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日日是労働セレクト90
 以下に、「日日是労働」のダイジェスト版・第90弾を掲げます。直ぐ下の記事がこの「日日是労働セレク
ト90」の中では最も新しい日付のものです。つまり、読み進めるほど、古い記事になります。ただし、いち
いち明示しませんが、後日に行った加筆訂正を含んだ日があります。日誌ですから、少なくとも後日に加筆
することはご法度であるはずですが、「某月某日」ということもあり、記事内容の充実を優先させました。
ご了承ください。また、頑張って「辛口」の批評を展開しようと務めておりますので、本文に何かと読者の
お気に召さない表現等が散見されるやもしれませんが、特定の個人、団体等を誹謗中傷する目的は一切あり
ませんので、どうぞご理解ください。なお、ご感想は、muto@kochi-u.ac.jp までお寄せ下さい。


 某月某日

 今日も大学院の演習で大学に来ているが、他の仕事はなかなか捗らない。今月のこのブログへの記載も少
なく、おそらく一番短い「日日是労働セレクト」になると思う。しかし、短くても公開しようと思う。映画
もほとんど観なかったので、その点でも何か物足りない月となった。来月からは少しずつテンションを上げ
ていこうと思う。


 某月某日

 DVDで邦画の『鼠小僧次郎吉』(監督:三隅研次、大映京都、1965年)を観た。短く刈り込んだスピーディ
な演出で、さすが大映時代劇だと思った。監督の三隅研次の作品は以下に記すように当該作品を含めて13本
観ているが、いずれも娯楽作品として秀逸で、大映の弗箱監督の一人と言ってよいだろう。中でも一押しは
『女系家族』で、「恣意的日本映画年間ベスト1」における1963年度の第1位作品である。この映画自体は
現代劇に属するが、他はすべて時代劇なので、時代劇で実力を発揮した監督と言えよう。市川雷蔵(『大菩
薩峠』)や勝新太郎(『座頭市物語』)を超一流に押し上げたのも彼の力が与っていると思われる。

 『大菩薩峠』、監督:三隅研次、大映京都、1960年。
 『大菩薩峠 竜神の巻』、監督:三隅研次、大映京都、1960年。
 『座頭市物語』、監督:三隅研次、大映京都、1962年。
 『女系家族』、監督:三隅研次、大映、1963年。
 『眠狂四郎勝負』、監督:三隅研次、大映京都、1964年。
 『座頭市血笑旅』、監督:三隅研次、大映京都、1964年。
 『眠狂四郎炎情剣』、監督:三隅研次、大映京都、1965年。
 『座頭市地獄旅』、監督:三隅研次、大映京都、1965年。
 『鼠小僧次郎吉』、監督:三隅研次、大映京都、1965年。
 『大魔神怒る』、監督:三隅研次、大映京都、1966年。
 『眠狂四郎無頼剣』、監督:三隅研次、大映京都、1966年。
 『座頭市血煙り街道』、監督:三隅研次、大映京都、1967年。
 『座頭市喧嘩太鼓』、監督:三隅研次、大映京都、1968年。

 さて、当該作品に戻るが、原作は大佛二郎、脚本は新藤兼人、いずれも名を成した人である。物語を確認
しておこう。例によって<goo 映画>のお世話になろう(まだ、ネット上に公開されている)。執筆者に感謝
したい。なお、一部改変したが、ご寛恕を乞う。

