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日日是労働セレクト38
 以下に、「日日是労働」のダイジェスト版・第38弾を掲げます。直ぐ下の記事がこの「日日是労働セレ
クト38」の中では最も新しい日付のものです。つまり、読み進めるほど、古い記事になります。ただし、
いちいち明示しませんが、後日に行った加筆訂正を含んだ日があります。日誌ですから、少なくとも後日
に加筆することはご法度であるはずですが、「某月某日」ということもあり、記事内容の充実を優先させ
ました。ご了承ください。また、頑張って「辛口」の批評を展開しようと務めておりますので、本文に何
かと読者のお気に召さない表現等が散見されるやもしれませんが、特定の個人、団体等を誹謗中傷する目
的は一切ありませんので、どうぞご理解ください。


 某月某日

 DVDで2本の邦画を観たのでご報告。1本目は『死国』(監督:長崎俊一、「死国」製作委員会〔角川書
店=アスミック・エース=東宝=住友商事=IMAGICA=日本出版販売=オメガ・プロジェクト〕、1998年)
である。2本目は、『パッチギ LOVE & PEACE』(監督:井筒和幸、「パッチギ LOVE & PEACE」パートナ
ーズ〔シネカノン=ハピネット=SHOW BOX=読売テレビ=メモリーテック=エイベックス・エンタテイン
メント〕、2007年)である。今日は時間がないので、明日以降に感想を書こうと思う。


 某月某日

 DVDで邦画の『憎いあンちくしょう』(監督:蔵原惟繕、日活、1962年)を観た。現代にこんな企画を立
てても、誰も反応しないだろう。それほど素っ頓狂な筋書だった。北大作(石原裕次郎)というマスコミ
の寵児がいる。マネージャー兼恋人の榊田典子(浅丘ルリ子)とはもう2年の付き合いだが、彼らの間に
男と女の関係はない。ある瞬間が来るまで、指一本触れないという約束を交わしているのである。ただし、
北はそんな関係に飽き飽きしており、さらに分刻みのスケジュールに憤りを覚えていた。そんな彼のここ
ろを沸き立たせる話題が舞い込んだ。九州まで無償でジープを陸送してほしいという三行広告である。依
頼主は井川美子(芦川いづみ)で、ジープの届け先に純粋愛の相手である医師の小坂敏夫(小池朝雄)が
住んでいる。無医地区での活動にどうしてもジープがいるのである。美子は食べるものも食べずにお金を
溜めて、やっと中古のジープを手に入れたが、それを届ける手段がなかったのである。それに逸早く反応
した大作は、スケジュールなど蹴飛ばして、TVの生番組内で「自分が届ける」と言い放ったのである。
仕事をすっぽかしてまでそんな酔狂な依頼に応じたのには、もちろんわけがある。美子と敏夫の純粋愛を
確認し、同時に典子との愛に暗雲を漂わせていた倦怠を払拭するためだったのである。かくして、大作は
一路九州目指してジープを駆ることになるが、典子はそれをスポーツ・カーで追いかけ、それに一郎ちゃ
ん(長門裕之)を始めとするマスコミが群がって、どうにも珍妙なロード・ムーヴィーの様相を呈してく
る。その後の展開は割愛するが、愛の賭けは成功し、大作と典子は「ある瞬間」を迎えるのである。何と
もお気楽な映画で、「ヒューマニズム」とか「愛」とかの言葉が、とてもチープに聞こえてくる。他に、
川地民夫(尾崎宏)、佐野浅夫(記者の奥山)、高品格(大作を批判する男)、山田禅二(ドライブ・イ
ンのオヤジ)などが出演している。


