夏川結衣(藤野邦子=同じく母、司法書士)、永作博美(三宅
未来=樹理の母、音楽ライター)、塚地武雅(浅井洋平=松子の父)、田中壮太郎(茂木悦男=HBSの記者)、
高川裕也(大出勝=俊次の父)、江口のりこ(大出佐知子=同じく母)、木下ほうか(楠山教諭)、井上肇
(岡野=校長代理)、中西美帆(尾崎=養護教諭)、宮川一朗太(柏木則之=卓也の父)、浜田学(垣内典
史=美奈絵の夫)、嶋田久作(河野良介=探偵)などが出演している。
 小生は、中学2年生の時、ナポレオンやヒトラーを裁く歴史裁判戯曲を執筆し、学芸会(あるいは、卒業
生を送る会だったか)で公演することを企画立案したが、その戯曲を読んだ女性教師に阻まれたことがある。
「過激すぎるから」という理由だったと思う。この映画を観て、そんな古い記憶を呼覚ました。何十年もま
ったく忘れていたので、どこか懐かしい感じがした。また、村上龍の小説『希望の国のエクソダス』を連想
した。この作品も、大人社会に反撥する中学生が主人公である。その他、『台風クラブ』(監督:相米慎二、
ディレクターズ・カンパニー、1984年)、『ブラックボード』(監督、新藤兼人、地域文化推進の会=電通=
近代映画協会、1986年)、『バトル・ロワイアル 特別篇』(監督:深作欣二、「バトル・ロワイアル」製作
委員会〔東映=アム アソシエイツ=広美=日本出版販売=MFピクチャーズ=WOWOW=ギャガ・コミュニケ
ーションズ〕、2001年)、『バトル・ロワイアルII 【特別篇】REVENGE』(監督:深作欣二/深作健太、東
映=深作組=テレビ朝日=WOWOW=ギャガ・コミュニケーションズ=日本出版販売=TOKYO FM=セガ=東映
ビデオ=東映エージェンシー、2003年)などが参考作品として挙げられるだろう。中学生が主人公の映画作
りはとかく困難が予想されるが、当該作品はその壁を見事に破っていると思う。とくに、主人公役と同じ名
前をそのまま芸名にした(過去の例では、三國連太郎や早乙女愛が挙げられる)藤野涼子の芯の強さの描き
方は特筆に値する。
 さらに、映像手法として、『運命じゃない人』(監督:内田けんじ、PFFパートナーズ=ぴあ=TBS=TOKYO
FM=日活=IMAGICA、2004年)や『桐島、部活やめるってよ』(監督:吉田大八、「桐島、部活やめるってよ」
製作委員会〔日本テレビ放送網=集英社=読売テレビ放送=バップ=DNドリームパートナーズ=アミューズ=
WOWOW〕、2012年)を直ちに連想した。同じ場面を別の角度から撮った場面に直して繰り返す手法である。
上記の『運命じゃない人』を観たときは驚いたが、この手法は今後多用されるのではないか。
 さて、当然のごとく、「後篇・裁判」が楽しみになってきた。それについては、稿を改めて言及したい。


 某月某日

 DVDで邦画を4本観たので、報告しよう。1本目と2本目は、アニメの『クレヨンしんちゃん/ブリブリ
王国の秘宝』(監督:本郷みつる、シンエイ動画=ASATSU=テレビ朝日、1994年)と『クレヨンしんちゃん/
雲黒斎の野望』(監督:本郷みつる、シンエイ動画=ASATSU=テレビ朝日、1995年)である。それぞれ、シ
リーズ第2弾と第3弾である。物語はまったく異なるが、しんちゃんは相変わらず「らしさ」を発揮して大
活躍である。その他のキャラ(とくに、みさえ・ひろしの夫婦)も、それなりのいい味を出している。これ
は余談だが、スペインでは、坊主狩りの日本人に出遭うと、「しんちゃん」と呼ぶそうである。当該アニメ
がスペインにも進出していることの証である。
 両者ともに、物語を確認しておこう。例によって<Movie Walker>のお世話になる。執筆者に感謝したい。
なお、一部改変したが、ご寛恕を乞う。

   〔解説〕

  (第2弾)南の島のブリブリ王国を舞台に、王国の秘宝を巡るパニックに巻き込まれる幼稚園児し
 んちゃんを描く、人気アニメシリーズの劇場版オリジナル長編第2弾。監督は前作と同じく本郷みつ
 る。TVアニメも放映中の臼井儀人の原作(双葉社・刊)をもとに、本郷みつると原恵一が脚本を担
 当。
  (第3弾)おなじみマセた幼稚園児・しんちゃんが活躍する、人気コミックの映画化第3弾。今回
 は野原一家が戦国時代へタイム・スリップして謎の怪人物・雲黒斎に戦いを挑む。監督は前2作の監
 督・脚色も担当している本郷みつる。

   〔あらすじ〕

  (第2弾)野原家の嵐を呼ぶ幼稚園児であるしんのすけ(声:矢島晶子)は商店街の福引を当て、
 ひろし(藤原啓治)、みさえ(ならはしみき)の両親と共にゴールデン・ウィークは南の島のブリブ
 リ王国へ。だがそれは王国の秘宝を狙う秘密結社ホワイトスネーク団の罠だった。何と誘拐されたス
 ンノケシ王子(山田妙子)と瓜二つだったしんちゃんは、親衛隊の美人少佐ルル・ル・ルル(紗ゆり)
 の努力にもかかわらず、ホワイトスネーク団の参謀ミスター・ハブ(中田浩二)とおかまの部下ニー
 ナ(屋良有作)とサリー(塩沢兼人)に連れ去られる。王子としんちゃんは秘宝の扉を開けるために
 利用され、ホワイトスネーク団のボス、アナコンダ伯爵(富田耕生)は遂に何でも願いをかなえてく
 れるブリブリ魔人(加藤精三)を手に入れた。だが相変わらずのマイペースのしんちゃんのおかげで、
 アナコンダ伯爵やミスター・ハブの野望は崩れ、ブリブリ魔人、黒魔人(納谷六朗)と共に秘宝も海
 の藻屑に。王子と王国の平和も保たれ、しんちゃんたちも素敵な歓待を受ける有意義な休日となった。
  (第3弾)タイム・パトロール隊員のリング・スノーストーム(佐久間レイ)は戦国時代での異常
 をキャッチするが、何者かによって攻撃を受け、1995年の世界に不時着する。そこが野原家の地下だ
 ったことから、身動きの取れないリングはシロ(真柴摩利)に発信器を装着し、野原一家に協力を求
 めた。時間犯罪者の破壊活動を阻止するために立ち上がったしんちゃん(矢島晶子)は、両親(なら
 はしみき/藤原啓治)とシロと共に戦国時代へタイム・スリップ。そこで、伝説の救世主・三人と一
 匹を待っていた吹雪丸(浦和めぐみ)という少年剣士に出会ったしんちゃんたちは、雲黒斎(加藤精
 三)によって殺された吹雪丸の両親の敵討ちの旅に出発する。道中、みさえのバッグを盗まれたり、
 又旅猫之進(戸谷公次)の攻撃にあったり、みさえとひろしを玉の中に封入されたりという目にあい
 ながらも、しんちゃんは出発前にリングに貰ったタイム・スーツの変身機能を駆使して吹雪丸をサポ
 ートするのだった。だが、フリードキン珠死朗(玄田哲章)との戦いの時に、吹雪丸が実は女の子で
 あったという事実が発覚し、少なからずショックを受けてしまう。何とか黒雲斎の城内に潜入したし
 んちゃんたちは一気に天守閣へ向かい、お銀(萩森じゅん〔人偏に旬〕子)と激闘を繰り広げる。勝
 負には勝ったものの、その戦いで体の機能を麻痺させられてしまった吹雪丸は、宝刀・第七沈々丸を
 しんちゃんに委ね、その場に倒れた。しんちゃんはタイム・スーツで大人しんちゃんに変身すると、
 雲黒斎の正体を30世紀の歴史マニア、ヒエール・ジョコマン(富山敬)と見破り、第七沈々丸を振り
 回して敵に向かっていった。からくもヒエール・ジョコマンを倒したしんちゃんによって、玉に封入
 されてしまっていた吹雪丸の妹(実は弟)である雪乃(水谷優子)やみさえとひろしも元の姿に戻り、
 歴史の歪みも修正される。別れを惜しみながらリングの用意したタイムマシンで現代に帰還する野原
 一家だったが、そこに待っていたのは懐かしの我が家ではなく、趣味の悪いサイケな我が家であった。
 浦島太郎状態の野原一家は、それが20世紀に逃げ込んだヒエール・ジョコマンの仕業であることをテ
 レビで知る。またもやリングの協力を求められた野原一家は、再びヒエール・ジョコマンの潜む雲黒
 城へ乗り込み、最後の戦いを挑んだ。ヒエール・ジョコマンの操縦するロボットとしんちゃんの深層
 心理が生み出したカンタム・ロボの壮絶な戦いが展開。しかし力を合わせた野原一家の活躍によりヒ
 エール・ジョコマンは倒され、世界には今度こそ本当の平和が取り戻されるのであった。