  怪盗鼠小僧(林与一)は大江戸の夜の闇をぬっての必死の探索を尻目に、大名や富商を襲っては奪
 った金銭を貧乏人にばらまいて、庶民の英雄として人気を集めていた。ある夜鼠小僧は浪人小谷新九
 郎(林与一/二役)に救われた。そして二人はいつまでたっても浮びあがれない世の中に絶望して、
 貧乏人のために尽そうと深い友情で結ばれた。一方、江戸の暗黒街を牛耳る博徒の親分梵字の安五郎
 (神田隆)は、ある夜鼠小僧に痛めつけられ、妾のお滝(長谷川待子)も新九郎に「売女(ばいた)」
 呼ばわりされて二人を深く恨むようになった。安五郎は江戸中の岡っ引きを集め、懸賞金百両を出し
 て鼠小僧の捕縛をたきつけた。ある日新九郎は、ならず者に囲まれた豪商伊勢屋の一人娘小夜(姿美
 千子)を助けた。町方に追われる破目となった新九郎が、隠れ家の崖下の貧民窟に帰ったことを知っ
 た目明しは、網を張ったが、次郎吉の手で裏をかかれとり逃した。次郎吉は昼間は、小間物商大坂屋
 仁吉として、堅気の仮面をかぶっていたが、商売上の出入りから伊勢屋の娘小夜を新九郎が助けたこ
 とを知るや、彼を伊勢屋の別邸にかくまう話をつけた。一方小夜は新九郎に次第に魅かれていった。
 次郎吉が捕らぬことに業を煮やした安五郎は、次郎吉の幼な友達虎吉(工藤堅太郎)を探し出した。
 小悪党の虎吉は、良心に責められながらも次郎吉を売ることに承知した。大坂屋仁吉であることが露
 見した次郎吉は、崖下の貧民窟に逃げ込んで町方衆に包囲されたが、図らずも新九郎の友人立見雄一
 郎(伊藤孝雄)の機転で逃れた。虎吉が次郎吉を売ったことに怒った新九郎は、虎吉を斬った。殺し
 の容疑で追われる新九郎は、一度は岡っ引きの鎌倉河岸の藤太(伊達三郎)の手下によって捕縛され
 るが、次郎吉や小夜のお蔭で九死に一生を得た。新九郎は伊勢屋を捨てた小夜を連れると、次郎吉に
 送られ江戸を発った。一方次郎吉は、虎吉をそそのかした安五郎を見つけ初めて人を殺した。御用提
 灯を尻目に、同じく幼な馴染みのお咲〔=虎吉の女房〕(藤村志保)の舟で、次郎吉は江戸を去って
 いった。

 他に、明星雅子(若い娘)、須賀不二男(太田黒喜平次=旗本)、千波丈太郎(マムシの清次=岡っ引き)、
遠藤辰雄(土方の親分仁三)、香川良介(伊勢屋金三郎)、浜村純(溜池の長沢屋=岡っ引き)、夢路いと
し(合力の寺門三左衛門)、喜味こいし(香具師五郎七)、矢島陽太郎(亀=長澤屋の子分)、越川一(辰=
同)、細谷新吾(金太=岡っ引き)、沖時男(駒込の喜蔵=同)、東良之助(乞食の勘五郎)、春日清(網
町の久七=岡っ引き)、千石泰三(安五郎の用心棒)、黒木英男(源太=安五郎の子分)、近江輝子(伊勢
屋の女房のお勝)、橘公子(船宿の女将)、小林加奈枝(崖下のかみさん)、平泉征七郎〔=平泉成〕(役
人)などが出演している。鼠小僧は「貧乏人の神様」であるが、新九郎に言わせれば「救っているわけでは
ない。慰めているだけだ」ということになる。「貧乏人の貧乏は底なしの桶」という表現も登場し、「義賊
の働きも意味がないのではないか」と新九郎は鼠小僧に問うが、それに応えて「たしかに解決はしないが、
与える一両が生きる勇気を生み出すかもしれない」と語っている。貧困問題は現代でも消滅しているわけで
はないので、この「生きる勇気」という言葉は重く聞こえた。たしかに、金銭は多くの問題を解決するだろ
うが、果して「生きる勇気」にまで辿り着くのだろうか。


