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日日是労働スペシャル XXVII (東日本大震災をめぐって)
 月が替わりましたので、「日日是労働スペシャル」の続篇をお届けします。単純に、「日日是労働スペシ
ャル XXVII (東日本大震災をめぐって)」と命名しました。主として、今回の大災害に関係する記事を掲げ
ますが、特定の個人や団体を誹謗中傷する目的は一切ありません。どうぞ、ご理解ください。人によっては、
多少ともショッキングな記事があるかもしれませんので、その点もご了承ください。なお、読み進めるほど
記事が古くなります。日誌風に記述しますが、後日訂正を載せるかもしれません。あらかじめ、ご了解をい
ただきたいと存じます。また、ご質問、ご意見等のおありの方は、muto@kochi-u.ac.jp 宛にメールをいただ
ければ幸甚です。

                                                  
 2013年9月26日(木)

 昨日言及しましたDVDについて、「日日是労働セレクト96」で公開予定のブログにその感想文を載せまし
たので、ここに先行的に転載します。


 ********************************************

 DVDで原発関連のドキュメンタリー映像を観た。一般に映画の範疇には入らないが、メッセージ性が高いの
で、小生の鑑賞済み映画のリストに加えることにした。題名は、『2013/07/20 バンダジェフスキー博士東京
講演 with 木下黄太 at 新宿文化センター』(バンダジェフスキー講演プロジェクト、2013年)である。参
議院選挙の前日という日に、候補者だった(結局、当選した)山本太郎も駆けつけて、だいぶ盛況だったよ
うである。さて、このユーリ・バンダジェフスキーという人の名前を知ったのは最近で、彼の岡山講演を聴
いてきた人から教わった。1957年、ベラルーシのフロドナ州生まれ。医師・病理解剖学者。ゴメリ医科大学
初代学長。チェルノブイリ原発事故の影響を調べるために、被曝した人体や動物の病理解剖を行い、体内臓
器のセシウム137などの放射性同位元素を測定する研究を行っている(ウィキペディアより)。かなり重大な
彼についてのその他の履歴をここで記すことは控えておこう。興味のある人はウィキペディア等を参照され
たし。
 「体内に取り込まれたセシウム137の医学的生物学的影響」と題された講演の内容は、主としてセシウム
137に関する疫学的データをどう捉えるかに終始しており、内部被曝の危険性について医学的な見解を述べ
ている。福島の原発事故以来、日本政府の対応は十分ではなく、環境(外部)ならびに体内(内部)被曝に
関する情報も少ない。食物連鎖によって人間の体内に放射性セシウムはどんどん蓄積されている。それは、
福島との距離に関係なく起こっている。生命維持にとって重大な悪影響を与えるセシウムに関して、注意を
払うべき機関さえ無視していることもある。汚染食品がこのまま流通し続ければ、確実に健康被害が蔓延す
ることになる。甲状腺、腎臓、心臓などの臓器を傷つけ、感染症や物理的負荷に対しても抵抗力を弱める。
また、ベラルーシでは奇形児の誕生も増えており、それを防ぐためには、妊婦の食事にはとくに注意を払わ
なければならない。最後に、人々の健康を守るためには、内部被曝のきちんとしたモニタリング・システム
を構築しなければならない、と結んでいる。なお、詳細に関して知りたい人は、実際に当該DVDをご覧になっ
ていただきたい。
 バンダジェフスキー博士は、淡々とデータの提示とその説明をなされていたが、「憶測でものを言っては
いけない」という、メタ・メッセージがひしひしと伝わってきた。小生も然り。これからも、これらの問題
に関して、冷静に粘り強く考え行動していきたいと思った。

 ********************************************


 以上です。なお、ネット記事の「バンダジェフスキー博士 来日講演、〈内部被曝〉への警鐘」(三上英
次、2013年7月23日)に詳細な内容が記されています。そちらをご参照ください。

                                                  
 2013年9月25日(水)