 他に、(第2弾)宮内幸平(王様)、小宮悦子(本人)、高田由美(よしなが先生)、真柴摩利(かざま
くん)、林玉緒(ネネちゃん)、佐藤智恵(ボーちゃん)、鈴木れい子(おばちゃん)、笹岡繁蔵(隊長)、
坂東尚樹(警備兵1)、山崎巧(同じく2)、掛川裕彦(同じく3)、結城比呂(ディレクター)、こおろ
ぎさとみ(子ザル)などが出演している。
 (第3弾)大塚芳忠(髭の浪人)、林玉緒(ネネ)、鈴木みえ(マサオ)、佐藤智恵(ボーちゃん)、納
谷六朗(園長先生)、高田由美(よしなが先生)、富沢美智恵(まつざか先生)、京田尚子(店長)、茶風
林(団羅左エ門)、山口勝平(ジョン青年)、希代桜子(中村)などが出演している。
 例によって、しんちゃんの言い間違いの事例を以下に挙げておこう。なお、しんちゃんの好きな言葉は、
「ビビンバ・クッパ」である。

   〔第2弾〕

  ○ アイビキ300グラム → アイジン300人
  ○ 事実は小説より奇なり → ジジィはひょうさつよりいきなり
  ○ アンコール → マンホール
  ○ 大人げないぞ → オマタケないぞ

   〔第3弾〕

  ○ 発進準備完了 → 発進準備かんちょー
  ○ 似合うぞ → におうぞ

 ……などである。なお、未来の電波は可視化に成功しており、肉眼で見える。これは面白い発想だと思っ
た。ついでに、放射性物質も可視化に成功すればいいのに……。
 3本目は、『青春の構図』(監督:廣瀬襄、松竹、1976年)である。曽野綾子原作の青春映画で、懐かし
い面々に出会えた。「殺す」という意味の英語として、《kill》の他に《murder》、《genocide》、《as-
sassin》などが挙げられていたが、他にも、《slaughter》、《slay》、《butcher》、《homicide》などが
ある。これは、《commit suicide》「自殺する」を引き出すための枕になる場面で、いかにもの演出であっ
た。なお、「女子バスケットボール部員募集」のポスターに、『がきデカ』のこまわり君が描かれていた。
こういうところにも時代を感じる。
 物語を確認しておこう。例によって<Movie Walker>のお世話になる。執筆者に感謝したい。なお、一部改
変したが、ご寛恕を乞う。

   〔解説〕

  三人の女子大生が、スポーツに、恋に、ライバル意識を燃やしながら少女から大人へと成長してい
 く様を描いた青春映画。原作は曽野綾子の同名小説。脚本は『はだしの青春』の石森史郎、監督は脚
 本も執筆している『スプーン一杯の幸せ』の廣瀬襄、撮影は『夜霧の訪問者』の小杉正雄がそれぞれ
 担当。

   〔あらすじ〕

  明昭大学二年の谷口美穂(岡田奈々)と浅井洋子(秋野暢子)は、かつて高校時代のバスケット部
 でチームメイトであった吉川ケイ(早乙女愛)が、現在も女子体育大のバスケットの女王として大活
 躍なのに刺激され、キャプテンの美穂をモデルにしてポスターを作って部員の大募集を行った。集っ
 たのはチャーミングな美穂に惹かれた“心情私設応援部員”の男子学生が圧倒的に多かったが、何と
 か定員に達し、坂口吾郎監督(坂上二郎)を中心に特訓が始まり、マネージャーの洋子も急に忙しく
 なった。しかし、美穂には、急死した父の後を継いだガソリンスタンドの社長としての仕事があった。
 本来なら兄の守夫(森田健作)が継ぐはずなのだが、獣医を目指している守夫は動物以外には関心を
 示さない。洋子はそんな守夫の純粋さに好意を寄せていた。一方、美穂は同学年で、毎日純白のスポ
 ーツカーで通学し、学問もスポーツも万能な堀亘(加納竜)に淡い恋心を抱いていたが、彼の行動は
 謎に包まれていた。そんなある日、美穂の店の真ん前に新しいガソリンスタンドが建設されることに
 なり、美穂たちは深刻になった。明昭大バスケット部は、新潟へスキーに出かけた。そして、そこで
 美穂は堀に会った。だが、堀はなぜか冷たい態度をとるのだった。美穂が白銀のスロープにシュプー
 ルを描いて滑降していた時、雑木林の中にケイが倒れているのを発見した。ケイの命はとりとめた。
 彼女の父である吉川和幸(渥美国泰)も、堀も駈けつけた。実業家の吉川は、堀を見込んでケイと結
 婚させようとしており、彼女も堀を愛しているのだが、ままならず、堀の愛を確かめるべく狂言自殺
 を仕組んだのだった。やがて、ガソリンスタンドの建設が始まり、美穂たちは抗議に行くが、経営者
 は吉川で、支配人が堀であると知って一同驚く。しかし、美穂は、吉川、堀たちの挑戦を受けて立つ、
 と啖呵を切った。そんな美穂の生き方に「金がすべてを支配する」という自分の人生哲学を恥じた堀
 は、吉川の説得を振り切り、南米に行く決心をした。そして、自分の過去を美穂に打ち明けた。父の
 啓蔵(桜井センリ)はギャンブル依存症であること、母のしず(馬淵晴子)はボロアパートでわびし
 く暮ししていること、かつて卑怯なやり方で吉川に近づき、ケイと愛のない結婚をしようとしたこと
 などを……。大学対抗バスケット選手権大会が開催され、明昭大対女子体育大の試合が行なわれてい
 た。その上空を、堀を乗せたジェット機が南へ向って飛んで行った。

 他に、いけだももこ(藤村綾=女子体育大のコーチ)、南利明(浅井留吉=洋子の父)、上月佐知子(同
じく母)、犬塚弘(二宮教授)、坂上大樹(望月三郎=女子バスケットボール部のマネージャー志願の学生)、
鶴間エリ(白鳥由紀=美穂たちの同級生)、佐野浅夫(岩松薫=ガソリンスタンドの従業員)、大和田獏(カ
ップルの片割れ)、松崎しげる(京寿司の店員)などが出演している。
 4本目は、『はいからさんが通る』(監督:佐藤雅道、東映、1987年)である。大和和紀原作のコミック
の映画化作品である。当時、主演の南野洋子の人気は絶大だったようだ。なお、彼女は、斉藤由貴や浅香唯
とともに「スケバン刑事」シリーズで活躍している。
 物語を確認しておこう。以下、上と同じ。

   〔解説〕

  大正後期、お転婆でハイカラな女の子が許婚の青年軍人と出逢い、繰りひろげる恋と冒険を描く。
 大和和紀原作の同名漫画の映画化で、脚本は『シャコタン・ブギ』の西岡琢也が執筆。監督は『いと
 しのエリー』の佐藤雅道、撮影は『スケバン刑事』の大町進がそれぞれ担当。

   〔あらすじ〕

  大正七年、初春。お転婆娘の花村紅緒(南野陽子)は、伯爵・伊集院家へ行儀見習いに行くことに
 なった。扉が開かないので塀を乗り越えようとしたところ、馬の背に乗り振り落されてぬかるみに落
 ちてしまった。それを見て笑う軍服姿の青年は、紅緒の許婚・伊集院忍(阿部寛)だった。何も知ら
 ない紅緒はびっくり。それは忍の祖母と紅緒の祖父が決めたものだった。料理・裁縫など奥女中・如
 月(野際陽子)のシゴキが始まった。ある日紅緒が洗濯物を干していたら伯爵(丹波哲郎)が来て、
 それを地面に叩き落とした。女の物を男の物の上に干したのが気にくわなかったのだ。怒った紅緒は
 伯爵を剣道で負かしてしまった。数日後、紅緒は忍と街へ出かけたが、買い物の途中彼が芸者の吉次
 (松原千秋)と親しく話しているのを見て苛立った。ヤケ酒を飲み酔っ払った紅緒は酒場で軍人相手
 に大暴れ。忍が止めに入ったが、「冗談倶楽部」という雑誌では彼が悪者になってしまい、忍は小倉
 の部隊へ左遷になった。芸者は忍の死んだ友人の恋人で、忍は紅緒に「小倉から戻ったら式をあげま
 しょう」と言った。しかし、忍の部隊はそのままシベリアヘ送られた。「無事に帰って」という紅緒
 の願いも空しく忍は消息を絶った。復員した部下の鬼島軍曹(本田博太郎)の話では、忍はロシア兵
 の銃剣に倒れたという。忍は生きていると信じて疑わない紅緒は「彼が帰って来るまで律集院家に置
 いて下さい」と伯爵に頼んだ。その間紅緒は「冗談倶楽部」で働くことになった。大正十一年、冬。
 紅緒は編集長の青江冬星(田中健)から結婚を申し込まれた。しかも伯爵夫妻からは「忍のことは忘
 れて幸せな結婚をしなさい」と言われた。紅緒は気持をハッキリさせるため、忍の生死を確かめよう
 とシベリアへ立った。だが、忍に似た日本人という噂の男は別人だった。帰国した紅緒は青江と結婚
 することを決めた。ところが、式の当日、忍が帰って来た。鬼島が式場へ走るが、すれ違いで紅緒に
 会えない。青江と紅緒が誓いの言葉を述べようとしたとき、大震災が起こり式は流れてしまった。青
 江は運命と諦め、紅緒は忍と再会した。

 他に、河原崎長一郎(花村少佐=紅緒の父)、柳沢慎吾(牛五郎=紅緒の子分の俥屋)、千石規子(花村
家のあごなしばあや)、木村元(印念中佐)、早川雄三(青江の父)、風見章子(伊集院夫人)、篠山葉子
(北小路環)、鈴木瑞穂(河内大佐)などが出演している。青江編集長の部屋に日本地図が飾ってあったが、
北海道の左隣に台湾が描かれていた。日本の植民地(領土)だったからだろう。