 某月某日

 DVDで邦画の『希望の国』(監督:園子温、「希望の国」製作委員会〔キングレコード=鈍牛倶楽部=ビタ
ーズ・エンド=RIKI プロジェクト=グランマーブル=ピクチャーズデプト=マーブルフィルム〕、2012年)
を観た。ただし、配給元のビターズ・エンドから提供していただいたサンプルによってである。実は、来る
2013年4月20日(土)に、高知市内にあるあたご劇場で当該作品の自主上映会(「小夏の映画会」主催)が開  
催される予定であるが、そのスタッフの一人として先行的に観させていただいたという次第である。したが
って、感想等はそのときまで控えさせていただく。


 某月某日

 DVDで邦画の『女賭博師奥ノ院開帳』(監督:井上芳夫、大映東京、1968年)を観た。「女賭博師」シリー
ズの第10弾である。小生の手の内にあるこのシリーズのDVDはこれで最後なので、ほとんど一気に観たことに  
なる。なお、シリーズ全体では17本撮られており、残る7本に関しては機会があれば鑑賞に及ぶことになる
だろう。たしかにこのシリーズのいくつかは観ているはずだが、ひとつも覚えていなかった。もちろん、江
波杏子の凛とした美しさに見惚れたことだけは覚えているが、それ以外はすっかり忘れている。だから娯楽
映画はそういう意味の価値があるのだ。「昇り竜のお銀」こと大滝銀子(別の名前の作品もある)が主人公
として活躍する点では共通するが、他の点ではまったく設定が異なり、その意味で少し不安定なシリーズと
言えるかもしれない。彼女の人間としての「成長譚」も兼ねており、その意味では「女の自立」が影のテー
マということになるだろう。今回は二人の父親の間でこころが揺れるお銀さんの巻というわけで、生みの親
を伴淳三郎が、育ての親を見明凡太朗が演じている。とりわけ、ばんじゅんの老胴師には味があり、前作の
島田正吾とはまた一風変わった佇まいを見せている。俳優としての伴淳三郎と言えば、『飢餓海峡』(監督:
内田吐夢、東映東京、1965年)や『どですかでん』(監督:黒澤明、四騎の会、1970年)を思い出すが、そ
れらの登場人物に劣らない人物像を造形したと思う。
 さて、物語を確認しておこう。これまでの通例ならば<goo 映画>のお世話になるはずだが、主要コンテン
ツの提供を停止するということなので、残念ながら参照することができなくなった。『ぴあシネマクラブ』
の廃刊とともに、小生にとっては重要な情報源の喪失であるが、まぁ仕方がない。今までお世話になったこ
とを深く感謝したい。

  大滝銀子(江波杏子)は、育ての親である清旭斉天風(見明凡太朗)一座の許で「飛竜剣」という
 奇術の使い手をしていた。的に張り付くみどり〔銀子の義理の妹〕(八代順子)の身体すれすれに短
 刀を投げる技で、みどりには1,500万円の保険が掛けられているという口上であった。口上を述べる
 役は三吉(田中邦衛)で、一座の使い走りをしていた。しかし、銀子はこの奇術の舞台よりもはるか
 に賭場が好きだった。博奕に現を抜かす銀子に対して、天風は怒りの頂点に達していた。二代目を継
 がそうと思っていたからである。しかし、銀子は実子のみどりこそ天風の二代目を継ぐべきだと考え、
 わざと芝居を打って勘当されたのであった。それからの銀子は、賭場から賭場へと流れ歩く女賭博師
 になった。ある日、銀子が胴師を務めていた賭場で、「緋桜のお由」(笠原玲子)と名乗るギャンブ
 ラーに差しの勝負を仕掛けられた。賭け金は20万円。胴元はこれを受けた。お由はイカサマを使って
 銀子との勝負に勝ったが、それを咎めた銀子にもからくりが分らなかった。一触即発の危機を救った
 のは、そこに居合わせた老勝負師と、警察の手入れだった。危ういところを逃れた銀子は、この老勝
 負師と居酒屋で先刻の経緯のお浚いをした。お由が用いたのは「神隠し」と呼ばれるイカサマで、こ
 の老勝負師は鮮やかな手捌きでそれを再現してみせた。その技の切れに惚れ込んだ銀子は、この老勝
 負師に弟子入りを申し込んだが、あっさり断られてしまった。この人こそ「疾風の辰」の異名を取る
 奈良井達吉(伴淳三郎)で、後々判明することだが、銀子の実の父親だったのである。
  途中の挿話(天風が殺され、その敵討ちを銀子が決意する話など)は割愛するが、この銀子と疾風
 の辰は、岡野大三(北竜二)と唐沢重吉(内藤武敏)との陸前一円のシマを賭けた大勝負でそれぞれ
 代人として対決する。ところが、勝負の前日、銀子は逆恨みをしたお由に右腕を刺され、深手を負っ
 ていたのである。腕に狂いを生じた銀子は敗戦一歩手前まで追い込まれるが、奇術の修行で左右両方
 の手に技を仕込んであることを思い出し、左腕一本で胴を振るのであった。名付けて「逆手振り」の
 妙技であるが、これが見事に決まり、疲れの見えはじめた疾風の辰を逆に追い込んだのである。ここ
 で、唐沢は卑怯な手を用いるが、それを見破った銀子は、見事代人の大役を果たしたのである。どさ
 くさまぎれに唐沢に刺された辰吉は、銀子の腕の中で父親として死んでいく。妹のみどりに天風の二
 代目を継がせ、三吉を彼女に娶せた銀子が、辰吉の追善供養の花会で手本引きの札を操っているとこ
 ろで物語は幕を閉じるのである。

