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 月が替わりましたので、「日日是労働スペシャル」の続篇をお届けします。「日日是労働スペシャル
L (東日本大震災をめぐって)」が正式名称ですが、通称を用いることにしましたので、「驢鳴犬吠
1508」となります。そういうわけで通称を用いますが、内容に変わりはありません。主として、今
回の大災害(原発の過酷事故を含む)に関係する記事を掲げますが、特定の個人や団体を誹謗中傷する
目的は一切ありません。どうぞ、ご理解ください。人によっては、多少ともショッキングな記事がある
かもしれませんので、その点もご了承ください。なお、読み進めるほど記事が古くなります。日誌風に
記述しますが、後日訂正を載せるかもしれません。あらかじめ、ご了解をいただきたいと存じます。
 また、ご質問、ご意見等のおありの方は、muto@kochi-u.ac.jp 宛にメールをいただければ幸甚です。

                                             
 2015年8月29日(土)

 必要があって、日本学術振興会の「科学の健全な発展のために」編集委員会が著した「科学の健全な発展
のために ─ 誠実な科学者の心得 ─」という、120頁ほどの小冊子を読みました。よくまとめられた冊子
で大いに参考になったのですが、中でも次にあげる二つの概念には、注目すべき点があると思いました。そ
れを簡単に紹介しておきましょう。
 一つ目は、「デュアルユース(dual-use)」という概念です。同冊子から主要な箇所を引用してみましょ
う。ほぼ原文通りですが、句読点などを少し変更しました。内容は変わっていません。

  科学技術の「デュアルユース」はもともと、ある技術が民生用にも軍事用にも使えるという意味で
 使われてきました。ダイナマイトは土木工事などに不可欠ですが、同時に強力な兵器にも使われます。
 原子力技術は、平和的に利用された場合は発電や放射線治療などに使われますが、原子爆弾・水素爆
 弾などの大量破壊兵器を生みます。インターネットやGPSなどは、軍事技術が民生技術に転用され
 た好例です。

 さらに説明が進みますが、それは割愛します。「デュアルユース」の意味内容は一目瞭然、誰にでもすぐ
に了解できることでしょう。
 次に注目すべき概念は、「トランス・サイエンス(Trans-Science)」という概念です。これについても、
上と同様に主要な個所を引用してみましょう。若干の語句を変更しました。内容に変わりはありません。

  科学技術の輝かしい進展に伴い、社会には向き合うべきさまざまなリスクが生れてきました。原子
 力発電、遺伝子組換え作物、再生医療など、人類が手にした科学技術はいずれも光と影を有していま
 す。例えば、原子力発電所に関する「受容可能なリスク」のような問題を物理学者アルヴァン・ワイ
 ンバーグ(Alvin M.Weinberg)は「Trans-Science(トランス・サイエンス)」の領域に属する問題
 と呼びました。これは、科学的な合理性をもって説明可能な知識生産の領域に価値や権力に基づいて
 意思決定が行われる政治的な領域とが重なり合った領域であり、「科学によって問うことはできるが、
 科学によって答えることのできない問題群からなる領域」と定義されています。科学的に計算される
 原子力発電所の事故発生の確率が低いとしても、人々がその発電所を受け入れるかどうかは、社会、
 経済、暮らし、さらには歴史や文化などのさまざまな観点からの判断を要し、科学だけでは答えの出
 せない問題です。
  さらに、今後は、国や世界の合意形成において、科学が果すべき役割はますます大きくなっていく
 でしょう。科学技術の進展とグローバル化に伴い、政策課題は複雑化し、高度の専門性を必要とする
 ようになりました。地球温暖化問題に関して政策を立案しようとすると、気象、生態系、エネルギー
 利用、温室効果ガスなどに関する理工学、社会制度や国際協力などに関する社会科学など、領域を超
 えた広い科学の動員が求められます。
  このようなトランス・サイエンスの問題に、科学者はどのように関わるべきでしょうか。これから
 の科学者は、第一に、自らの視野を広く社会の事象に拡げ、自らの研究活動の社会的意義を考え続け
 ることから始める必要があります。さらに、科学の限界を踏まえた上で、市民とのコミュニケーショ
 ンに積極的に参加する必要があります。社会が直面する問題群の解決に向けて情報を提供し、社会と
 の誠実な対話を図ることが、社会の中の科学者としての役割であることを自覚せねばなりません。加
 えて、科学者を雇用するすべての組織は、そのような活動を行う科学者を積極的に支援すべきなので
 す。