 某月某日

 DVDで邦画を3本観たので、報告しよう。1本目はファンタジー、2本目はドキュメンタリーであるが、
どちらも同じくらい切ない物語だった。もっとも、3本目は「脱力系おバカ」アニメーションなので、うま
くバランスがとれたようだ。
 1本目は、『玩具修理者』(監督:はくぶん、キューフロント=バンダイビジュアル=テンカラット=電
通=キュームービー、2001年)である。小林泰三(やすみ)の原作は読んでいないが、その存在は以前から
知っていた作品である。映画化されていることは知らなかったが、中古のセルDVDを発見して、思わず購
入した。最大の理由はその題名にある。何やらポエジーを感じるからである。原作は、1995年に第2回日本
ホラー小説大賞短編賞を受賞しているが(ウィキペディアより)、いわゆるホラーではなく、やはりファン
タジーに含めるべき作品だと思う。もちろん、機会があれば原作を読んでみたい。
 物語を確認しておこう。例によって<Movie Walker>のお世話になる。執筆者に感謝したい。なお、一部改
変したが、ご寛恕を乞う。

   〔解説〕

  小林泰三の原作小説を、田中麗奈主演で映像化したファンタジー・ドラマ。アンティーク玩具店を
 舞台に、“ココロ”の存在価値を巡る物語がノスタルジックな空間の中で展開。

   〔あらすじ〕

  アンティーク・トイが並ぶおもちゃ屋に、サングラスをかけた若い女性(田中麗奈)がやって来た。
 彼女は、店で働く少年(忍足修吾)に自らの幼い頃のおもちゃにまつわる不思議な想い出を語って聞
 かせる。それは、どんなおもちゃでも必ず直してくれた玩具修理者(姿月あさと/〔声〕三輪明宏)
 の話。「ようぐそうとほうとふ」……修理の際、そう呟くことから子どもたちに「ようぐそうとほう
 とふ」と呼ばれていたその人物は、しかしどこをどう直して欲しいか頼んだ通りにしか修理してくれ
 ない上、幾つものおもちゃを一遍に直すので時々違う部品が混じることがある。ある夏の日、まだ赤
 ん坊の弟(栗原勇希/猪股星哉)のお守りをしていた彼女が誤って弟を死なせてしまった。弟を生き
 返らせることは出来ないか? 悩んだ末、友人(雨野美咲)が死んだ猫をようぐそうとほうとふの所
 へ持って行ったことを想い出した彼女は、弟の亡骸を修理者の元へ持参すると、怪我をした自分の右
 目とともに修理を依頼する。それから暫くして、彼女が意識を取り戻すと弟も自分の目も直っていた。
 しかし、彼女は弟を成長するように頼んでいなかった。不審に思う両親の目を盗んで再度修理を頼む
 彼女。やがて、両親が交通事故で死亡したのをきっかけに、ふたりは離れ離れに暮らすことになった。
 それから十数年、弟がちゃんと成長しているか気になった彼女は弟を捜して少年の働くおもちゃ屋に
 辿り着いた。そう、彼女の弟とは少年だったのだ。そして、人間らしく成長している弟を見て安心す
 る女。だが、彼女の目は猫の目だった!

 他に、麿赤兒(岩井=玩具店の修理担当)、大平奈津美(女の少女時代)、上田和範/上田将範(ようぐ
そうとほうとふが仕事をしている現場を覗き込む双児)、矢野としこ(おばさん)が出演している。映像は
なかなかのものだったが、もう少し役者の演技に磨きがかかっていたら、もっとよい作品になったと思う。
また、宝塚出身の姿月あさとが出演しているが、顔を見せないので少しもったいなかった。小生は、彼女の
ファンなので……。
 2本目は、『幸せな時間』(監督:横山善太、「幸せな時間」製作委員会、2011年)である。丸山忠吾・  
丸山サチ子夫婦の静かに流れる時間を孫の武井彩乃がホーム・ヴィデオで撮影したドキュメンタリー。横山
善太が監督としてそれをまとめている。サチ子は、軽い認知症、忠吾は癌を患うが、二人ともその事実を真
正面から受け止め、坦々と生きている。サチ子は「彩乃」の名前を思い出せなくなるが、それも仕方がない。
忠吾は普通の食事ができなくなり、自宅で簡単に点滴ができるように皮膚の下にIVHポートを埋め込まれ
ている。結局、忠吾は亡くなるが、サチ子は黙ってそれに耐えている。飾りを斥けた演出が見事である。

  IVHポートについて(<YAHOO! JAPAN 知恵袋>より)

   Q:CVポートとIVHポートの違いはなんですか……? 股関節から点滴をいれるタイプです。
   A:CVは《central venous nutrition》の略で「中心静脈」で経路を示します。IVHは《intravenous
     hyperalimentation》の略で、訳すと「中心静脈高カロリー輸液(法)」です。ちなみに体外式
     (ブロビアックカテーテル)、埋め込み式(ポート)のどちらもCVと言うことになります。言葉
     にするとCVはルートの経路を表し、IVHは点滴で濃い栄養液を血管内に投与する方法です。
     看護師の方でも結構違いが分からない方が多く、皆さん間違って言葉を使用しています。

 なお、高齢者介護に関しては、以下の本が参考になる。

   『体験ルポ 世界の高齢者福祉』、山井和則 著、岩波新書、1991年。
   『体験ルポ 日本の高齢者福祉』、山井和則/斉藤弥生 著、岩波新書、1994年。

 3本目は、『クレヨンしんちゃん/アクション仮面VSハイグレ魔王』(監督:本郷みつる、シンエイ動
画=ASATSU=テレビ朝日、1993年)である。原作(臼井儀人)やTVアニメは観たことがあるが、劇場版の
映画「クレヨンしんちゃん」シリーズの鑑賞は初めてである。予想通りの展開で、それなりに面白かった。
 物語を確認しておこう。例によって<Movie Walker>のお世話になる。執筆者に感謝したい。なお、一部改
変したが、ご寛恕を乞う。

   〔解説〕

  幼稚園児のしんちゃんがアクション仮面を助けてハイグレ魔王を倒す活躍を描くギャグ・アニメ。
 TV放映中の臼井儀人原作による人気漫画(双葉社・刊)の初の劇場用アニメ化で、監督は『21エモ
 ン 宇宙いけ!裸足のプリンセス』の本郷みつる。脚本はもとひら了が担当。

   〔あらすじ〕

  しんのすけとその両親、みさえとひろしの家族三人は、海岸で不思議なアトラクション館に足を踏
 み入れるが、外に出た時、周囲は何とTV番組さながら悪のハイグレ魔王と腹巻きレディ、Tバック
 男爵らの一味が侵略を開始し騒然となっていた。そこは実はしんのすけたちが住んでいる世界と瓜二
 つの別の世界。しんのすけは駄菓子屋でアクション仮面スナックの幻のナンバー99のカードを引き当
 てたので、アクション戦士に選ばれたのだった。だがしんのすけはアクション仮面を呼ぶアクション・
 ストーンをアメ玉と間違えて飲み込んでしまう。町の人々を皆ハイグレ姿にしていく敵はしんのすけ
 を狙うが、しんのすけはいつものマイペースでそれをかわし、遂にアクション仮面を呼び寄せること
 に成功する。そしてアクション仮面としんのすけの活躍で、別の世界にも再び平和が訪れるのだった。

 声の出演(ウゥキペディアを参照)は、以下の通りである。矢島晶子(野原しんのすけ)、ならはしみき
(野原みさえ)、藤原啓治(野原ひろし)、真柴摩利(風間くん/シロ)、林玉緒(ネネちゃん)、鈴木み
え〔現 一龍斎貞友〕(まさおくん)、佐藤智恵(ボーちゃん)、高田由美(よしなが先生)、富沢美智恵
(まつざか先生)、納谷六朗(園長先生)、滝沢ロコ(副園長先生)、茶風林(団羅座也)、京田尚子(駄
菓子屋のお婆さん)、荒川太郎〔現 荒川太朗〕(肉屋)、玄田哲章(アクション仮面)、小桜エツ子(桜
ミミ子/リリ子)、増岡弘(北春日部博士)、中田和宏(代役アクション仮面)、青野武(スケルトン教授/
ゾンビリビー)、山口健(監督)、沼田祐介(助監督)、坂東尚樹(スタッフA)、郷里大輔(Tバック男
爵)、井上瑤(ハラマキレディA)、渡辺久美子(ハラマキレディB)、稀代桜子(ハラマキレディC)、
野沢那智(ハイグレ魔王)など。
 独創的な部分とパクリの絶妙なる混淆がこの作品の命であろう。また、「めでたし、めでたし」を「でめ
たし、でめたし」と、しんちゃんが言い間違えるところに面白さの肝がある。題名にもある「ハイグレ」は、
もちろん「ハイレグ」の言い間違いである。その他、「リラックス→デラックス」、「がっかり→ちゃっか
り」、「感激→突撃」、「出発進行→出発お新香」、「変形→変態」などの言い間違いが登場した。小生の
妻は、幼児の頃「テレビ」を「テベリ」と言っていたそうなので、けっこう普遍的な傾向なのだろう。最近、
一連の「月光仮面」シリーズを観たが、当該作品のアクション仮面同様、登場時や勝利時に高笑いをする。
これも、一種のお約束になっているのだろう。


 某月某日

 DVDで邦画を2本観たのでご報告。「月光仮面」シリーズ(全6本)のうちの最後の2本である。もう少
しシリーズが続いてもよかろうと思うが、TVで散々放映されているので、飽きられてきたのかもしれない。
なお、1981年に『月光仮面』(監督:澤田幸弘、プルミエ・インターナショナル=ヘラルド・エンタープラ
イズ、1981年)が公開されているが、小生は未見である。
 さて、1本目は『月光仮面/幽霊党の逆襲』(監督:島津昇一、東映東京、1959年)である。以前にも書
いたことがあるが(『女番長ブルース・牝蜂の逆襲』、監督:鈴木則文、東映京都、1971年)〔「日日是労
働セレクト116」、参照〕、「幽霊党」はシリーズ初登場なので、「逆襲」というタイトルは飾りにすぎ
ない。
 物語を確認しておこう。例によって<Movie Walker>のお世話になる。執筆者に感謝したい。なお、一部改
変したが、ご寛恕を乞う。