 某月某日

 DVDで邦画の『どこに行くの?』(監督:松井良彦、エースデュースエンタテインメント=ワコー=パイ
オタイド=ツイン、2007年)を観た。『追悼のざわめき』(監督:松井良彦、欲望プロダクション、1988
年)が製作されてから22年が経っているという。性と暴力を真っ向から描く監督としては若松孝二が第一
に挙げられるが、松井監督は若松監督以上に過激である。とくに、『追悼のざわめき』は、あらゆるタブ
ーに挑戦する映画で、差別問題、近親相姦、人肉食、近親間殺人などが何の割引もなく描かれていたが、
当該作品はその意味ではまだまだおとなしい方であろう。ただし、前作よりもはるかに洗練されおり、結
末さえ安直に流れなければ、「佳作」の称号を与えてもいいくらいだと思う。千葉県にある孤児院で育っ
た立花アキラ(柏原収史)は、鋳鋼工場で働いている。刑事の原田(佐野和宏)の性のおもちゃにされな
がらも、その代償として70万円のへそくりを溜めて込んでいる。彼は美貌のせいか、男色の対象として狙
われやすい。社長の木村(朱源実)にも言い寄られており、そちらの方は拒絶の姿勢である。ある日、ア
キラがオートバイで走行中、曲がり道で若い女性をひっかけてしまう。山本香里(あんず)という名の女
だった。気絶した彼女を自室に運んだが、気が動転した彼女は目覚めると直ぐに立ち去ってしまった。後
日、忘れていったバッグを取りに来た彼女をお茶に誘う。素直に応じた彼女と自室でのデートを約束して
別れた。デートの約束をした前日、社長の性癖を知った妻の恵子(村松恭子)が、アキラに馘首を言い渡
す。理不尽であるが、仕方がない。アキラは泣き寝入りすることにした。さて、デートの当日である。香
里がやって来たと思ったドアの向こうに、社長の姿があった。謝るから、会社に戻ってくれと言う。しか
し、ちょっとした言葉の遣り取りから頭に血が上ったアキラは、社長を殴り始める。いわゆる「鳩型暴力」
と呼ばれるものかもしれない。しかも、弾みで包丁が社長の右目に刺さってしまう。ここからの行動は理
解の外で、何とそのまま殺してしまうのである。救急車を手配して、事情を話せば、それほどの罪にはな
らない段階のはずである。よほど狂乱していたのだろう。そこへ、香里がやって来る。大きな不安を抱え
たアキラは香里を押し倒して、その不安から逃れようとする。ここにまた、鑑賞者を驚かす装置が仕掛け
られていた。香里は、本名を佐々木裕二といい、いわゆる「ニューハーフ」だったのである。この後の展
開は割愛するが、警察の鑑識課を志望して、実際にその業務の一通りに触れていたと思われる香里(裕二)
の指揮によって、死体を焼き跡形もなく始末してしまったのである。しかも、アキラはこの香里(裕二)
に求婚し、オートバイに跨って故郷ともいえる千葉の孤児院に向かうところで物語は終りを告げる。なお、
結末は伏せておこう。この映画のキモは男色家である原田と社長にある。両人とものっぺりとした欲望を
むき出しにしており、その欲望の視線を浴びるアキラのやりきれなさが、あのような暴力を生んだのだろ
うか。さらに、ニューハーフとの愛をあっさりと受け容れる彼の内面は、どうなっているのだろう。おそ
らく、この主人公に共感できる人は少ないだろうが、それでも、現代という時代の不思議さが窺える作品
ではある。他に、三浦誠己、長澤奈央などが出演している。