 他に、藤山浩二(木壺の半次=天風を殺した犯人)、上野山功一(平岡=唐沢の代貸)、星ひかる(流れ
星の喜助)、水原浩一(河井=宇都宮の陣馬組の親分)、北条寿太郎(立会人)、甲斐弘子(ストリッパー)、
杉森麟(医師)などが出演している。なお、銀子とお由の差しの手本引きのシーンがあるが、例によって素
一(すいち=一点張り)の勝負がなされる。つまり、一から六までの六点の目のひとつに賭けるわけである
が、通常の勝負では「素一」(通常は賭け金の5.5倍の配当)はリスクが大きすぎるのであまりなされないと
言われる。それをこともなげに当てる銀子の勘はきわめて鋭いが、やはりリアリティに欠けると思う。疾風
の辰が銀子の振る胴の目を悉く当てるシーンとともに、もう少し工夫があってもよかったと思う。なお、シ
リーズを通しての主題歌である「女ひとりで」(作詞:川内康範、作曲:曽根幸明、唄:八泉鮎子、1968年)
は、泥臭いが味のある楽曲で、本篇の色調を蔭ながら彩っていることを記しておこう。


 某月某日

 月が替わった。まことに月日の経つのは早いもので、もう3月である。いろいろ片付けなければならない
仕事があるのに、あまりやる気がない。気を引き締めなければならないだろう。
 さて、DVDで邦画の『女賭博師絶縁状』(監督:田中重雄、大映東京、1968年)を観た。いろいろ工夫して
はいるが、さほど成功してはおらず、あまり面白くなかった。ただし、「疾風の辰」こと奈良井辰造役の島
田正吾の貫録は大したもので、さすが新国劇の重鎮だと改めて思った。今回は「昇り竜のお銀」こと大滝銀
子に弟がいるという設定で、若い頃の平泉成(この頃は「征」)が演じている。弟絡みでお銀はだいぶ苦労
するが、その筋書も取って付けたようで芳しくない。脚本が練れていないせいであろう。お銀のライヴァル
役を務めた成田三樹夫もいつもの冴えがなく、結末にも帳尻合わせのような後味の悪さが残った。すでに第
9作目であるが、そろそろネタが尽きてきた感がある。
 ともあれ、物語を確認しておこう。例によって<goo 映画>のお世話になろう。執筆者に感謝したい。なお、
一部改変したhが、ご寛恕を乞う。