   〔解説〕

  おなじみ「月光仮面」シリーズの一篇。川内康範の原作を、『月光仮面/怪獣コング』の織田清司
 が脚色、新人島津昇一が監督した。撮影は『地獄の底までつき合うぜ』の西川庄衛。

   〔あらすじ〕

  大豪雨の夜、東都大学の地質学研究室で鈴木博士(齋藤紫香)が絞殺され、助手の藤田(成瀬昌彦)
 も姿を消した。翌朝、祝十郎探偵(大村文武)は袋五郎八(柳谷寛)を連れて現場へ急行した。博士
 のメモには電話番号(48-6072:当時、まだ東京の局番は2桁だった)が記されていた。メモ
 に書かれた電話主は鉱脈を探す山師の大岡鉄蔵(佐々木孝丸)とわかるが、彼は鈴木博士との関係を
 否定した。しかし大岡の娘はる子(山東昭子)から、大岡が重大な鉱石の鑑定を博士に依頼したこと
 を聞いた。一方行方不明となっていた藤田が精神異常の状態で帰宅した。しかもその腕には“幽霊党”
 と記されていた。心霊学者の鷹の羽道寛(岡譲司)を訪ねた祝探偵は、そこで催眠術によって藤田助
 手が口を封じられたことを知った。しかも、それほどの術を使う者は、戦時中満州で最後をとげた竹
 林賢法しかいないとのことだ。その夜、黒覆面の一団が大岡家を襲い、娘はる子を連れ去ろうとした。
 そこへ月光仮面が現われた。その早業によって、はる子は危いところを救われた。しかし、大岡は幽
 霊党の襲撃を恐れ姿を隠した。執拗に大岡を求めてやまない幽霊党は、はる子に魔手をのばし、月光
 仮面の活躍も手榴弾にはばまれて遂に捕われてしまった。一方、幽霊党の求める鉱脈(ウラン鉱脈)
 が三ツ峰峠にあることを知った祝探偵は、幽霊党一味に化け彼らのアジトに潜入するが、党首に見破
 られ監禁されてしまった。幽霊党ははる子を救うべく現われた大岡を引き立てて三ツ峰峠へと出発し
 た。その時、転落したと思われた月光仮面が現われた。しかし、党首が配下のおりん(藤里まゆみ)
 に命じて月光仮面を落し穴に落とした。その後、一大音響とともに一味のアジトは爆破された。今は
 用のなくなった大岡親娘の胸に拳銃が突きつけられた。その瞬間、銃声とともに勇姿を見せたのは月
 光仮面であった。急報で駈けつけた刑事たちと幽霊党の乱戦、月光仮面と一味の党首の一騎討。そし
 てはぎとられた首領の覆面から現われた顔は、意外や意外、鷹の羽道寛だった。

 他に、若水ヤエ子(カボ子=祝十郎探偵の助手)、風間杜夫(繁少年)、黒瀬千代子(木の実)、岡譲司
(竹林賢法/鷹の羽道寛)、山口勇(幽霊党輩下A)、萩原満(同じくB)、潮健児(同じくC)、増田順
司(松田警部)、香山光子(直子=藤田の妹)、安藤三男(杉山刑事)、久保一(野村刑事)、岩上瑛(長
谷川刑事)、草刈竜平(山本記者)、片山滉(吉川博士)などが出演している。風間杜夫が子役で出演して
おり、微かにその面影が認められる。なお、ウラン鉱脈に入ったとき、おりんがガイガー・カウンターを使
っている。なお、「山師」が登場する映画としては、『河内カルメン』(監督:鈴木清順、日活、1966年)
〔「日日是労働セレクト12」、参照〕を思い出した。
 2本目は、『月光仮面/悪魔の最後』(監督:島津昇一、東映東京、1959年)である。本シリーズの掉尾
を飾る作品であるが、まだまだ続く気配を見せながら唐突に終了している。少し惜しい気がした。今回はオ
ートバイ騎乗のシーンが多いが、大型の「陸王」が用いられている(ウィキペディアより)。
 物語を確認しておこう。以下、上に同じ。

   〔解説〕

  『月光仮面/幽霊党の逆襲』に続く「月光仮面」シリーズの一篇。脚色・織田清司、監督・島津昇
 一、撮影西川庄衛といずれも『月光仮面/幽霊党の逆襲』と同様の顔ぶれである。

   〔あらすじ〕

  実業家岡本省吾(小杉義隆)の家の前で鋭い急ブレーキの音がした。おどろいて駈けつけた袋五郎
 八(柳谷寛)たちが見たのは、息絶えている岡本省吾の姿だった。そしてその背中には「白髪鬼」と
 書かれていた。この騒ぎも覚めやらぬ祝探偵事務所に東條三郎という男(齋藤紫香)が保護を求めに
 来たが、その場で死んだ。その死体には「白髪鬼」の貼紙があった。怪しげなバタヤの後をつけた祝
 十郎探偵(大村文武)は、戦死したはずの毒物学の白上博士(清水一郎)を発見した。白髪鬼とは白
 上博士だったのだ。この秘密を探る祝探偵に博士は毒蜘蛛を向わせた。その時現われた月光仮面に白
 髪鬼はどうすることもできなかった。白上博士は、戦時中、北川(成瀬昌彦)、西川広司(岡譲司)、
 岡本、東條らと南方に派遣され、米軍の攻撃を受けて砂金のでる無人島に漂着された。欲に眼がくら
 んだ西川は岡本や東條と組み、白上博士と北川、さらに白上博士の息子である白上哲也(梅宮辰夫)
 を密林に追いやった。その後、あろうことか徹也は彼らに殺害され、博士や北川も殺されかけた。そ
 して、三人は再び砂金をとりにくる日を夢みて筏で島を脱走した。九死に一生を得た博士と北川は、
 その後8年間も島に留まり、採り尽くした砂金を隠し、復讐鬼と化して日本に舞いもどったのだ。数
 日後、祝探偵は博士が西川と逢うという暗号を新聞の中に見出した。西川は博士の砂金の地図を狙っ
 ていたのだ。だが松田警部らに包囲されたことに気づいた西川は北川に傷を負わせ姿を消した。第三
 の犠牲者を防ぐために祝探偵は西川邸に乗りこんだ。博士も恨みを晴らすため単身現われた。しかし、
 西川のために反対に地図を奪われてしまう。その時現われたのが月光仮面だった。しかし、西川や、
 その仲間であるスナイダー(ハロルド・S・コンウェイ)たちの巧妙な仕掛けのため、月光仮面と博
 士は地下部屋に閉じこめられ、火を放たれた。ところが、駈けつけた警官によって博士だけは助けら
 れたが、月光仮面の姿は見えなかった。地図を奪った西川は飛行機で国外脱出を計るが、スナイダー
 に裏切られて、拳銃の餌食されてしまう。まさにスナイダーらの乗ったセスナ機が滑走路を離れよう
 とした瞬間、オートバイに乗った月光仮面が現われた。拳銃が飛行機に向って火を吐いた。地図は飛
 行機とともに炎上し、スナイダーらは駈けつけた警官隊に捕えられた。

 他に、若水ヤエ子(カボ子=祝探偵の助手)、風間杜夫(繁少年)、黒瀬千代子(木の実)、増田順司
(松田警部)、山口勇(健=スナイダーの配下)、萩原満(松=同)、安藤三男(杉山刑事)、久保一(野
村刑事)、岩上瑛(長谷川刑事)、山東昭子(妙子=登場の娘)、檜有子(西川とし子=西川広司の妻)、
北原通子(春子=岡本省吾の妻)、松原光子(加代子=岡本の娘)、木村英世(太郎=同じく息子)、潮健
児(西川の手下)、草刈竜平(山本記者)などが出演している。若き日の梅宮辰夫が出演しているが、「不
良番長」の貫録はまだない。


 某月某日

 DVDで邦画の『月光仮面/怪獣コング』(監督:相野田悟、東映東京、1959年)を観た。相変わらず無理
な設定のオンパレードではあるが、それを承知で観ていればけっこう愉しめる。「放射能の血清」としての
「原子抗素体」なるものとそれを破壊する装置が登場するが、まともな考慮の対象に値しないのは無論であ
る。しかし、こんなものが存在するならば、それはそれで面白いのだが……。颱風の被害として、2,500名
の犠牲者が出たというラジオからの声にはギョッとした。そんな数の人がなくなるほどの台風には見えなか
ったからである。また、子ども向け映画なのに、「トルコ風呂」や「金粉ショー」などが登場したのにも驚
いた。まさに「昭和」の真っ只中である。
 物語を確認しておこう。例によって<Movie Walker>のお世話になる。執筆者に感謝したい。なお、一部改
変したが、ご寛恕を乞う。

   〔解説〕

  今回は怪獣コングが登場する月光仮面シリーズの一篇。川内康範の原作を、『月光仮面 魔人(サ
 タン)の爪』の織田清司が脚色し、新人第一作の相野田悟が監督した。撮影は『母しぐれ』の飯村雅
 彦。