 某月某日

 DVDで邦画の『ROBO☆ROCK』(監督:須賀大観、「ROBO☆ROCK」製作委員会〔モブキャスト=GDH=博報
堂DYメディアパートナーズ=メディアファクトリー〕、2007年)を観た。このところ忙しくて、このブロ
グへの記載も四日ぶりであるが、身体はもっているので何とか年末まで漕ぎ着けそうである。さて、この
作品であるが、嵌れば楽しいファンタジーの世界を垣間見させてくれる娯楽映画である。便利屋のハギワ
ラマサル(塩谷瞬)が、自分の運は自分でつかむべきだという結論に達するまでの経緯が描かれている。
つまり、神頼みは駄目だということ。このマサルへの依頼の仕事から物語は始まるが、どうにも情けない
仕事である。熟女のパンツを盗んで来いというのだ。依頼人は熟女下着マニアの男(我修院達也)である。
彼によれば、パンティではなくパンツでなければならない。その違いはわずか(布の面積が違うだけのよ
うな気がする)である。それにしても、そんな仕事に報酬70万円はないだろう。お金に困っているたいが
いの野郎は引き受けるのではないか。仕事は斡旋屋のイブセ(遠藤憲一)から受けたものである。マサル
は外国人妻(クラウディア)のものを盗むが、バットを手にしたその夫(マーシャル・リー)に追いかけ
られるも、逃げ切って獲物を届けることには成功した。しかし、それはパンティだった。その隣に干して
あったパンツだったら成功報酬を受け取ることができたのに、残念無念である。この辺りのタッチは、依
頼人役の我修院達也の個性もあって、ばかばかしいが物語の導入には成功していると思う。そんなマサル
の元に、変わった依頼が飛び込んできた。マサルの「声」を使わせてほしいというのだ。依頼人は公務員
のニラサワエツロウ(中村祐一朗)で、旧日本軍が開発したヒト型ロボット「ランドツェッペリン」(全
長25メートル)を起動させるために絶対必要だというのだ。そのロボットは、サイクル・ショップを経営
しているタタラジマ博士(うえだ峻)からニラサワが聞き及んだ代物である。タタラジマ博士は元ロボッ
ト工学者で、彼の声によってのみランドツェッペリンは動くという。しかし、その天才博士も鬼籍に入り、
ランドツェッペリンは眠ったままなのである。諦め切れないニラサワは、涙ぐましい努力によって声の質
が同一のマサルを探し当てたのである。マサルは、6年前にバンドをやっており、そのヴォーカルだった
のである。バンドのデモ・テープから、ニワサワはタタラジマ博士と声質が同一であるマサルを発見した
のである。最初、誰が聞いても荒唐無稽な話なので、マサルは断乎として依頼に応じなかった。そこで、
執拗なニラサワは拉致監禁という非常手段に訴える。しかも、ついでにマサルの彼女の彫り師キリコ(美
波)まで自室に連行してしまう。キリコはたった一つしか図案をもっていないインチキ彫り師だが、お金
には目がない。マサルの声の使用権を5千万円ならば売るともちかける。意外にも、交渉成立。しかも、
その5千万円をもっていないニラサワは、自分も便利屋になって稼ぐという。ニラサワが、そうまでして
ランドツェッペリンに拘る理由があった。土星人が地球に侵攻してくる気配があり、それを迎撃するには
どうしてもランドツェッペリンの力を借りなければならないのである。便利屋になったニラサワは、特異
な才能を発揮して、どんどん稼ぎ始める。その頃、もう一人の便利屋で、マサルの友人でもあるコウ(本
多章一)が、ヤバイ仕事を引き受けようとしていた。斡旋屋は、αトム(鮎貝健)とβトム(デニス・ガン)
のトム兄弟である。彼らはイブセと犬猿の仲であるが、コウは好んでトム兄弟からの依頼を引き受けてい
た。麻薬の運び屋、殴り屋、新薬のモルモット、等々、ハイリスク・ ハイリターンそのものの仕事である。
彼は高額の成功報酬に魅力を感じていたわけではない。むしろ、金銭には恬淡である。生きている意味が
分からず、燃える対象を求めていたのかもしれない。マサルは、そんなコウと一緒に危険な仕事を引き受
ける。この後の展開は割愛するが、ランドツェッペリンを呼び出すことによって窮地を抜け出す物語にな
っている。コウは途中で死んでしまうが、彼らが行きつけの定食屋の従業員である、ペルーから来た少女
(イソナ)に恋をしていたので、その点が救いとなっている。ランドツェッペリンが登場する場面は結構
本格的で、小生の子ども時代にこんな実写版の映像作品があったら、おそらく熱狂していただろう。デジ
タル・アニメーションの先駆者であるGONZOの面目躍如である。他に、村松利史(土星のニュースキャスタ
ー)、山本浩司(女装マニアのドリンカー)、しのへけい子(秋刀魚が美味しい定食屋の女主人)、武藤
麻里(地球のニュースキャスター)などが出演している。これは蛇足であるが、コウ役の本多章一を気に
入ってしまった。さらに売れてくれるといいが……。