 原発関連のDVDを観ました。3時間を超す長尺のドキュメンタリーです。正確に言えば映画ではないかもし
れませんが、小生の判断で鑑賞映画のリストに入れることにしました。作品名は『核のゴミどうすんの!? 山
本太郎と広瀬隆のドイツ取材3000kmの旅』(プロダクションマネージャー:斎藤幸平、新党今はひとり、2013
年)です。現在のところ多忙なので、このDVDに関する感想は後日に回したいと思います。なお、現在、23時
40分ですが、これから、もう一本原発関連のDVDを観る予定です。『2013/07/20 バンダジェフスキー博士東
京講演 with 木下黄太 at 新宿文化センター』(バンダジェフスキー講演プロジェクト、2013年)です。

                                                 
 2013年9月22日(日)

 今日は、あるお方の戯れ歌を一篇。

  沈黙                     何某呉某

 山好彦は考えた
 海の幸を山に運べば
 山の民が喜ぶだろうと

 海好彦も考えた
 山の幸を海に送れば
 海の民が嬉しがるだろうと

 村境の三本松で
 海の幸と山の幸は交換された
 山の民も海の民も相好を崩した

 海の民と山の民は手を取り合ったけれども
 蜜月は永くつづかなかった
 こころに蛇が湧いたのである

 偽山好彦は考えた
 山の屑を海に運べば
 山の民は助かるだろうと

 偽海好彦も考えた
 海の屑を山に送れば
 海の民は安心するだろうと

 海は黙っている
 山も黙っている

                      某所に貼られた壁新聞より

                                                  
 2013年9月16日(月)

 再び、内田樹氏のブログを転載させていただきます。例によって、ご本人の了解は取っておりませんが、
たぶん許していただけるでしょう。なお、ほぼ原文のままです。


 *******************************************

   Natureから                 内田樹 2013.09.06

  9月3日のNature のEditorialに福島原発からの汚染水漏洩への日本政府および東電の対応について、
 つよい不信感を表明する編集委員からのコメントが掲載された。
  自然科学のジャーナルが一国の政府の政策についてここまできびしい言葉を連ねるのは例外的なこ
 とである。
  東電と安倍政府がどれほど国際社会から信頼されていないか、私たちは知らされていない。
  この『ネイチャー』の記事もこれまでの海外メディアの原発報道同様、日本のマスメディアからは
 ほぼ組織的に無視されている。
  汚染水の漏洩で海洋汚染が今も進行しているとき、世界の科学者の知恵を結集して対応策を講ずべ
 きときに、日本政府は五輪招致と米軍のシリア攻撃への「理解をしめす」ことの方が優先順位の高い
 課題だと信じている。
  五輪招致を成功させたければ、まず事故処理について日本政府は最大限の努力をもって取り組んで
 いるということを国際社会に理解してもらうのが筋だろう。
  だが、招致委員長は「東京と福島は250キロも離れているので、心配ありません」という驚くべき発
 言を昨日ブエノスアイレスで行った。
  海外の科学者たちが「福島の事故は対岸の火事ではない。私たち自身に切迫した問題だ」という危
 機意識を持って国際的な支援を申し出ているときに、東京の人間が「福島の事故は250キロ離れた『対
 岸の火事』ですから、五輪開催に心配ありません」と言い放っているのである。
  怒りを通り越して、悲しみを感じる。