   〔あらすじ〕

  関東一円で大暴風雨にさられされた晩、8名の死刑囚が脱獄した。非常警戒が張られ東京中が恐怖
 のどん底に陥った。折しも祝探偵事務所に警視庁の松田部長(須藤健)から電話で、「原子抗素体」
 を研究している学者の山脇博士(増田順二)が誘拐されたと云う。早速祝十郎探偵(大村文武)がか
 けつけると、実地検証中に文字が浮かび上がった。見ると「祝十郎に告ぐ、この事件に手を出すな、
 怪獣コング」と書いてあった。すると、今までいた助手風の男がいない。次の瞬間奇怪な男の影が消
 え去った。台風は去ったが恐怖は去らない。死刑囚の脱獄を手引したのは国際暗殺団で、彼らはこの
 8名の死刑囚(結局、3人は警察に逮捕され、2人は暗殺団に逆らって射殺される)を使って山脇博
 士を始めとして日本の10人の重要人物を暗殺せんと企てたのである。更に暗殺団は怪獣コング(山本
 麟一)を使って政府の高官を襲った。警視総監秋山(松本克平)への挑戦状が届いた。八王子に向う
 総監は暗殺団一味に追跡され、怪獣コングの襲撃に勇敢に応戦する。そのとき、月光仮面が現れて総
 監を助け、ヘリコプターで逃げようとするコングを射つが、怪獣は傷つかない。失敗した一味は次に
 総監を時限爆弾で狙う。これを知った祝探偵は一味に化けたが発覚して山脇博士と同じ石牢にぶち込
 まれた。二人はガス洩れを利用して石牢を爆破し脱出した。秘密を知った月光仮面の手によって、危
 機一発のところで総監の令嬢美恵子(白河道子)のもつ花籠から時限爆弾はとり出された。しかし、
 さらに翌々日の夜十時、総監暗殺の挑戦を受けた。無事十時も過ぎんとした瞬間、見舞に訪れた第五
 物産の社長、長曽我部太郎(加藤嘉)の顔が暗殺団の首領の顔に変じ、さらにコングに変じた。咆哮
 する怪獣の前に総監と美恵子は一大危機に陥った。そのとき、月光仮面が山脇博士とやって来た。博
 士が完成させた破壊光線を放射すると、さすがの怪獣も狂ったように悶えた。力尽きた怪獣の顔は見
 る間に長曽我部の顔をさらけ出した。あとには祝探偵と月光仮面の正義が光を放っていた。

 他に、柳谷寛(袋五郎八=祝探偵の助手)、若水ヤエ子(カボ子=同)、ヨセフ・オットマン(ドクター=
首領の手下)、長谷部健(山本記者)、原國雄(繁)、藤井珠美(木の実)、立松晃(青戸村=コングによ
って絞殺された学者)、花澤徳衛(脱獄囚A)、高田博(同じくB)、久保一(同じくC)、北峰有二(新
聞記者A)、田口耕平(同じくB)、小杉義隆(親爺)などが出演している。最後のシークエンスで、月光
仮面が月に向かってオートバイを走らせるが、それを祝十郎が見ている場面がある。そうすると、「月光仮
面=祝十郎」説は脆くも崩れてしまうことになるが……。


 某月某日

 DVDで邦画を5本観たので、報告しよう。1本目は、『死にゆく妻との旅路』(監督:塙幸成、「死にゆ
く妻との旅路」製作委員会〔イメージフィールド=青山洋一=めいふぁず=ミノル・プランニング・コーポ
レーション=テアトル・ド・ポッシュ〕、2011年)である。いわゆる「介護もの」と「ロード・ムーヴィ」
の合わせ技一本のような作品である。少子高齢社会の到来以後、この手の映画が増えたような気がする。当
該作品では夫婦愛が強調されているが、逆の目(老人虐待など)も現れるのではないか。丁寧に描いており、
平凡だがジワッとこころに沁みる作品に仕上がっている。
 物語を確認しておこう。例によって、<Movie Walker>のお世話になる。執筆者に感謝したい。なお、一部
改変したが、ご寛恕を乞う。

   〔解説〕

  末期癌の妻とワゴン車で日本全国を9か月間旅し、「保護責任者遺棄致死」の容疑で逮捕された男
 がつづった手記を原作にした感動ドラマ。『初恋』の塙幸成が監督を務め、三浦友和と石田ゆり子が
 年の離れた夫婦役を見事に演じ上げる。妻の最期が迫ることによって長年連れ添った夫婦にふっと浮
 かび上がった純粋な愛の軌跡が、観る者の胸を打つ。

   〔あらすじ〕

  石川県七尾市で小さな縫製工場を営む清水久典(三浦友和)は結婚して20数年、平凡な家庭を築い
 ていた。だが、バブル崩壊で経営が傾き、4千万円の借金を抱えてしまう。彼が金策に走り回る一方
 で、大腸癌の手術をしたばかりの妻ひとみ(石田ゆり子)は、娘夫婦のアパートに居候して、夫の帰
 りを待っていた。3カ月後、久典は帰ってくるが、金策も職探しも成果はゼロ。姉(田島令子)から
 は自己破産を迫られるが、久典はそれを渋る。そんな夫に、“好きにしたらええ”と微笑むひとみ。
 なけなしの50万円を携えた夫婦の旅は、こうしてほとんど無計画に始まった。キャンプ用のコンロで
 煮炊きし、ワゴン車の後部座席に2人で眠る生活。だが、ひとみは久典と一緒にいられるだけで幸せ
 そうだった。観光地なら住み込みの仕事がすぐに見つかるという久典の当ては外れ、50歳以上の求人
 は見つからない。焦りと怒りを露わにする久典を元気づけるひとみ。姫路城、鳥取砂丘、明石海峡大
 橋、三保の松原、山梨を経て石川へ。山間の道から姿を現した富士山、久典が初めて作った味噌汁、
 水平線に沈む美しい夕陽。沢山の初めてを重ねながらも、ひとみは確実に衰弱してゆく。医者からは、
 癌が3か月で再発するかもしれないと言われており、すでに4か月が経過。夏の暑さが和らぐ頃には、
 ひとみの身体は食べ物を受けつけなくなっていた。見かねて病院に担ぎ込む久典。だが、彼女は独り
 にされることを断固拒否。その様子を見た久典は、最期の時まで妻と一緒にいることを決意する。献
 身的な介護に努めるが、叫び声を上げるほどの痛みと錯乱から当たり散らすひとみに、久典の意識も
 次第に朦朧としてゆく。久典がロープを手にした夜。ひとみがカミソリで手首を切りつけた朝。幾度
 も2人で涙を流すのだった。あるとき、小康状態を得たひとみは、旅の初めに2人で訪れた東尋坊で
 夕陽を見たいと告げた。久典は車を東尋坊に向けて走らせた……。

 他に、西原亜希(娘の沙織)、十貫寺梅軒(久典の兄)、でんでん(動物園の清掃人)、常田富士男(自
転車で旅する老人)、掛田誠、近童弐吉、黒沼弘己、松浦祐也などが出演している。念のために、以下に、
「保護責任者遺棄致死」(ウィキペディアより)関連の概要を掲げておこう。

  遺棄致死傷罪:遺棄罪又は保護責任者遺棄罪・不保護罪の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害
           の罪と比較して、重い刑により処断される(刑法219条)。
            死傷の結果が生じた場合、結果的加重犯になり、219条によって処理されるが、結果
           に故意がある場合は、行為の態様によっては不作為による殺人罪(刑法199条)または
           傷害罪(刑法204条)が成立することもある。

 2本目は、『御手洗薫の愛と死』(監督:両沢和幸、ダブルス、2014年)である。不思議な味わいのある
小品といったところか。主演の吉行和子は、若い頃は吉行淳之介の妹という認識程度だったが、TVのトー
ク番組などにも顔を出するようになってからは、だいぶ親近感が増したような気がする。小生の記憶では、
結婚を早々としくじったことに言及した際、「幸せすぎるから」という理由を挙げていたと思う。また、料
理が苦手で、自宅には包丁はなく、鋏をその代わりに使っていると語っていたこともあった。本篇の主人公
である御手洗薫もそのようなタイプの女性で、兄が小説家だったことを加味すれば、まさに打ってつけの役
柄だと思った。また、相手役の松岡充はかなり濃い顔の男性で、音楽畑出身の人らしい。目が勝新太郎に似
ているので、「ひょっとして……」と思ったが、どうやら関係はないらしい。
 物語を確認しておこう。以下、上と同様。

   〔解説〕

  事故を起こした人気作家が被害者の息子に強請られ彼のゴーストライターとなるラブストーリー。
 監督・脚本は『Dear Friends ディア フレンズ』、『ナースのお仕事 ザ・ムービー』の両沢和幸。
 強請る被害者の息子に次第に愛情を抱くようになる作家を『人生、いろどり』、『愛の亡霊』の吉行
 和子が、富や名声に溺れる小説家をロックバンド『SOPHIA』のヴォーカルを担う一方、『仮面ライダ
 ーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ』など映画・テレビ・舞台などで俳優としても活躍する松
 岡充が演じている。他、『完全なる飼育』の小島聖、『しゃべれども しゃべれども』の松重豊、『ガ
 マの油』の益岡徹、『BABY BABY BABY! ベイビィ ベイビィ ベイビィ!』の松下由樹と岡田浩暉らが
 出演。

   〔あらすじ〕

  出版パーティーの帰り道、人気作家の御手洗薫(吉行和子)は車を運転していたところ一人の女性
 を轢いてしまう。事故が明るみになるのを避けたい薫に、被害者の息子である神崎龍平(松岡充)は、
 自分の名義で薫の原稿を発表させてくれたら事件について黙っていると持ちかける。薫はこれを承諾。
 彼のゴーストライターとして原稿を書いていくうちに、薫と龍平の中には師弟愛とも異性愛とも言え
 る親愛の情が湧いてくるようになる。一躍脚光を浴び大金を手にした龍平は、美貌の編集者・桂木百
 合子(小島聖)に接近される。百合子は若い作家の才能を絞り取り、使えなくなったらまた次の作家
 へ乗り換えるような女だった。薫はなんとか龍平を守ろうとするが、龍平は聞く耳を持たない。龍平
 を失うかもしれないという焦りとともに、薫は自分が龍平の原稿を書くことは彼にとっていいことで
 あるかという疑問をひしと感じるようになる。そして自分の死を意識するようになった薫は、最後の
 賭けに出る……。