 まことにもっともな話で、ここに書かれていることが粛々と遂行されていれば、福島第一原発の事故もあ
るいは回避されたかもしれませんし、その後の対応の拙劣さも少しは緩和されたかもしれません。しかし、
問題は別のところにも潜んでいるような気がします。タテマエとホンネの問題です。科学の発展が「諸刃の
刃」であることは、こころある人ならば誰でも心得ていることでしょう。しかし、それはタテマエにすぎま
せん。利点が少しでも認められれば、多少のリスクには目を瞑るのが人間の性です。リスクを怖がっていて
は、何も進展しないからです。これが、ホンネでしょう。やがて、利点にばかり目がいき、リスクに鈍感に
なって、取り返しのつかないことが想定できなくなります。経済的観点が優先されて、人命や環境は蔑ろに
されていきます。
 ここで、もう一度科学の使命を考えてみましょう。科学の技術への拙速な応用や、研究競争に勝利するこ
とは、果たして科学の使命でしょうか。たぶん、誰も「そうだ」とは答えないでしょう。マキャベリアンが、
「自分はマキャベリアンだ」と言わないのと同じことです。そこで登場するのがタテマエです。タテマエを
整えるのは簡単です。むしろ人間のホンネの部分の歪みをいかにして是正するのか。これが隠れた問題だと
思います。上の二つの概念が、概念のまま唱えられても、何も変わらないでしょう。いくらでも抜け道があ
るからです。何が一番大切なことなのか。科学者のみならず、地球上で生息している人間すべての問いにな
ることが求められています。あなた任せにしないで、自分で事柄をみつめてみることが必要なのです。

                                                 
 2015年8月26日(水)

 「日日是労働セレクト119」で公開予定の記事を、先行してここに記します。原発関連の邦画の感想文
です。


 ******************************************

 DVDで邦画の『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』(監督:手塚昌明、東宝映画、2000年)を観た。この作
品もそれなりに工夫が凝らされており、観ている限りは楽しむことができる。しかし、あまりにも教科書通
りの作りなので、それ以上の評価はできない。もっとも、最近鑑賞した『ゴジラVSデストロイア』同様、原
発の危険さを訴えているところには好印象を受けた。しかも、1966年に東海村原子力発電所がゴジラによっ
て破壊されたことを受けて、当時の政府が原子力発電所の「永久放棄」を決定している点では、フィクショ
ンながら「そうなればいいのに」と本気で思った。きわめて深刻な事故が起こっても原発を止めようとしな
い現政府に呆れているからであろう。
 物語を確認しよう。例によって〈Movie Walker〉のお世話になる。執筆者に感謝したい。なお、一部改変
したが、ご寛恕を乞う。