  英語を読むのが面倒という読者のために『ネイチャー』の記事の抄訳を試みた。

  破壊された福島の原子力発電所から漏洩している放射性物質を含んだ流出水は、1986年ウクライナ
 でのチェルノブイリ・メルトダウン以後世界最大の原子力事故の終わりがまだ見通せないことをはっ
 きりと思い出させた。
  2011年3月に福島原発に被害を与えた地震と津波の後、この地域を除染するための努力は今後長期に
 わたるものとなり、技術的にも困難であり、かつとほうもない費用を要するものであることが明らか
 となった。
  そして今またこの仕事が原発のオーナー、東京電力にはもう担いきれないものであることがあらわ
 になったのである。
  日本政府は9月3日、東電から除染作業を引き継ぐ意向を示したが、介入は遅きに失した。
  事故から2年半、東電は福島の三基の破壊された原子炉内の核燃料の保護措置についての問題の本
 質と深刻さを認識していないことを繰り返し露呈してきた。
  毎日およそ40万リットルの水がロッドの過熱を防ぐために原子炉心に注水されている。汚染された
 水が原子炉基礎部に漏水し、コンクリートの裂け目を通じて地下水と近隣の海水に拡がっていること
 を東電が認めたのはごく最近になってからである。
  東電以外の機関による放射能被曝の測定は難しく、私たちが懸念するのは、この放射能洩れが人間
 の健康、環境および食物の安全性にどのような影響をもたらすことになるのかが不明だということで
 ある。
  問題はそれにとどまらない。使用済みの冷却水を保存している1,000の貯蔵庫があり、これらは浄化
 システムによる処理を経ているにもかかわらずトリチウムやその他の有害な放射性核種を含んでいる。
 漏洩はこのシステムがいつ爆発するかわからない時限爆弾(laxly guarded time bomb)だということを
 明らかにした。
  ゴムで封印されたパイプや貯蔵タンクが漏水を引き起こすことは誰でも知っていることである。東
 電が漏水を検知する定期点検を信頼していたというのは無責任とは言わぬまでも不注意のそしりは免
 れ得ない(careless, if not irresponsible)(・・・)。
  政府の過去の対応と情報政策から判断する限り、日本政府も、東電と同じく、この状況を制御し、
 パブリックに対して情報を開示する能力がもうないのではないかという疑念を抱かせる(Given the
 government's past actions and information policies, one might doubt whether it would be
 any more competent than TEPCO at managing the situation and communicating it to the public)。
  週明けに、漏水しているタンク付近の放射線量は最初に報告された数値の18倍であることがわかっ
 た。漏水は当初ただの「異常」とされたが、のちに真性の危機(a genuine crisis)であることがわ
 かったのである。
  日本は国際的な専門家に支援のための助言を求めるべきときを迎えている。米国、ロシア、フラン
 ス、英国などは核エンジニアリング、除染および放射線の健康被害についてのノウハウを持っており、
 日本の役に立つはずである。
  国際的な研究と除染のための連携はモニタリングと危機管理の有用性と有効性についての粉々に打
 ち砕かれた信頼(shattered public trust)を回復するための一助となるであろう。
  漏水が最も大きな影響を及ぼすのは福島沖とそこから拡がる太平洋への影響である。この影響につ
 いては精密なモニターがなされなければならない。
  日米の科学者によって2011年と2012年に行われたアセスメントでは二つの重大な問題が答えられぬ
 まま残った。どれだけの放射能が海洋に浸入しているのか? 原発事故以後長い時間が経ったにも拘
 わらずいくつかの種において高いレベルの放射能が検知されているわけだが、問題の地域の魚介類の
 消費がいつ可能になるのか? 漏水によって、これらの問いへの答えることが喫緊の課題となってい
 る(・・・)。
  安倍晋三首相と彼の政府は科学研究支援を約束した。彼らには情報を集め、それを共有することを
 通じて世界中の研究者を激励し、支援する義務がある。チェルノブイリでは科学者たちは原発事故後
 に何が起きるかについて研究する機会を逸した。福島ではせめてそれだけでも成し遂げたい。

 *******************************************


 内田氏の文章は、たいがいの場合、そこはかとないユーモアにあふれていますが、上記の文章には一片の
ユーモアすら感じられません。「怒りを通り越して、悲しみを感じる」と書かざるを得なかったからでしょ
う。そのくらい、福島第一原発の事故は甚大であり、収束どころか、「真性の危機(a genuine crisis)」
にあるのです。どうしてことここに至ってさえ、「原発再稼働」や「五輪招致」がしゃしゃり出てこれるの
でしょうか。「いけしゃあしゃあ」という慣用句がありますが、東電や政府の対応には、そんな言葉でも追
いつけない憤りを感じます。今からでも遅くはありません。全世界に事実を明らかにして、早急に本当の原
発事故処理に着手してほしいと思います。言い過ぎかもしれませんが、それこそ、世界に対して、日本人お
得意の土下座をするべきときなのでしょう。小生も、微力ながら、全力を挙げて協力します。関係者の皆さ
ん、人間としての感性が残っているのなら、静かに認めて下さい。深刻な状況から逃げてはいけないことは、
もはや明々白々なことを!