 某月某日

 後期も折り返し点に達して、いよいよ学期末へとなだれ込んで行く時期になった。だいぶ涼しくなった
が、小生にとっては一年で一番過ごしやすい季節である。「晩秋(ばんしゅう)」という響きもいい。こ
れは駄洒落だが、「蛮習」に通じる。「弊衣破帽」の学生など、何処を探してもいなくなった。ちょっと
淋しいことの一つである。野蛮なことを嫌って、世の中はお上品を目指して進化しているが、上辺だけで
は困る。人皮むけば野蛮そのものでは、洗練とは程遠いからである。時間をかけてじっくり仕上げられた
ものにはいいものが多い。しかしながら、なぜ、世界は急ぎたいのだろうか。もっとゆっくり時間が過ぎ
てゆく世界に棲みたい。これは、切実な願いである。


 某月某日

 DVDで邦画の『疾走』(監督:SABU、『疾走』製作委員会〔IMJフィルムパートナーズ=角川映画=ジェ
イ・ストーム=S・D・P=IMJエンタテインメント〕、2005年)を観た。SABU監督のものを鑑賞するのは、
『POSTMAN BLUES ポストマン・ブルース』(監督:サブ、日活、1997年)以来だと思う。俳優としての彼
にはどこかに含羞を感じさせるが、演出にもそれが窺える。暴力描写も、本当に暴力的な感性から出て来
るものではなくて、本来優しい人が切羽詰って出すものといった感じである。したがって、戦慄よりも哀
愁を感じてしまうのだ。物語はある家庭の崩壊を描いているが、さまざまな人間的な悲しさを絡めてより
一層の厚みを増そうとしている。しかし、果たして成功しているだろうか。個々の物語には平凡さがへば
りついているか、リアリティの乏しい中途半端な話に終わっている。いわば、欲張りすぎたのである。も
っと、単純に描けばよかったのに、と思う。また、兄弟同士の葛藤は人類永遠のテーマだが、キリスト教
の神父が出てきたのに、アベルとカインの話は出て来なかった。わざとだろうか。主演の手越祐也(シュ
ウジ=福原秀次)は、新鮮な感じがしてよかった。相手役の韓英恵(エリ=南波恵利)は、演技はまだま
だだが、何と言っても存在感がある。その成長が楽しみな女優となればいいなと思う。シュウジの兄役
(シュウイチ)の柄本佑は、この手の役が似合う。その他、中谷美紀(アカネ=ヤクザの情婦)、豊川悦
司(宮原雄一=神父)、加瀬亮(宮原雄二=雄一の弟)、平泉成(石倉先生)、寺島進(鬼ケン=アカネ
の男)、菅田俊(シュウジの父)、高橋ひとみ(シュウジの母)、大杉漣(新田=アカネの男)、田山涼
成(エリのおじ)などが出演している。