 他に、松重豊(笹岡=薫の元秘書)、益岡徹(並木出版の敏腕編集長)、松下由樹(バーのママ=編集長
の愛人)、岡田浩暉(相沢=並木出版の編集者)、森下能幸(タクシーの運転手)などが出演している。
 3本目と4本目は、『月光仮面・第一部』(監督:小林恒夫、東映東京、1958年)と『月光仮面・第二部/
絶海の死斗』(監督:小林恒夫、東映東京、1958年)である。小学生だった頃に観ているかもしれないが、
どの場面も記憶になかったので、初見であろう。TV版〔1958-9年〕(主演:大瀬康一)は確実に観ている
ので(放映年から推すと、再放送を観ているのではないか)、ずいぶん懐かしい映像ではある。主演の大村
文武には悪いが、大瀬康一の月光仮面の方が幾分かカッコよかったような気がする。とくに、オートバイに
乗った際のイメージが違う気がした。
 物語を確認しておこう。これも、上と同様。

   〔解説〕

  川内康範の『少年クラブ』連載、KRTV連続放送劇を、原作者自身が脚本化し、『少年探偵団
 透明怪人』、『少年探偵団 首なし男』の小林恒夫が監督した冒険活劇。撮影は星島一郎。『警視庁
 物語 魔の伝言板」』の大村文武が主演するほか、『季節風の彼方に』の新人峰博子、その他、小宮
 光江・佐々木孝丸・宇佐美淳也・柳谷寛、若水ヤエ子などが出演(二部作)。

   〔あらすじ〕

  ◇第一部 …… “H・Oジョー発爆弾”という名の爆弾の実験が行われた時、怪しい笑声を残して
 消えた影があった。発明者の中山博士(宇佐美淳也)は自分の研究室からジョー発爆弾の機密入りの
 カバンが盗まれたことを知った。どくろ仮面の仕業だった。しかし、カバンの中は空だった。博士は
 名探偵祝十郎(大村文武)に連絡したが、彼はどくろ仮面の罠にかかりインドへ飛び立っていた。博
 士の娘あや子(峰博子)がどくろ仮面の一味タイガー白木(長谷部健)に拐われかけたとき、「月よ
 りの使者・正義の味方・月光仮面」という男が現れ、彼女を救ったのである。どくろ仮面は赤星博士
 (佐々木孝丸)になりすまし、宇宙科学研究所の会議に出席し、H・Oジョー発爆弾の保管輸送方法
 を探り、その途中を襲った。インドへ向ったはずの祝探偵は、この計画を見破り、運転手に化けて乗
 り込んだ。しかし、どくろ仮面はカバンを強奪して逃げた。探偵の助手袋五郎八(柳谷寛)が一度と
 り戻したが、また奪われる。月光仮面が現れ、どくろ仮面を追った。どくろ仮面は口中から焔を吐き
 出す。橋上の大格闘。カバンは橋下の貨車の上へ。月光仮面はヘリコプターで汽車を追い、カバンを
 拾うと、空に消えた。どくろ仮面はタイガーの姉・女中ユリ(小宮光江)を使ってあや子を連れ去ろ
 うとしたが、祝探偵が駈けつけた。中山博士らがどくろ仮面のアジトに連れられ、機密を責められる。
 その時、月光仮面が現れ、どくろ仮面は火を吐きながら逃げた。 ◇第二部・絶海の死斗 …… 爆弾
 の所在を示す地図の入ったあや子のロケットがどくろ仮面に奪われた。ところが、それは偽物だった。
 祝探偵がスリ換えておいたのだ。どくろ仮面は先に捕った仲間のユリ・タイガー兄妹を差し入れに仕
 組んだ時限爆弾で殺そうとしたが失敗した。しかし、タイガーはすべてを告げようとしたとき、突然
 狙撃されて死んだ。祝探偵は黒衣の怪人(山本麟一)を捕えかけたが、男も地上に落ちて死ぬ。それ
 から後も、月光仮面は何度も博士を救うのである。どくろ仮面は業をにやし、機密を渡さねば博士を
 殺すと、祝探偵に挑戦状をつきつけた。祝は設計図のありかを示す地図をどくろ仮面に持たせた。し
 かし、博士はどくろ丸に連れ去られた。祝は輩下になりすまし、ユリとともにどくろ丸に乗りこんだ。
 しかし、どくろ仮面に見破られ、海中に逃れた。設計図のある一本松の洞穴に、どくろ仮面一味が着
 いたとき、すでに月光仮面が先廻りしていた、彼はどくろ仮面(実は赤星博士)を追いつめた。どく
 ろ仮面は海中へ墜落した。中山博士らは全員無事だった。祝探偵の姿が見えない。彼が現れたとき、
 その近くに月光仮面の置手紙があった。“爆弾の機密は人類の平和がくるまでお預かりする。”

 他に、須藤健(松田警部)、原国雄(繁少年)、藤井珠美(木の実ちゃん)、沢彰謙(アダラ・カーン)、
原泉(バテレンお由)、若水ヤエ子(カボ子=祝探偵事務所の助手)、永田靖(田坂隆吉=研究者のひとり)、
大東良(別荘番の老人)などが出演している。懐かしい俳優が多数出演しているので、その点で楽しめる部
分もあった。とくに、原泉や若水ヤエ子は子どもの頃からなじみが深く、いろいろ思い出した。物語そのも
のは「子ども騙し」の域を出ないが、月光仮面がヘリコプターに乗って現れたときには少し驚いた。また、
SL(蒸気機関車)や砂利道などが普通に出てくるので、時代を感じさせた。「夜道は暮れない」や「同じ
日本人じゃないか」の台詞も古風に聞こえた。なお、「H・Oジョー発爆弾」(爆発の射程空間を真空にす
る爆弾)は、今年の夏に鑑賞した『アウトブレイク(Outbreak)』(監督:ウォルフガング・ペーターゼン
〔Wolfgang Petersen〕、米国、1995年)に登場する「真空爆弾」に似ていると思った。「弱き者、貧しき
者を救い、正義のために闘う」月光仮面は、ラストシーンで、三日月に向けてオートバイを走らせる。まさ
に、「月よりの使者」の証であった。
 5本目は、『月光仮面/魔人(サタン)の爪』(監督:若林榮二郎、東映東京、1958年)である。再び意
匠を凝らした月光仮面に会えるが、いい加減「祝十郎=月光仮面」という図式が周囲に分らないのであろう
か。また、やたらに拳銃を連発するが、それも問題にならないのか。牧歌的時代の子ども向け映画であるか
ら、その辺はこんなものでいいのだろう。
 物語を確認しておこう。これも、上と同様。

   〔解説〕

  月光仮面シリーズの一篇(第3作)で、今回の舞台は東南アジアに飛ぶ。川内康範・織田清司が脚
 色、『夜霧の南京街』の若林榮二郎が監督、『続 一丁目一番地』の星島一郎が撮影した。出演者は、
 大村文武・柳谷寛・若水ヤエ子らの変らぬ顔ぶれに、植村謙二郎・小宮光江(第1作・第2作とは別
 人)・月丘千秋らも加わる。

   〔あらすじ〕

  バラダイ王国のシャバナン殿下(片山滉)が、サタンの爪と名のる幽鬼の仮面をつけた怪人(植村
 謙二郎)に射殺され、バラダイ王国五千億の秘宝のありかを示す地図が奪われた。サタンの爪とは、
 六百年前、バラダイ王国転覆の陰謀を企て、失敗して追放されたアブダラ・サタンの子孫であった。
 彼は、さらに殿下の地図を照らす「アラーの眼」と、以前殿下の顧問をしていた考古学者の結城文三
 郎博士(松本克平)が知る呪文を奪おうと図っていた。事件の解決に乗出した松田警部(須藤健)、
 名探偵祝十郎(大村文武)は、殿下の女中きみ(山本緑)が、サタンの爪の一味ベレーのお由(小宮
 光江)に毒殺される寸前、「アラーの眼」が、殿下の愛人で横浜に住む浅川昌子(月丘千秋)・不二
 子(松島トモ子)母娘に託されていることを知った。公安第三課は直ちに浅川母娘の保護に向ったが、
 時すでに遅く母娘は横浜のサタンの爪のアジトに監禁されていた。母娘が拷問に耐えきれず、「アラ
 ーの眼」を奪われそうになったとき、突然、正義と平和の使者・月光仮面が舞い降り母娘を救い出し
 た。母親は祝家に保護された。しかし、不二子はお由に誘拐された。一方、結城博士もサタンの奸計
 に陥り、呪文を伝えねばならなかった。しかも、サタンの爪は、遂に「アラーの眼」を手に入れ、祝
 十郎をも捕えた。彼は、祝、不二子、結城博士を一室に閉じ込め時限爆弾を仕かけた。しかし、寸前、
 祝が脱出、そして白衣の月光仮面が現れ、二人を救い、地図と「アラーの眼」を奪回した。翌日、祝
 と不二子、結城博士、東邦タイムズの山本記者(杉義一)の四人が財宝秘めるバラダイ王国へ向った。
 一行は、タムラカンに到着、ここにも迫るサタンの爪の執拗な襲撃を避けつつ洞窟の中に秘宝を発見
 した。しかし、このとき一行をサタンの爪の一味が取りまいた。結城博士は、この洞窟が一発の銃声
 の衝動でも崩壊することを知っていた。博士はサタンの爪の拳銃を制止した。ところが、秘宝を目前
 にサタンの爪は拳銃を暴発。一瞬、洞窟は崩れ、秘宝とともにサタンの爪一味は永久に埋没した。逸
 早く避難して無事だった一行は再び日本へと向った。