   〔解説〕

  ゴジラが日本現代史を塗り替えたというユニークな設定を盛り込んだ最新作。ゴジラ、新怪獣メガ
 ギラス、対ゴジラ戦闘部隊の三つ巴の激闘を見せるSFX映像は迫力満点。

   〔あらすじ〕

  2001年。1954年のゴジラ出現以来、度重なる甚大な被害を受け続け大阪に遷都した日本。ゴジラ消
 滅に執念を燃やす“Gグラスパー”の隊長・辻森桐子(田中美里)は、物理学者・吉沢佳乃(星由里
 子)と秋葉原の天才・工藤元(谷原章介)らが研究を進めている対G兵器・ブラックホール砲“ディ
 メンション・タイド”の完成を心待ちにしていた。ところが、山梨県白州で極秘裡に行われた実験で
 時空の歪みが生じ、古代昆虫・メガヌロンの卵が出現。少年・早坂淳(鈴木博之)によって東京へ運
 ばれて卵から孵ったメガヌロンは、羽化してメガニューラとなり、人々を襲い渋谷一帯を水没させた
 ばかりでなく、完成したディメンション・タイドで奇岩島に上陸したゴジラを消滅させようとする桐
 子たちの作戦を妨害してしまう。さらに、ゴジラのエネルギーを吸い取ったメガニューラは、メガギ
 ラスに成長した(メガニューラの戦略として、1匹を選んで巨大化させる)。翌日、お台場に上陸し
 たゴジラと再び壮絶なバトルを繰り広げるのだった。だが、メガギラスはゴジラの前に敗れ、ゴジラ
 もまた桐子の活躍によってディメンション・タイドを打ち込まれ消滅した。ところがその5日後、淳
 は再びゴジラと思しき咆哮を聞く。

 他に、伊武雅刀(杉浦基彦=特別G対策本部長)、永島敏行(宮川卓也=以前の桐子の戦死した上官)、  
中村嘉葎雄(山口剛=老研究者)、かとうかずこ(早坂薫=淳の母親)、勝村政信(新倉誠=広報担当)、
池内万作(美馬和男=コンピュータ・オペレーター)、山口馬木也(細野精一=特殊戦闘機グリフォンのパ
イロット)、山下徹大(奥村知治=同じく乗組員)、極楽とんぼ〔山本圭壱/加藤浩次〕(水道局の職員)、
上田耕一(政府関係者)、黒部進(海幕長)、しのへけい子(淳の近所に住むおばさん)などが出演してい
る。古代トンボの怪獣、プラズマ・エネルギー、ブラックホール砲、GPS(Global Positioning System)、
超高周波などの新アイテムが売りか。人間とゴジラの「直接接触」という場面も今まであまりなかったので
はないか。

 ******************************************


 当該映画では、「原発の永久放棄」という言葉が登場します。ただし、この現代史を変える物語にはおま
けがあって、「国益」のために政府は秘密裏に「プラズマ・エネルギー」を開発中という挿話が絡みます。
このエネルギー開発も、原発同様ゴジラを招くので禁止されているという設定です。コントロールできない
ものを弄ぶのは、「児戯」に等しい愚行です。開発競争に狂奔して、肝心要の生活基盤を損なわせることな
どもっての外でしょう。人の住めない土地を生み出してしまうような開発は、そもそも「開発」の名にすら
値しないと思います。

                                                 
 2015年8月24日(月)

 「日日是労働セレクト119」で公開予定の記事を、先行してここに記します。原爆や原発関連の邦画の
感想文です。


 ******************************************

 4本目は、『ゴジラVSデストロイア』(監督:大河原孝夫、東宝映画、1995年)である。「ゴジラ死す」
がキャッツフレーズとして使われているが、羊頭狗肉もいいところであった。もちろん、ゴジラは東宝の弗
箱だから、死ぬわけがない。相変わらず、疑似科学とオカルトの混淆作品で、とくにデストロイアが合体し
たり分離したりするシーンにはがっかりした。もっとも、原発の危機やメルトダウンや核爆発の恐怖が描か
れているので、その点では買えるだろう。
 物語を確認しておこう。この作品も、上と同様の扱い。

   〔解説〕

  おなじみゴジラとゴジラジュニア、そして最強最大の敵デストロイアとの壮絶な戦いを描くモンス
 ター・パニック映画。東宝の96年度お正月作品で、ゴジラのハリウッド進出を前に日本版ゴジラ終焉
 が話題となった。監督は『ヤマトタケル』の大河原孝夫。脚本は『緊急呼出し エマージェンシー・
 コール』の大森一樹。主演は『大失恋。』の辰巳琢郎と、『夜逃げ屋本舗』の石野陽子。