 某月某日

 DVDで邦画の『機関車先生』(監督:廣木隆一、「機関車先生」製作委員会〔プラウドマン=ユーティー
ネット=テアトルアカデミー=ウィザードピクチャーズ=日本ヘラルド映画=電通=テレビ朝日〕、2004
年)を観た。見事なくらい予定調和で組み立てられている作品である。たまに鑑賞すると、面白く感じる
タイプだろう。剣道の試合で突きを決められ、声帯を潰されて声が出なくなった教師が、母の生まれ故郷
に臨時教員として赴任する。さまざまなエピソードとともに、当地の人々との短い夏の間の交流を描いて
いる。「機関車先生」というのは、誠吾のがっちりとした体型と、口を「きかん」から取られたニック・
ネームである。その教師である吉岡誠吾(坂口憲二)が渡った瀬戸内海に浮かぶ葉名島は美しいところで、
おそらくロケ地としてはさまざまな場所をアレンジしたのではないかと思われるが、21世紀になってもこ
んなところが残されていたのかと思うと、ちょっと感激である。アニメ版として、すでに『機関車先生』
(監督:楠葉宏三、東北新社=フジテレビジョン、1997年)[筆者、未見]という作品があるらしいが、
実写版としてリメイクされたのも、伊集院静の原作に感動する人が多いからだろう。登場人物も、昭和30
年代の人々を思わせた。ただし、違和感を感じた部分もないわけではないが……。その30年代を示すエピ
ソードとして、ラムネや煙草の缶ピー(今でもあるが)はご愛嬌としても、テレヴィ番組の『月光仮面』
(昭和33-34年)は懐かしかった。小生はリアルタイムでは観ていないが、当時の少年少女を熱狂させた
はずである。ちなみに、主演は大瀬康一(祝十郎役)。小生としては、『隠密剣士』(昭和37-40年)で
覚えた俳優(秋草新太郎役)である。1964年に高千穂ひづると結婚しているが、それも鮮明に覚えている。
子ども心に、何か訴えるものがあったのだろう。なお、これは蛇足であるが、劇中に映される『月光仮面』
の第1回は「姿なき殺人」、第7回は「二つの顔」である。他に、堺正章(佐古周一郎=校長)、倍賞美
津子(阿部よね=産婦人科医)、大塚寧々(室井よし江=居酒屋の女将)、伊武雅刀(美作重太郎=網元)、
佐藤匡美(佐古美重子=養護学校の先生をしている校長の娘で、機関車先生に仄かな恋心を抱いている)、
徳井優(新聞記者)、笑福亭松之助(誠吾の祖父)、寺島しのぶ(誠吾の母)[若い頃の写真]などが出
演している。なお、子役はみな上手であった。『月光仮面』等に関する情報は、フリー百科事典『ウィキ
ペディア(Wikipedia)』のお世話になった。


 某月某日

 DVDで邦画の『Chaos カオス』(監督:中田秀夫、タキ・コーポレーション、1999年)を観た。犯罪、
ホラー、恋愛が微妙に絡んだ一篇。わりあい面白かったが、結末には納得がいかない。映像的にももう少
し工夫の余地があるはずである。全篇を通して、津島さと美役の仲谷美紀の魅力が横溢しているが、相手
役の萩原聖人(便利屋の黒田五郎)もいい味を出していた。「狂言誘拐」がひょんなことから発展して……
という筋書にはリアリティがないが、黒田がさと美を緊縛する場面の演出は冴えていたと思う。中田監督
と言えば、『リング』(監督:中田秀夫、「リング」「らせん」製作委員会〔角川書店=ポニー キャニオ
ン=東宝=IMAGICA=アスミック=オメガ・プロジェクト〕、1998年)が有名であるが、手堅い演出のでき
る人だと思う。ただし、カット・バックが頻出するので、何のことだか分からなくなる瞬間があった。こ
ちらの頭の切り替えが鈍いからだろうか。他に、光石研(小宮山隆幸)、國村隼(浜口刑事)、菜木のり
子(黒田美佐子)、山村美智子(小宮山の姉)、諏訪太郎(不動産屋)などが出演している。なお、配役
等については、<goo 映画>を参照した。