 他に、柳谷寛(袋五郎八)、若水ヤエ子(カボ子)、原國雄(繁少年)、藤井珠美(木の実)、原泉(マ
リンのおたき=サタンの爪の手下)、岩城力(サブーナー=同)、萩原満(レンジーノ=同)、大東良(ジ
ョン=同)、富田浩太郎(刑事)、檜有子(横浜在住の浅川姓のおかみさん)、高木新平(獣人)などが出
演している。ちなみに、祝ら一行がバラダイ王国方面に飛んだ際の日航機は、プロペラ機であった。この手
の物語は何故か過去(昭和20年代-30年代)に多く、日本が南方に進出していた頃の名残りかと思われるが、
それは小生の偏見だろうか。


 某月某日

 DVDでアニメーション映画を2本観たので報告しよう。1本目は、『パンダ・コパンダ』(演出:高畑勲、
東京ムービー、1972年)である。存在は知っていたが、観るのは初めてである。他愛のない幼児向けアニメ
であるが、元気のいいミミちゃんと親子パンダの交流は、いわゆる「情操教育」には打ってつけの物語であ
ろう。
 内容を窺ってみよう。今回は、<ウゥキペディア>のお世話になろう。執筆者に感謝したい。なお、一部改
変したが、ご寛恕を乞う。

  『パンダコパンダ』:東京ムービーの劇場用中編アニメーション作品である。1972年12月17日公開、   
              東宝配給、カラー34分。のちの「となりのトトロ」の原型とも評される。


   〔概要〕

  1972年(昭和47年)に日中友好の一環として中国からパンダが上野動物園に贈られたことをきっか
 けに日本にパンダブームが起こり企画されたアニメーションである。東宝チャンピオンまつりの一本
 であり、同時上映は『ゴジラ電撃大作戦』、『怪獣大奮戦 ダイゴロウ対ゴリアス』の2作品。
  『長くつ下のピッピ』アニメ化のために東映動画からAプロダクションに移籍した高畑勲・宮崎駿・
 小田部羊一の3人が、原作者の許可が降りなかったため頓挫した後に作られたオリジナル作品。主人
 公であるキャラクター「ミミ子」に『長くつ下のピッピ』の面影が見受けられる。
  当時のAプロは東京ムービーの専属下請け会社であったが、このシリーズはAプロが率先して企画・
 制作したものであるという。
  翌年3月17日には続編『パンダコパンダ 雨ふりサーカスの巻』も公開された。
 2008年3月15日には渋谷にあるシネマ・アンジェリカなど全国6ヶ所の劇場で『パンダコパンダ』と
 『パンダコパンダ 雨ふりサーカスの巻』が二作品同時上映された。
  テレビ放送では、地上波ではローカル局で再放送されたり、また、CS放送局ではカートゥーン ネ
 ットワークでも再放送された。

   〔ストーリー〕

  ミミ子(杉山佳寿子)は祖母(瀬能礼子)を法事へ送り出し、今日からしばらく一人暮らし。しか
 し家へ帰ってみると、そこには人語を解する子どものパンダ〔パンちゃん〕(太田淑子)がいた。さ
 らにその父親のパンダ〔パパンダ〕(熊倉一雄)も現れる。このパンダ親子は、ミミ子の自宅の傍の
 竹薮に誘われて来たという。ミミ子は親パンダのパパンダを自らの父親、子パンダのパンを子と位置
 づけ、共同生活を始めた。ある日、ミミ子の家を訪ねたお巡りさん(山田康雄)が、パンダ親子を見
 て驚く。実はパパンダとパンは動物園から逃げ出して来たものだった。警察から聞きつけた動物園の
 園長(和田文夫)が連れ戻そうとするが、パンが迷子になってしまい、一転して捜索が始まる。見つ
 かったパンは川に流されており、その先には水門の滝が有るという、一大事になってしまった。果た
 して、パンを救い出すことが出来るのか。そして、ミミ子とパンダ親子は、再び一緒に暮らす事が出
 来るのか。

 他に、峰恵研(先生)、梶哲也(乾物屋)、沼波輝江(八百屋)、丸山裕子(ミミ子の同級生の女の子)、
松金よね子(同)、山岡葉子(同じく男の子)、市川治(同)などが声の出演をしている。
 2本目は、上記の続篇である『パンダ・コパンダ 雨ふりサーカスの巻』(演出:高畑勲、東京ムービー、
1973年)である。
 この作品も、上に倣って、<ウィキペディア>のお世話になる。

  『パンダ・コパンダ 雨ふりサーカスの巻』:東京ムービーの劇場用中編アニメーション。1973年
             3月17日公開、カラー38分。劇場用中編アニメーション『パンダ・コパンダ』
             の続編として制作された。なお、まったく同じ日には「東映まんがまつり」で
             も、長編アニメ『パンダの大冒険』(制作:東映動画。演出:芹川有吾)が公
             開し〔筆者、未見〕、期せずしてパンダ映画同士がぶつかるかたちとなった。

   〔ストーリー〕

  一つ屋根の下で暮らすミミ子(杉山佳寿子)とパパンダ(熊倉一雄)、パン(丸山裕子)親子の家
 に、一匹のトラの子(太田淑子)が迷い込む。その子トラは近所に巡業して来たサーカス団から逃げ
 出したトラだった。それが切っ掛けとなり、ミミ子たちはサーカスへ招待されることになる。だがそ
 の晩は大雨が降り、朝になると辺り一面家を覆うほどの大洪水とになっていた。ミミ子たちは、洪水
 のために立ち往生していたサーカス団の動物達を救うため、ベッドをいかだ代わりに助けに向かう。

 他に、和田文夫(サーカスの団長)、山田康雄(同じく団員)、弥永和子(ミミ子の同級生の女の子)、  
松金よね子(同)、安藤義人(お巡りさん)などが声の出演をしている。
 2作品ともに突っ込みどころ満載の物語ではあるが、幼児(せいぜい小3ぐらいまでか)を対象にしてい
ると思われるので、こんな底抜けの物語の方がいいのだろう。たとえば、水の中を機関車が走るというのは、
けっこうファンタスティックでステキだと思った。
 さらに、DVDで邦画の『草迷宮』(監督:寺山修司、人力飛行舎、1979年)を観た。以前から観たいと思
っていた映画の一つである。もちろん、泉鏡花の原作を下敷にしているとは思うが、原作とはかなり様相が
違うのではないか。ずいぶん以前に読んだことは覚えているが、こんな物語ではなかったはずだからである。
いわゆる「寺山ワールド」の幻想的な映画で、映像の妙を楽しむ類の作品ではないだろうか。人によっては、
まったく受け付けないかもしれない。
 物語を確認しておこう。例によって、<Movie Walker>のお世話になる。執筆者に感謝したい。なお、一部
改変したが、ご寛恕を乞う。

   〔解説〕

  没後20年を迎える寺山修司監督の名作。泉鏡花の短編をもとに、亡き母が歌っていた手毬唄を巡る
 ひとりの男の旅を紡ぎだす。フランスのオムニバス映画の1本として製作された。

   〔あらすじ〕

  青年の明(若松武)は、死んだ母親(新高恵子)の口ずさんでいた手毬唄の歌詞を探して旅をして
 いる。彼は校長(伊丹十三)や僧(伊丹十三)を訪ね教えを請う。明が旅の途中で想い出すのは死ん
 だ母親のことであった。彼〔少年時代〕(三上博史)が住んでいた裏の土蔵には千代女(中筋康美)
 という淫乱狂女がおり、千代女に近づくと母親にひどく叱られた。人の話では千代女は父が手込めに
 した女中で、怒った母が十年も閉じ込めているという。ある日明は美しい手毬少女の美登利(福家美
 峰)に出会うが、彼女を追いかけているうちに、ある屋敷の中に入りこむ。その屋敷には妖怪たちが
 おり、大小の手毬が飛びかい首だけの母親もいた。そしていつしか明の葬いに変った。それは夢だっ
 た。明はまた、旅を続けるのであった。

 他に、伊丹十三(老人=三役目)、蘭妖子などが出演している。何ともコメントのしようのない映画では
ある。少し暇ができたら、泉鏡花の原作を読み直してみようかと思う。


 某月某日

 DVDで邦画の『小さき勇者たち ーガメラー』(監督:田崎竜太、「小さき勇者たち ーガメラー」製作委
員会〔角川ヘラルド映画=日本映画ファンド=日本テレビ=Yahoo! JAPAN〕、2006年)〔註:フォントがな
いので、波線の代わりに「ー」を、タツサキの代わりにオオサキ「崎」を用いた〕を観た。子ども向けの怪
獣友情物語である。前半はともかく、後半のシナリオにはかなり無理がある。もっとも、子どもにはすっと
入っていけるのかもしれない。
 物語を確認しよう。例によって〈Movie Walker〉のお世話になる。執筆者に感謝したい。なお、一部改変
したが、ご海容いただきたい。

   〔解説〕

  日本が誇る怪獣映画シリーズ「ガメラ」。その生誕40周年を記念して製作されたシリーズ最新作。
 孤独な少年と亀型怪獣の交流を、謎のクリーチャーとの戦いを絡めながら描く。