                                                 
 2013年9月12日(木)

 久し振りに、内田樹氏のブログの転載です。例によってご本人の了解は取っておりませんが、たぶん許し
てくださるでしょう。なお、ほぼ原文通りです。


 ──……──……──……──……──……──……──……──……──……──……──……
      五輪招致について          内田樹        日時: 2013年09月04日


  AERAの今週号にこんなことを書きました。

  2020年の五輪開催都市を決めるIOCの総会が始まる。
  最終候補に残ったのは東京、マドリード、イスタンブール。88年の名古屋以来、08年の大阪、16年
 東京と三度連続招致失敗の後の四度目の挑戦である。
  安倍首相、猪瀬都知事は国内での招致機運を盛り上げようと懸命だが、私のまわりでは東京五輪が
 話題になることはほとんどない。
  気分が盛り上がらない第一の理由は、福島原発の事故処理の見通しが立たない現状で、国際的な集
 客イベントを仕掛けることについて「ことの順序が違う」と感じているからである。
  第二の理由は、招致派の人たちが五輪開催の経済波及効果の話しかしないからである。
  東京に招致できたら「どれくらい儲かるか」という皮算用の話しかメディアからは聞こえてこない。
  「国境を越えた相互理解と連帯」とか「日本の伝統文化や自然の美しさを海外からのお客さんたち
 にどう味わってもらうか」というようなのどかな話題は誰の口の端にも上らない。
  個人的には、五輪の本質は「歓待」にあると私は思っている。
  64年の東京五輪を前にしたときの高揚感を私は今でも記憶している。
  当時の国民の気持ちは「敗戦の傷手からようやく立ち直り、世界中からの来客を諸手で歓待できる
 までに豊かで平和な国になった日本を見て欲しい」というある意味「可憐」なものだった。
  「五輪が来ればいくら儲かる」というようなことは(内心で思っていた人間はいただろうが)人前
 で公言することではなかった。
  理想論かもしれないが、五輪は開催国の豊かさや政治力を誇示するためのものではなく、開催国民
 の文化的成熟度を示す機会であると私は思っている。
  五輪招致国であることの資格は、何よりも「国籍も人種も宗教も超えて、世界中のアスリートとゲ
 ストが不安なく心穏やかに滞在のときを過ごせるような気づかいを示せること」である。だとしたら、
 日本の急務はばかでかいハコモノ作りより、原発事故処理への真剣な取り組みと東アジアの隣国との
 友好的な外交関係の確立だろう。
  原発事故のことを忘れたがり、隣国を口汚く罵倒する人たちが政治の要路に立ち、ひたすら金儲け
 の算段に夢中になっている国に五輪招致の資格があるかどうか、それをまず胸に手を当てて考えてみ
 た方がいい。
 ──……──……──……──……──……──……──……──……──……──……──……