 某月某日

 DVDで邦画の『ながされて ー淫情ー』(監督:坂本礼、国映=新東宝、2007年)を観た。いわゆる「ピ
ンク映画」だが、脚本(尾上史高)になかなか味があり、役者(知らない人が多い)の演技もそこそこで、
捨て難いものがあった。二人の男兄弟(兄役石川裕一と弟役金子弘幸)が、失踪していた父親の死を知っ
て失踪先に訪ねに行く。その家には、家出した娘(華沢レモン)が最近までいたらしく、どうやら血のつ
ながらない妹らしい。それに、ラーメン屋に勤める若い女性(野々宮りん)が絡んできて、男と女の物語
が展開してゆく。皆、少しずつ人の悪いところがあるが、根は悪くない。こうした市井の普通の人々の思
惑が、複雑な現代を彩っているのだ。そのちょっと悲しい物語を上手に描いていると思った。「勇気もな
いのに、男やるなよなぁ」という台詞が決まっていた。題名は、『イチゴと拳銃』の方がいいと思うが、
まあ、仕方がないね。他に、伊藤清美、平沢里菜子、井沢崇行、川瀬陽太、佐々木ユメカ、佐野和宏、下
元史朗などが出演している。


 某月某日

 DVDで邦画を2本観たのでご報告。1本目は『風の視線』(監督:川頭義郎、松竹大船、1963年)である。
松本清張原作の映画であるが、中途半端な恋愛もので、はっきり言って退屈だった。取って付けたような
結末もさることながら、登場人物の誰一人としてまるで魅力が感じられず、そういう点では現実に近いの
かもしれないと思った。もちろん、皮肉であるが……。佐田啓二(新聞記者の久世俊介)、園井啓介(カ
メラマンの奈津井久夫)、岩下志麻(奈津井の妻千佳子)、山内明(竜崎重隆)、新珠三千代(重隆の妻
亜矢子)、滝田裕介(写真家の長沖保)、奈良岡朋子(久世の妻英子)、加藤嘉(久世の上司)、小林ト
シ子(山岡ミチ)、毛利菊枝(重隆の母總子)、梅津栄(奈津井の写真家仲間)などが出演している。久
世と亜矢子は相思相愛、奈津井は亜矢子に恋愛感情、重隆と千佳子は過去に肉体関係あり……で、設定は
面白いのだけれど、リアリティがない。しかしながら、この当時の男性優位は揺るがず、その点での収穫
はあった。これは蛇足であるが、原作者の松本清張が作家冨永弘吉の役で出演している。お世辞にも上手
いとは言えない。
 2本目は『夜霧よ今夜も有難う』(監督:江崎実生、日活、1967年)である。これも荒唐無稽の物語で、
どこにリアリティがあるというのか。とくに、グエン役の二谷英明と、チャン役の鈴木瑞穂は気の毒だっ
た。日本語の流暢な東南アジアの某国人という設定だからである。郷●治もビルという黒人と日本人のハ
ーフの役を振られており、似合ってはいたが違和感は拭えなかった。その彼の恋人役のヒロミを太田雅子
が演じていた。梶芽衣子になる前、本名で女優をしていた頃である。やはり、ものすごく惹かれる。物語
は記すほどのこともなく、日活アクションの常套的な筋書であった。ただし、かつて恋人同士だった相良
徹(石原裕次郎)と北沢秋子(浅丘ルリ子)は、結婚したら男の子を3人、女の子を2人もうけよう、と
約束しており、この辺りにはやはり60年代を感じた。他に、高品格(仙吉)、佐野浅夫(宮武刑事)、内
田稔(鬼頭)、二本柳寛(佐伯)、深江章喜(大崎)、榎木兵衛(西)、長弘(若松)、杉山俊夫(関口)、
伊藤るり子(和枝)などが出演している。なぜか、作曲家の浜口庫之助も顔を見せていた。なお、両映画
とも、配役などは<goo 映画>を参照した。●は金偏に英の字。