   〔あらすじ〕

  バース島に異変が起き、ゴジラもリトルもその行方を消してしまった。それから一カ月後、ゴジラ
 が香港に出現する。だが、その姿は以前のものとは違い、赤く発光していた。ゴジラの異変に、Gサ
 ミットは初代ゴジラを退治した山根博士(志村喬)の養子の子・山根健吉(林泰文)という大学生を
 加えたメンバーを招集して会議に入った。一方、国際物理学賞受賞者の伊集院研作博士(辰巳琢郎)
 は、ミクロオキシゲンの研究に余念がなかったが、それをテレビの自分の番組で取り上げた健吉の実
 姉・山根ゆかり(石野陽子)は、彼女の叔母・山根恵美子(河内桃子)からそれが芹沢博士(平田昭
 彦)が発明したオキシジェンデストロイヤーではないかとの相談を受ける。果たして、ミクロオキシ
 ゲンはオキシジェンデストロイヤーの一歩手前のものだと判明するが、伊集院は人間的倫理でそれを
 作ることはしないと言う。台湾沖に出現したゴジラは、ますますその体温を上昇させていた。健吉の
 調べでゴジラはメルトダウンを起こすのではないかという予測が立てられる。これをくい止めるには、
 オキシジェンデストロイヤーを使うしか方法がない。ゆかりや恵美子の心配をよそに伊集院博士にオ
 キシジェンデストロイヤーの開発を依頼する健吉。その頃、水族館で魚が一瞬にして骨になってしま
 うという快事件が発生した。原因は42年前に東京湾に沈んだオキシジェンデストロイヤーによって異
 常成育した微生物が、東京湾海底トンネル工事で地上に出現したことにあった。その微生物は急速に
 巨大化し、ついに人間を襲うほどまで成長した。謎の生物が逃げ込んだ臨海副都心は地獄の様相を呈
 する。政府も自衛隊を派遣して、デストロイアと名づけられたその怪獣を攻撃するが、全く歯が立た
 ない。そこでGサミットは、デストロイアとゴジラを戦わせるために、三枝未希(小高恵美)と小沢
 芽留(大沢さやか)のテレパシーを使ってゴジラジュニアをデストロイアの囮にすることにした。ジ
 ュニアが来ればゴジラも後を追って来るはずだ。ジュニアとデストロイアの壮絶なバトルが展開され
 る。だが、デストロイアはジュニアのエネルギーを吸ってパワーアップした。そこへゴジラが現れ、
 一旦はデストロイアを倒したかにみえたが、デストロイアは完全体へと変身し、さらに巨大化する。
 デストロイアはジュニアを倒し、ゴジラへと向かう。だが、最強の敵と目されたデストロイアも、ジ
 ュニアを殺されたゴジラの怒りには勝てなかった。デストロイアを倒したゴジラはジュニアの亡骸の
 そばに立つと、自衛隊の冷凍兵器攻撃も空しく、ついにメルトダウンを始める。それが人々を恐怖に
 陥れたゴジラの最期だった。しかし次の瞬間、もうもうと立つ蒸気の中にすっくと立ち上がるゴジラ
 ジュニアの姿があった。

 他に、篠田三郎(国友満)、中尾彬(麻生司令官)、高嶋政宏(黒木特佐)、神山繁(後藤陸将)、村田
雄浩(速見惣一郎=ゆかりの同僚)、斉藤暁(南条)、平泉成(上田)、藤巻潤(岡崎)、小野武彦(村田)、
上田耕一(田山孝夫=しながわ水族館の守衛)、二瓶鮫一(中村)、荻原賢三(野村)、菅原大吉(台場の
海底トンネル現場主任)、中沢青六(同じく班長)、青島健介(スーパーXIIIパイロット)、川崎博司(同
じくナビゲーター)、鳥木元博(Gフォース司令室要員)、桜井勝(伊集院研究室助手)、ロナルド・ヘア
ー(マービン教授)、薩摩剣八郎(ゴジラ)、破李拳竜(ゴジラジュニア)、播谷亮(デストロイア=完全
体)、柳田英一(同じく集合体)、ジョン・ギャロック(KA1079便操縦士)、方洛奇(同じく副操縦士)、
張紹興(啓徳国際空港管制官)、岡田和子(放射能科学者)、小寺大介(国家公安委員)、秋元榮治郎(科
学技術庁原子力局長)、坂井義雄(防衛局長)、名倉得二(防衛庁警察官)、笠原鉄郎(国土庁防災局長)、
井上千恵子(環境大気保全局長)、ヒサクニヒコ(地球環境学者)、脇浜紀子(JBSテレビのAD)、村上順
子(伊集院研究室助手)、結城豊弘(同)などが出演している。ちなみに、ゴジラのメルトダウンは、摂氏
1,200度で始まる由。