  小生は、ほぼ内田樹氏の論旨と同じ考えをもっています。ついでに、プロ野球(MLBなども含めて)
 に関しても、何年も前からファンをやめようかどうか迷っています。たぶん、2007年に、松坂大輔投
 手が、西武ライオンズからボストン・レッドソックスに移籍したことがきっかけだったと思います。
 理由は簡単、2006年のオフに、ポスティングシステムの行使が容認され、レッドソックスの他に、ニ
 ューヨーク・メッツやニューヨーク・ヤンキース、テキサス・レンジャーズも入札に参加して、激し
 い争奪戦が繰り広げられたからです。結局、11月15日に、ボストン・レッドソックスが、5,111万
 1,111ドル11セント(当時のレートで約60億1,000万円)で独占交渉権を獲得したことが発表されまし
 た。当時、小生が感じたことは、これはなぜ「人身売買」に当たらないのか、ということです。松坂
 投手には気の毒ですが、野球市場の「商品」にされているような感触を拭うことができなかったので
 す。本人や西部ライオンズには大金が転がり込んできますから、悪くはない話なのでしょうが、野球
 ファンにとってはあまり気分のよいものではありません。「金権野球」が罷り通ってしまうからです。
 その兆しは以前からありましたが、阪神タイガースなども讀賣ジャイアンツに右に倣えで、少なくと
 も、セントラル・リーグの野球はまったくつまらなくなりました。
  オリンピックも同じです。東京五輪こそあまり意識しておりませんでしたが(1964年。小学校4年
 生だった)、その次のメキシコ五輪(1968年。中学校2年生だった)には熱中しました。その気持は
 純粋だったと思います。ところが、その後、ほとんどのスポーツにおいて純粋さ(スポーツそのもの
 の純粋さと同時に、それに対する小生の気持の純粋さ)は失われ、だんだん観戦する気持が失せてい
 きました。たとえば、三沢高校対松山商業高校(1969年)〔18回延長0対0引分〕の頃までは高校野
 球に大いなる関心を抱いていたのですが、その後、高校野球そのものの不純さに嫌気がさし、「松井
 秀喜5打席連続敬遠」(1992年)以来、まったく観戦しなくなりました。大相撲も同様です。幻に終
 わった「貴輪時代」(1970年代)くらいまでは、毎場所チェックを入れていたのですが、80年代以降
 はほとんど関心を抱いておりません。なぜでしょうか。正直言って、面白くないからです。それは、
 プロ・サッカーにも、プロ・レスリングにも、プロ・ボクシングにも、競馬にも言えることです。全
 部、面白くなくなったと言ってもよいほどです。金、金、金……どこまでも金が付き纏うからです。
 1985年、阪神タイガースが、1964年以来の優勝を遂げました。ついでに日本シリーズにも勝って、日
 本一になりました。そのとき、盛んに「経済効果」という言葉が遣われたことを覚えています。「ま
 ぁ、関西だから仕方がないか」とその時は思いました。バブル経済の到来も後押ししていたと思いま
 す。しかし、あのときこそ日本人は一歩踏みとどまるべきでした。「こんな繁栄がいつまでも続くわ
 けがない。このまま浮かれていれば、まさに驕る平家になってしまうぞ」、と。結果は見ての通りで
 す。まるで、高額宝籤に当たって舞い上がった人が、その後しばらく経って、以前の生活水準すら維
 持できなくなったように。今は、オリンピックなどやっているときでしょうか。百歩譲って、オリン
 ピック自体を否定することは控えたとしても、金儲けオンリーはないでしょう。こんなことを許して
 いたら、ますます国民は呆けてしまうような気がしてなりません。ちなみに、この駄文を書くために、
 各種の<ウィキペディア>を参照しました。

                                                 
 2013年9月8日(日)

 今日は、『原発クライシス』(集英社文庫、2010年)という長篇小説について一言述べておきましょう。
作者は高嶋哲夫(1949年、岡山県玉野市生まれ)という人で(小生は、この著作に出会うまでまったく知り
ませんでした)、慶應義塾大学工学部を卒業後、同大学院修士課程を経て、カリフォルニア大学に留学経験
をもつそうです。日本原子力研究所の研究員だったこともある由。30年くらい前から作家活動をしている人
です。小生は、この著作が文庫化される前に単行本として出版されたのが1999年であることに驚きを禁じ得
ません。原子力関係者は、この著作をただのフィクションとして捉えていたのでしょうか。それとも、小生
のようにまったく知らなかったのでしょうか。あるいは、読んでも無視していたのでしょうか。その点が気
懸りです。
 以下に、彼に関する<ウィキペディア>の記述を引用させていただきます。ほぼ、原文通りです。


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  高嶋 哲夫(たかしま てつお、1949年7月7日 - )は、日本の小説家。岡山県玉野市生まれ。 慶應
 義塾大学工学部卒業、大学院修士課程修了。 日本原子力研究所研究員を経て、カリフォルニア大学に
 留学。帰国して学習塾を経営しつつ、作家業をこなす。
  2007年に『ミッドナイト・イーグル』が映画化された(出演:大沢たかお、竹内結子、玉木宏、吉
 田栄作)。