   〔あらすじ〕

  美しい海辺が広がる伊勢志摩地方。事故で母を失った相沢透(富岡涼)は、浜辺で、赤い石の上に
 乗った小さな卵を見つける。手に取ろうとした瞬間、ひびが入り、中から小さな亀が誕生した。透は、
 その亀を「トト」と名づけてかわいがり、母の美由紀(小林恵=回想シーン)のいない寂しさを紛ら
 わせた。透の父の孝介(津田寛治)は、家であいざわ食堂を経営しているため、一切のペットを禁じ
 ていた。透は孝介の目に触れぬよう、トトを隠した。そのとき、トトが突然空中に浮かび上がった。
 透の家の隣にある真珠店の娘である西尾麻衣(夏帆)は、そのトトを目撃してしまう。トトの生態に
 不安を感じた麻衣は、33年前、自らの生命と引き換えに人間を守った怪獣ガメラとの関連を指摘する。
 だが、透はトトが怪獣かもしれないことを認めようとしなかった。実は麻衣には疾病があり、名古屋
 の大病院で手術を受けなければならなかった。麻衣の手術を知った透は、お守りとして赤い石を手渡
 す。その石こそ、トトの卵が乗っていた石だった。その頃、伊勢湾では、海難事故が続発していた。
 そして突然、トトがいなくなった。トトを探す透。その時、警報が鳴り響く。まもなく、浜辺で火の
 手が上がり、怪獣ジーダスが出現。海辺の街を破壊し始めた。父の孝介とともに逃げる透。その耳に
 「ガメラだ!」と叫ぶ人々の声が飛び込んできた。振り返った透が見たものは、巨大なジーダスに小
 さな身体で懸命に挑むトトの姿であった。傷だらけになりながらも、どうにかジーダスを海に落とし
 たトト。しかし、自らも力を使い果たしてしまっていた。トトは捕獲され、内閣府の参事官(巨大生
 物審議委員会参事)一ッ木義光(田口トモロヲ)の指示のもと、研究者(名古屋理科大学応用生物学
 科教授)の雨宮(石丸謙二郎)の管理下に置かれてしまう。そしてその夜、麻衣の両親である西尾治
 (寺島進)と晴美(奥貫薫)から、麻衣の手術の成功を知らせる電話が入った。麻衣は、「トトに石
 を返したい」と言ったという。翌早朝。病院にいる麻衣から赤い石を受け取り、トトに届けようと透
 は慣れぬ大都市の名古屋に向かう。しかしその名古屋に怪獣ジーダスが上陸する。次々と破壊されて
 ゆく街。しかし、透は走り続ける……。

 他に、石川眞吾(石田勝)、成田翔吾(石田克也=勝の弟)、正名僕蔵(戸畑裕二=一ツ木の秘書)、
渡辺哲(漂流者)、南方英二(あいざわ食堂の常連客)、諏訪太朗(同)などが出演している。


 某月某日

 師走を迎えた。相変わらず仕事に追われている。しかし、もうすぐ正月休みと思うと励みも出る。自分に
ファイトである。
 さて、『刑事物語』(監督:渡邊祐介、キネマ旬報社、1982年)についての感想を綴ろう。『ぴあ シネマ
クラブ』に解説が載っているので、それを先ず引用してみよう。執筆者に感謝したい。なお、ほぼ原文通り
である。

   「刑事物語」シリーズ

  胴長短足で、格好はさえないが、蟷螂拳の名手である心優しき刑事・片山元(はじめ)の物語。
 1982年に第1作が公開され、現在まで5作。監督は渡辺祐介(第1作、第4作)と杉村六郎(第2
 作、第3作、第5作)。第4作は渡辺監督の遺作となった。原作の片山蒼は武田鉄矢のペンネーム。
 沼津、弘前、五島列島、高知、群馬県沼田市と各地を舞台に、ズッコケ刑事・片山の活躍とヒロイ
 ンとの心のふれあいが描かれる。ラストのアクション・シーンでは片山が得意の蟷螂拳で犯人を倒
 す。事件は解決したものの、はみ出しぶりがたたって、片山は転勤を命じられる。ユニークな脇役
 陣もこのシリーズの魅力の一つだが、なかでも、第4作の署長(植木等)の女装は出色。第1作で
 は、武田と入れ替わりに高倉健の刑事が南沼津署に着任し、第2作では倍賞千恵子飲み屋の女将と
 して登場するなど、『駅 STATION』のパロディーも。

 武田鉄矢と言えば金八先生のイメージが強いが、この「刑事物語」シリーズもけっこう人気があったので
はないか。とはいえ、小生とはまったくの無縁で、今回初めて観た。公開年は1982年だが、どうみても70年
代の雰囲気が濃厚に漂っており、その意味で懐かしい感じがした。ソープランドも、まだ「トルコ風呂」と
呼んでいた時代で、本ブログでも旧称を用いるが、ご寛容いただきたい。
 物語を確認しよう。例によって〈Movie Walker〉のお世話になる。執筆者に感謝したい。なお、一部改変
したが、ご寛恕を乞う。

   〔解説〕

  長髪に膝の抜けたズボン、一見刑事には見えないが実は蟷螂拳の名手という異色刑事と聾唖者の娘
 の人間的な絆を通して、男のやさしさを描く。片山蒼(武田鉄矢のペンネーム=サンリオ刊)の原作
 を『新宿馬鹿物語』の渡辺祐介と武田自身が脚本化。監督は渡辺祐介。撮影はTV出身の矢田行男が
 それぞれ担当。

   〔あらすじ〕

  七月、博多・祇園山笠祭りの暑い夜、博多署はあるトルコ風呂を管理売春の容疑で不意打ち捜査し
 た。刑事の片山元(武田鉄矢)はそこで聾唖者の風俗嬢三沢ひさ子(有賀久代)と出会った。翌朝、
 ガサ入れ失敗をマスコミは書きたてた。そのとばっちりが片山にまわってきて、沼津転勤が決まった。   
 東京行きのブルートレインに片山とひさ子が乗っていた。ひさ子の悲惨な過去に同情した片山が身柄
 を引き取ったのだ。二人は兄妹ということで、市内の花園荘に住むことになった。そんな二人をじっ
 と見ている二人がいた。村上努(田中邦衛)と秋吉一人(草薙幸二郎)だった。片山は早速、南沼津
 署に出勤し、連続殺人事件班に組み入れられた。ある日、信用金庫で強盗事件が起きた。片山は得意
 の蟷螂拳で犯人の三木本伸吉(河原裕昌〔現 河原さぶ〕)を取り押さえ、その男が連続殺人事件と
 繋がっていることをつきとめた。男は女性を売春組織に送り込む周旋屋だったのだ。さらに片山は九
 州時代の知り合いの老ヤクザ工藤卓(花沢徳衛)からトルコ風呂を根城にした大がかりな売春ルート
 の情報を入手、捜査班は「トルコ徳川」への強制捜査に踏み切った。だが、片山はそこで、重要参考
 人のクリーニング店「白美社」の店員である漁誠一(森下哲夫)を死亡させるというミスを犯してし
 まった。ひさ子の様子が変わったのはその頃だった。片山の問いに彼女は「スキナヒトガイル」と答
 えた。ひさ子に指一本触れていない片山はショックだった。ある夜、片山は正体不明の三人組に襲わ
 れ、工藤の勧めで田沢刑事(三上真一郎)とともににひさ子の身辺を見張ることにした。二日目にな
 って、「白美社」の車が花園荘に近づき、ひさ子を連れ去った。売春組織の元締めである「白美社」
 が口封じのため、不要になった女たちを次々に殺していった。それが連続殺人事件の真相だった。怒
 った片山は組織の巣窟である「白美社」に乗り込み、一味の黒幕・秋吉と対峙、大乱闘の末一味全員
 を逮捕した。翌日、刑事課の喜びとは別に、威嚇とはいえ秋吉相手に実弾六発を射った片山はまたも
 転勤を命じられた。今度は青森である。片山と入れ替えに、北海道から三上刑事(高倉健)が南沼津
 署にやってきた。表に出た片山を待っていたのは、ひさ子と、村上努というひさ子と同じ境遇の工員
 だった。奈落から救ってくれた片山に感謝しつつも、懸命に逆境に生きる村上を愛さずにはいられな
 かったのだ。村上は、ひさ子を倖せにすると約束し、片山に許しを乞うのだった。数日後、上野駅か
 ら一人淋しく青森行きの夜行列車に乗り込む片山の姿があった。

 他に、仲谷昇(九鬼刑事課長)、小林昭二(藤堂捜査一課係長)、岡本富士太(沢木刑事)、梅津栄(田
中補導係)、平松慎吾(田中の同僚=補導係)、樹木希林(矢代スミ刑事課庶務)、藤枝亜弥(花子=刑事
課)、浜田晃(博多署の捜査係長)、宇田川智子(姫子=片山の相方のトルコ嬢)、初井言榮(花園荘の管
理人)、ひろみどり(元の母=回想シーン)、飛鳥裕子(売春を強要されたあげく殺された主婦)、遠藤真
理子(人質の信用金庫職員)、室井滋(工藤の女房)、西田敏行(種井=片山から一万円を巻き上げた詐欺
師)、佐藤晟也(トルコ徳川のマネージャー)などが出演している。なお、配役に関しては、<ウィキペディ
ア>も参照した。聾唖者同士の物語と言えば、『名もなく貧しく美しく』(監督:松山善三、東京映画、1961
年)を連想するが、小林桂樹と高峰秀子のカップルには及ばないとしても、この田中邦衛と有賀久代のカッ
プルも熱演であった。なお、作中、「女をレンタルする商売」が新手の売春という風な扱いを受けているが、
後のホテトルやデリヘルに発展していったことは容易に想像される。

                                                  
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