 (中略)

 8本目は、『アオギリにたくして』(監督:中村柊斗、ミューズの里「アオギリにたくして制作委員会」、
2013年)である。広島にある「被爆アオギリ」をモチーフにした作品である。京都教育文化センターで鑑賞
した。とても生真面目な映画。「原爆もの」に新たな1頁を加えている。
 物語を確認しておこう。この作品も、上と同様の扱い。

   〔解説〕

  1945年に広島で被爆した自らの体験を語り続けてきた故・沼田鈴子さんをモデルに、被爆者の数奇
 な人生を描いたドラマ。出演は『劇場版 ATARU THE FIRST LOVE & THE LAST KILL』の原日出子、『牙
 狼<GARO> 蒼哭ノ魔竜』の渡辺裕之。監督は、作家としても活動する中村柊斗。

   〔あらすじ〕

  福島県を取材していた雑誌記者の片桐千草(菅井玲)は、アオギリを植樹する中年の女性たちと出
 会う。聞けば、広島で学校に通っていた頃、自分たちの先生だった田中節子さんが亡くなったのだと
 いう。次第に節子に興味を持ち始め、広島へ向かう千草。彼女が知る節子の人生とは……。1945年8
 月6日。三日後に結婚式を控えていた21才の節子(塩出純子)は、広島に投下された原爆により被爆。
 麻酔薬もないままノコギリで片足を切断され、三日後には婚約者の戦死を知らされる。自暴自棄にな
 り、自殺することばかり考えていたある日、幹の真ん中が抉れて片側が焼け焦げたアオギリの小枝に
 生えた小さな芽を発見。それを目にした節子は、“どんなことがあっても生きていこう”と決意。原
 爆の後遺症と闘いながら、家庭科の教師として28年間の教員生活を過ごすが、二度と思い出したくな
 い過去を語ることはなかった。そんな節子が被爆体験を語り始めたのは、アメリカ軍が撮影した被爆
 直後の映像に、負傷した自分の姿を見つけたことがきっかけだった。1980年代に起きた10フィート映
 画運動によって制作された原爆記録映画『にんげんをかえせ』に映し出された節子の姿は、世界中に
 衝撃を与えた。この映画をきっかけに、節子(原日出子)は平和公園のアオギリの木の下で、広島を
 訪れる修学旅行生に被爆体験を語り始める。世界のすべての人たちが平和で幸せに安心して暮らせる
 ようにと願いながら、アメリカ、ヨーロッパ、ソ連(当時)、マレーシア、シンガポール、ベラウ、
 フィリピン、ベトナム、アウシュビッツ、中国、韓国、パナマを訪れる。被爆体験について証言し、
 自分の分身でもある被爆したアオギリの種や苗に、平和への願いやいのちを大切にする心を託して、
 全国の学校、そして世界に広める活動を進めて行くのだった。

 他に、渡辺裕之(永沼秀明)、風見しんご(田中秀雄=節子の父)、斉藤とも子(節子の母)、甲斐将馬
(堂内尚志)、二橋進(山城巧)、柏木佑太(柏木隆志=節子の恋人)、牛島摩弓(田中良重=節子の妹)、
大橋芳枝(柏木みつ=隆志の母)、池永憲彦(田中浩二)、はらまいこ(青春時代の良重)、朝霧靖子(白
鳥春奈)などが出演している。原作を購入したので、そのうち読んでみたい。
 9本目は、『にんげんをかえせ』(監督:橘祐典、子供たちの世界に被爆の記録を贈る会映画製作委員会、
1982年)である。同じく、京都教育文化センターで観た。上記作品の併映である。以下の、峠三吉の『原爆
詩集』の「序」から採った言葉が題名になっている。