   〔受賞歴〕

  1990年 - 『帰国』で第24回北日本文学賞を受賞。
  1994年 - 『メルトダウン』で第1回小説現代推理新人賞受賞。
  1999年 - 『イントゥルーダー』で第16回サントリーミステリー大賞・読者賞をダブル受賞。
  2006年 - 井植文化賞(文化芸術部門)を受賞。

   〔作品一覧・小説〕


  『カリフォルニアのあかねちゃん ロスに移住したあかねちゃんとママの、元気いっぱいの生活体験記』
   (三修社、1984年)。のち文庫化。
  『イントゥルーダー』(文藝春秋、1999年)。のち文庫化。
  『スピカ 原発占拠』(宝島社、1999年)。のち文庫化、「原発クライシス」(改題)集英社文庫。
  『冥府の虜 プルトーン』(祥伝社、2000年)。「冥府の死者」(改題か)文庫化。
  『ミッドナイト・イーグル』(文藝春秋、2000年)。のち文庫化。
  『ダーティー・ユー』(NHK出版、2000年)。のち光文社文庫。
   →『いじめへの反旗』(集英社文庫、2012年)。
  『フレンズ シックスティーン』(角川春樹事務所・ハルキノベルス、2000年)。のち文庫化。
  『ペトロバクテリアを追え!』(宝島社、2001年)。
   →「ペトロバグ 禁断の石油生成菌」(改題か)文庫化、文春文庫。
  『命の遺伝子』(徳間書店、2001年)。 のち文庫化、講談社文庫。  
  『トルーマン・レター』(集英社、2001年)。のち文庫化。 
  『都庁爆破!』(宝島社、2001年)。のち文庫化。 
  『アフガンの風』(光文社、2002年)。「流砂」(改題か)文庫化。
  『メルトダウン』(講談社、2003年)。のち文庫化。
   → FALLOUT(英訳、Random House,2008.)
  『虚構金融』(実業之日本社、2003年)。のち文庫化、文春文庫。 
  『M8』(集英社、2004年)。のち文庫化。
  『流砂』(光文社、2004年)。「熱砂」(改題か)、文春文庫。 
  『TSUNAMI 津波』(集英社、2005年)。のち文庫化。 
  『ファイアー・フライ』(文藝春秋、2008年)。のち文庫化。 
  『ジェミニの方舟 ─東京大洪水』(集英社、2008年)。「東京大洪水」(改題か)文庫化。
  『乱神』(幻冬舎、2009年)。のち文庫化。
  『風をつかまえて』(NHK出版、2009年)。のち文春文庫。 
  『追跡 警視庁鉄道警察隊』(角川春樹事務所、2009年)。のち文庫化。 
  『タナボタ!』(幻冬舎、2010年)。
  『首都感染』(講談社、2010年)。

                                           以下、割愛。
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 現代の作家は、かなり綿密に作品の背景に関して調査をしてから執筆するそうですが、まさにこの作品が
成立するまでに、相当の準備があったことは疑いないでしょう。カルト的宗教団体と、大国から独立を目指
す民族国家の軍隊が、手を結んで「核ジャック」を目論むという物語ですが、けっして荒唐無稽として斥け
ることができないほどの説得力に満ちた著作です。
 内容については、多くの方に読んでいただきたいので触れませんが、いずれにせよ、科学者の苦悩をここ
まで描き切った作品はあまりないと思います。

 「私はチェルノブイリの事故以来、自問し続けてきた。自分の存在は果して何だったのか。私は──
  自己の存在を否定する」(同文庫、486頁)。

 パブロフというロシア人科学者の魂の叫びです。

 「進歩……それに何の価値がある。人類の証とは、幸福に生き続けることだ。生物の長として、愛する
  者とともに、この地球を守り続けることだ」(同文庫、487頁)。

 しかし、パブロフの願いは、大きなうねりの前では、無に等しいのです。正直言って、小生も、このブロ
グを運営していて、ときどきバカバカしくなることがあります。ケ・セラ・セラ! ……これ以上の言葉を、
もはやもてなくなったからです。それでも、高嶋哲夫のような作家は、現実をしっかり見つめ、フィクショ
ンの中でさまざまな思いをぶつけています。だから、小生も……やはりできる限り続けていきましょう。

                                                  
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