  賭博師の名人決定戦で滝川虎三(成田三樹夫)に惜敗した大滝銀子(江波杏子)は、立合人山形重
 五郎(水原浩一)の勧めで奈良井辰吉(島田正吾)に弟子入りすることになった。辰吉の指導は熾烈
 をきわめた。夜を徹しての修業も珍しくなかった。辰吉に二階の部屋を貸しているラーメン屋の沢田
 啓作(鳳啓助)としげ(京唄子)夫婦も、そんな二人の熱意にあきれ顔だった。銀子は、勝負に勝つ
 には先ず自分に勝たねばならぬという辰吉の指導で、自分の腕と精神を鍛えた。数ヵ月後、以前より
 一層腕を上げた銀子は、山形の盆でツボを振るようになった。彼女のあざやかなツボが評判になり、
 山形の盆は繁盛したが、それをこころよく思わない横尾興業は、妨害策を練った。たまたま、銀子の
 弟で軍鶏の勝負に熱心な弘(平泉征)を知った横尾玄造(安部徹)は、弘をおとりに銀子を自分の賭
 場に連れてきた。銀子と対したのは、かつて銀子との勝負に敗れたことのある、「緋桜のおはる」こ
 と佐々木はる枝(長谷川待子)だった。はる枝は辰吉の娘だった。それを知った銀子は驚いたが、そ
 のはる枝がイカサマを見破られて横尾のリンチをうけたため、銀子は横尾の賭場で一週間ツボを振る
 ことになったのだ。事情を知らない辰吉は銀子の振舞いに激昂し自ら山形の賭場でツボを振った。一
 方、闘鶏の全国大会が近くなると、横尾興業は八百長を企み、前評判のいい弘の鶏を消そうと計った。
 そして借金の証文をカタにはる枝に弘を誘惑させたのだった。そんな時、事情を知った辰吉は、はる
 枝に会ったが、銀子と弘が窮地に陥っていると知ると、横尾興業に殴込んでいった。しかし、多勢に
 無勢、辰吉は凄慘な最期を遂げてしまった。銀子はそれを知ると、意を決して、横尾に勝負を申し入
 れた。勝てば弟を自由にし、負ければ自分が横尾の専属になるという条件だった。銀子の相手は各人
 位にある滝川である。二人の勝負は、雷鳴が轟き、稲妻が走る夜、ローソクの灯の中で行なわれた。
 辰吉の猛訓練を受けた銀子は以前の銀子ではなかった。彼女はツボの中で鳴る二つのサイコロの音を
 聞き分け、見事に勝ったのだった。

 他に、西条美奈子(池原マユミ=弘の恋人)、上野山功一(酒巻健=横尾興業の専務)、谷謙一(赤木)、
石山健二郎(日蓮宗の和尚=辰吉のこころの師匠)、三夏伸(池谷=横尾の子分)、佐伯勇(中本=同)、
森一夫(若い衆一)、花布洋(若い衆二)、九段吾郎(中盆)、井上大吾(若者)、中田勉(バーテン)、
早川雄三(立合人)、須藤道子(トルコ嬢)、川崎陽子(バーの女給)、三笠すみれ(ウエイトレス)など
が出演している。沢田夫妻が経営しているラーメン屋の品書がいくつか見えたので、恒例によって記録して
おこう。

  中華定食   120円
  カツライス  130円
  ラーメン    80円
  餃子      90円
  レバーカツ   90円
  ピータン   100円
  冷し中華    80円

 昭和43年頃の値段である。少し餃子の値が張るような気もするが(ラーメンよりも安かった店が多いと思
う)、だいたいこんなものだったろう。小生が努めて偏食を矯正していた頃で、すでにラーメン以外食べる
気がしなかった状態を脱却していたはずである。この品書には出ていないが、学校給食への激しい嫌悪感か
ら八宝菜や酢豚などは見るのも嫌な時期があったので、変われば変わるものである。ちなみに、現在のとこ
ろ、嫌いな食べ物はほとんどない。

                                                
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