   ちちをかえせ ははをかえせ
   としよりをかえせ
   こどもをかえせ
   わたしをかえせ わたしにつながる
   にんげんをかえせ
   にんげんの にんげんのよのあるかぎり
   くずれぬへいわを
   へいわをかえせ

 被爆体験の重さをストレートに伝えくる作品である。たぶん、どこかで観ているが、思い出せない。大竹
しのぶがナレーターを務めている。読者諸氏も、観る機会があれば、いつか観てみるといいだろう。戦争と
放射能の恐ろしさをこれでもかと知ることになるだろう。

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 原爆や原発関連の映画を作ろうとする人々は、あまりに真面目なので、小生は少しだけ危懼を感じてしま
います。おそらく、小生も、「原爆を落としたアメリカは悪そのものである」、「原発を推進する人々は金
儲けに目が眩んでいる」といった認識を彼/女らと共有していると思います。しかし、小生は、それに加え
て、「別の視点も導入した方がよいのではないか」という柔軟性も必要だと考えています。節子と良重が七
厘で魚を焼くシーンがありますが、黒焦げの人間をそこに見出すことはありません。アオギリ(青桐、梧桐、
学名: Firmiana simplex)の尊い命に思いを馳せながらも、焼き魚には何の感傷も示さないのです。これは
人間の勝手ですし、そうしなければ生きていけないからです。また、原爆を落としたアメリカの言い分に、
「これ以上アメリカ人の戦死者を増やしたくなかったから」というものがあります。特攻のような国民の命
を粗末にする作戦を採用した日本よりも、よほどヒューマニズムに溢れているとは思いませんか。しかし、
それもアメリカ人の考えであって、とても承服できないという思いの日本人は多いでしょう。それでは、な
ぜ、戦争が始まる前に「戦争反対」を叫ばなかったのでしょうか。日本と日本人がよい方向に変わっていく
とすれば、ここにヒントがあると小生は思っています。国民が戦争で人殺しをしてきた兵隊を称賛する気持
を持っている限り、同じことを繰り返します。「殺す側にも、殺される側にも絶対に就きたくない」とはっ
きり叫ばない限り、どこかに欺瞞が忍び寄るような気がします。

                                                 
 2015年8月17日(月)

 「日日是労働セレクト119」で公開予定の記事を、先行してここに記します。長崎の原爆関連の邦画の
感想文です。


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  2本目は、『地の群れ』(監督:熊井啓、えるふプロ=ATG、1970年)である。機会があればぜひ観たか
った作品のひとつであるが、思いがけずTSUTAYAの新作コーナーで発見し、直ちに借りて観た。ある意味で、
上記の『野火』以上に重たい映画である。原作の井上光晴の意図は十分に発揮されているのではないかと思
ったが、これも現代人の興味を喚起するとはとても言えない作品ではないだろうか。できれば伏せておきた
い、蓋をしておきたい問題が山積しているからである。
 物語を確認しておこう。以下、上と同様。