 某月某日

 DVDで洋画の『キル・ビル Vol.1(KILL BILL Vol.1)』(監督:クエンティン・タランティーノ、米、
2003年)および『キル・ビル Vol.2(KILL BILL Vol.2)』(監督:クエンティン・タランティーノ、米、
2004年)を観た。Quentin Tarantino のとくにファンというわけではないけれど、彼の映画は刺激的であ
る。日本で言えば、三池崇史に当るか。初見は『フォー・ルームス(FOUR ROOMS)』(監督:クエンティ
ン・タランティーノ、米、1995年)という作品で、「気色悪い映画を撮る奴だなぁ」と思っていたが、
『デス・プルーフ in グラインドハウス(Grindhouse)』(監督:クエンティン・タランティーノ、米、
2007年)には痺れてしまった。しかも、彼は梶芽衣子のディープなファンときているから、これはもうお
仲間という感じである。Vol.2のラストに『怨み節』が流れてきたのはご愛嬌であろう。彼への評価は割
れるだろうが、暴力を全面に押し出すわりには、観ていて爽快感がある。そういう意味で、娯楽映画の巨
匠と言えるだろう。ところで、ゴーゴー夕張役の栗山千明も、小生にとって、明らかにこっち側の人。ブ
ラック・マンバ役のユマ・サーマンとの一騎打ちには、思わず息を詰めて観ていた。


 某月某日

 高知には秋がなく、夏からいきなり冬になる。だいぶ以前の年だったが、11月1日に蝉が鳴いていたとき
には驚いた。その日で打ち止めだったが。今年は寒くなるのが早いような気がする。もっとも、小生は暑
がりなので、あまり寒さを感じないが。風邪を引いた人も多いようだが、どうやら花粉症に罹っている人
もいるようだ。何の花粉だろう。幸いなことに、小生の花粉症は春限定なので、今は調子がいい。花粉症
に苦しんでいる人には気の毒だが、「人の痛みにはいくらでも耐えられる」というラ・ロシュフーコーの
言葉をつい思い出してしまう。他者を労わることは本当に難しい。このところ小生の周辺にあまりよいこ
とがないが、そんなときこそ他者の苦しみを感じなければならない。自分にできることを少しでもなさな
ければならない。やさしい気持が湧いてきたとき、人は幸せを感じるらしいから。


 某月某日

 DVDで邦画を2本観た。いずれも「スクール」という言葉が題名に入っている作品である。1本目は『ス
クール・ウォーズ HERO』(監督:関本郁夫、「スクール・ウォーズ HERO」製作委員会〔テレビ朝日=松
竹=G・カンパニー=吉本興業=電通=ホリプロ=TOKYO FM=衛星劇場=日本出版販売〕、2004年)であ
る。実話を映画化した青春熱血ドラマである。不良の溜まり場みたいな学校を、ラグビーの力で変えてし
まう痛快劇である。石原慎太郎の『青春とはなんだ』みたいな展開で、散々観た筋書であるが、それなり
に主人公の山上修治(照英)が熱いので、観ていて気持がいい。他に、和久井映見、内田朝陽、SAYAKA、
里見浩太朗、宮川花子、間寛平、河原崎建三、船越英一郎、原日出子などが出演している。
 2本目は『スクールデイズ』(監督:守屋健太郎、スクールデイズ・パートナーズ〔JDC信託=ポニー
キャニオン=放送出版エージェンシー=テレビマンユニオン〕、2005年)である。元天才子役だった主人
公の相沢晴生(森山未來)の芸能界復帰物語。田辺誠一が演じる赤井豪という俳優が、作中劇で演じる鴻
ノ池幸一という先生役が面白い。作中劇と現実の交錯がこの映画の妙で、筋書も役者の演技も平凡だった
が、けっこう楽しんで観ることができた。田口トモロヲ(監督役)や山本太郎(生徒役を演じる俳優役)
らの芸達者がそれを支えているのだろう。他に、松尾スズキ、金井勇太、鶴見辰吾、寺島進、下条アトム、
夏木陽介、いとうまい子、小池栄子などが出演している。

                                                
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