   〔解説〕

  熊井啓と原作者の井上光晴が共同でシナリオを執筆、『黒部の太陽』の熊井啓が監督した社会ドラ
 マ。撮影は墨谷尚之が担当した。

   〔あらすじ〕

  昭和一六年。宇南少年(役者、不詳)は、炭坑で朝鮮人の少女を妊娠させ、少女の姉宰子(水原英
 子)に、その責任を追及された。「俺は知らんよ」……少年は、ただその場かぎりの返答をして炭坑
 を去った。暗い時が流れた。成長した少年(鈴木瑞穂)は、佐世保に診療所を開いていた。彼の患者
 に、明らかに原爆病と思われる少女(役者、不詳)がいた。だが、母親の光子(奈良岡朋子)は、自
 分が被爆者であることを頑固に否定した。それというのも、佐世保には、海塔新田と呼ばれる被爆者
 の集落があり、その集落民と思われることを恐れてのことだった。字南の父(瀬川菊之丞)は、長崎
 の原爆で死んだ。爆心地に父を探し求めた彼自身もまた、放射能の被害を受けたかもしれない。さら
 に、自分が、被差別部落出身者であることを知った字南は、子どもをつくるまいと決心した。妻の英
 子(松本典子)には、その夫の気持が理解できず、不毛のいさかいが続いた。そんなある日、被差別
 部落出身の福地徳子(紀比呂子)が、診察を頼みに来た。暴行された証明書を書いてくれというのだ
 った。童顔な徳子。字南の脳裡に、朝鮮人の少女を姦した自分の姿が鮮烈によみがえった。かの少女
 は間もなく自殺、それを幸いに炭坑を去り、長崎医専に進んだ宇南。彼は、そんな自分に嫌悪し、恐
 怖にかられるのだった。徳子が強姦されたという噂は、それまで平穏をよそおっていた被差別部落を、
 異常な雰囲気で包んだ。容疑は、徳子と知りあいの原爆被災者青年である信夫(寺田誠)にかけられ
 た。警察は、確証を得られず信夫を釈放。この一件を通して信夫と徳子の心は互いに近づきあった。
 だが、二つの集落の中には長年にわたり潜在していた怨念、憎悪がうずまき、真犯人があがったにも
 かかわらず、そして、信夫の意志にもかかわらず火を吹きあげた。徳子の母親松子(北林谷栄)が被
 爆者の投石にあって死にいたり、信夫は暴徒と化した二つの集落民に追われるはめになった。地の果
 てまでも……。

 他に、佐野浅夫(勇次=光子の夫。後に離別)、岡倉俊彦(宮地真=徳子を犯した青年)、宇野重吉(真
の父親)、原泉(津山金代=海塔新田の女。宇南の患者)、坂東調右衛門(駒一)、村田吉次郎(仲川)、
杣英二郎(国領)、市川祥之助(男の患者)、市川岩五郎(小松)、中村公三郎(ケロイドの男)、中村鶴  
蔵(笠)などが出演している。北林谷栄が珍しく年齢相応の役を演じている。彼女が投石で死に至るシーン
は執拗で、人間の悲しい現実がこれでもかとばかり描かれていた。鈴木瑞穂は名脇役だが、主演作品もあっ
たことを知った。妻役の松本典子との絡みも新劇の雰囲気が持ち込まれており、かなりの迫力があった。
 以下に、光子の台詞を引用しておこう。

  咽喉や鼻の中に赤いニキビみたいな粒々がポツンとできると、もうそれで助からんとよ。鼻血が出
 て、下痢すると、顔はまだ生きとるごとしとるとに、身体はすーっと冷たくなって、笑いながら死に
 よる。

 長崎の被爆者の描写である。また、宇南の「放射能にやられた急性腸炎の患者。死体を片付けただけで白
血病になった患者。蚤一匹で死んだ患者」などの言葉も重い。例の有名な歌もあった。

  四月、長崎、花の町/八月、長崎、灰の町/十月、烏が死にまする/正月、障子が破れ果て/
  三月、淋しい母の墓

 さらに、こんな歌も登場している。学校の先生が「そんな歌を歌ってはいけません」と言った歌である。

  皆さん平和に暮らしましょう/原子爆弾/人類のために落とした花束よ/キリスト様も文句なし/
  それが証拠に浦上の/信者はみんなノッペラボウ/皆さん平和に暮らしましょう/自分の罪に慄いて/
  神の戒め守りましょう

 被爆、差別、いがみ合い……果てのない苦しみから、人間はどう解放されるのだろうか。

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 広島とともに、長崎の原爆の被爆者も年々減っていると思われます。TSUTAYAの英断で、このDVDをレンタ
ルできたことに感謝したいと思います。観てよかったとはとても言えませんが、観なければならない映画の
ひとつだと思いました。差別問題なども絡んで、現代では描き得ない映像ではないでしょうか。

                                                
 2015年8月1日(土)

 今日はオープンキャンパスでした。高校生諸君の初々しさに触れて、彼/女たちの未来を塞いではいけな
いという思いが一段と強まりました。袋小路に入るような道を選んではいけません。われわれにとって、何
が一番まっとうな道なのか、懸命に考え続ける必要があると痛感しました。

                                                
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